文:沼尾宏明、オートバイ編集部
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ホンダ「VFR400R」(1993)解説

HONDA
VFR400R
1993年
レプリカ戦国時代の異端児VFRが切り開いたV4レーサー
レーサーレプリカ戦国時代の400㏄クラスに投入された、ホンダ渾身のV4スポーツが VFR400Rだ。VFR750R(RC30)直系のスタイルとメカニズムを色濃く受け継ぎ、カムギアトレーン採用の90度V型4気筒エンジン、アルミツインチューブフレーム、片持ち式プロアームなど、ワークスマシンのDNAを中免ライダーに開放した“プロスペック”マシンだった。
当時のライバルは、直4勢のCBR400RR、FZR400R、GSX-R400R、ZXR400といった高回転型レプリカたちが軽快さとピーキーさを武器にしていたのに対し、VFR400Rは独特のV4サウンドとフロント荷重強めの安定したハンドリングで、より“本物志向”のユーザーを惹きつけた。
主なスペック
●エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブV型4気筒●総排気量:399cc
●最高出力:59PS/12500rpm●最大トルク:4.0kgf・m/10000rpm●車両重量:185kg
●シート高:755mm●燃料タンク容量:15L●タイヤサイズ 前・後:120/60R17・150/60R18
VFR400R各部解説
フレーム
フレームは異形断面アルミツインチューブのフルピボット式で、エンジンを剛性メンバー化しヘッドまわりとピボット剛性を高めた設計。ワークスRVF譲りの片持ちプロアームは中空アルミ構造と偏心カム式チェーン調整を備え、高剛性と整備性を両立している。

エンジン
399cc水冷DOHC90度V4は、カムギアトレーンで4バルブを駆動する超ショートストローク設計の高回転ユニット。クランク位相は等間隔爆発の180度系で、コンパクトなセンターカムチェーン+ギア駆動によりフリクションと慣性を低減し高速回転でのリニアなレスポンスを実現した。

メーター
中央に大径タコメーター、右側に小径水温計、左側に独立スピードメーターを配したレーサー志向の3連レイアウト。

ホンダ「VFR400R」ヒストリー
1986
F3用RVF400直系のカムギアトレーンV4とアルミツインチューブフレームを採用した初代モデル。当時最先端の高回転レーサーレプリカとして登場。

1987
片持ち式プロアームや大径フローティングディスクなど足まわりを一新。最大トルク4.0kgf・mを発生する熟成V4を搭載し、RVF750直系の雰囲気を強めたモデル。

1989
RC30の弟分として、360度クランクの新エンジンとラジアルタイヤ、軽量デュアルヘッドライトを採用。TT-F3直系プロスペックレプリカとして長期継続された。

1990
基本構成はNC30を踏襲しつつ、カートリッジフォークとリザーバータンク付きリアショックを採用して運動性能を向上。新色を設定し、熟成を図った年次モデル。

ホンダ「RVF」

HONDA
RVF
1994年
VFR400RからRVFへ、受け継がれたV4スピリット
ホンダRVF(NC35)は、VFR400Rの後継モデルとして1994年に登場した400cc水冷DOHC・V型4気筒エンジン搭載のレーサーレプリカで、ワークスRVF750譲りのスタイリングに、新設計のアルミツインチューブフレームや倒立フォーク、プロアームを組み合わせた、ホンダV4時代の集大成的モデルである。
アルミツインチューブ・ダイヤモンドフレームが生む高次元のしなやかさ
アルミ製ツインチューブのダイヤモンドフレームは、メインビーム構造とエンジンハンガー形状を一新し、剛性バランスとしなやかさを高次元で両立させた設計だ。プロアームはVFR400R譲りの片持ち式スイングアームで、スイングアーム側にサスペンションをマウントするレイアウトにより路面追従性と接地感を高めつつ、リアホイールの脱着性やレーシングイメージも訴求している。






