注目のBMWの新世代ミドルGS・F450GS。イタリア・シチリア島で開催された国際試乗会からの試乗速報、後編は「TROPHY」仕様でオフロード性能を存分に試してみた。「TROPHY」使用に装備される話題の機構・ERC(イージーライドクラッチ)の出来ばえもしっかりチェックしたぞ!
写真:BMW MOTORRAD、丸山 浩 レポート:丸山 浩
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BMW「F450GS TROPHY」インプレ(丸山 浩)

画像: BMW F450GS TROPHY 総排気量:420cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒 シート高:845mm 車両重量:178kg 価格、発売時期未定

BMW
F450GS TROPHY

総排気量:420cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒
シート高:845mm
車両重量:178kg

価格、発売時期未定

ラリーシート、ブロックタイヤを装備した本気仕様

オフロード性能はF450GS TROPHYで試した。試乗車はワイヤードスポークホイール&ハードブロックパターンのメッツラー製カルー4のオプション装備車だ。

GS TROPHYの試乗車に装着されていたフラットなラリーシートだとシート高は20mm高くなり865mmとなるが、意外にもシート前方の絞り形状とクッション材質のおかげで足つきは標準シートと遜色ない。ちなみに、BMWとしては平均身長174cmのライダーを想定して設計したと言う。

スタンディングポジションでハンドルバーがちょっと低すぎる感じるが、20mmアップするハンドルポストもあり、これでスタンディングをはじめとした前後の動きやすさも相まって、私が思うオフロードでのベストポジションができあがる。

ERCのデキは想像以上。マッチングも上々

画像1: BMW「F450GS TROPHY」インプレ(丸山 浩)

雨が降った直後の超マディなセクションでもしっかりと路面を掴み、予想以上の性能を見せてくれる。ちなみに前後ホイールは、GS TROPHY仕様も先のEXCLUSIVEと同様、フロント19インチ&リア17インチだ。

GS TROPHY仕様に標準装備されている、注目のERC(イージーライドクラッチ)だが、デキは予想以上によかった。

2700rpmあたりで遠心クラッチを通じて駆動力が繋がるのだが、スロットルをゆっくり開けていけばゆっくり繋がり、ガバっと開ければ一気に繋がる。

画像2: BMW「F450GS TROPHY」インプレ(丸山 浩)

オフロード走行ではフロントタイヤをリフトアップさせたり、リアタイヤを故意に滑らせたいときがあるが、そんな芸当もこなしてくれる。

大きめのギャップを超えたいとき、ちょっとだけフロントリフトさせたいときも、コツを覚える必要はあるものの、エンジン回転を調整しながらスロットルを上手く開けてやればこなしてくれる。

もちろん、一番の利点は普段の街中ではストップ&ゴーの際にクラッチレバーをいちいち握る必要がないというイージーさだ。遠心クラッチということで舐めていたが、そのコントロール性はモーターを使ったアクチュエーターでもっと高度な制御を行っている他車の自動クラッチシステムとも遜色なく使えるものであった。

420ccという排気量や48PSというパワーも、遠心クラッチとのマッチングの良さに大きく役立っていると思う。これがもっと大きい排気量になってしまうと、この相性の良さはは生まれてこないのかもしれない。

画像3: BMW「F450GS TROPHY」インプレ(丸山 浩)

なお、先に述べたように、イージーライドクラッチは2700rpm以上だと常時クラッチが繋がった状態となってしまうが、走行中のギアチェンジは双方向クイックシフターである「ギアシフトアシスタントPro」で行なうので、他の自動クラッチと同様の感覚で走れるから心配はいらない。

しかも、ERC仕様であってもクラッチレバーが残されているから、自分でテクニックを使い、エンジン回転を上げつつ半クラ操作をすることも可能。高いレベルの走りにも応えてくれるところが凄い。ただクラッチレバーが付いているため、日本のAT免許では乗れない。

今回は「EXCLUSIVE」と「TROPHY」の2グレードに試乗したが、ここでF450GSの各種装備の充実ぶりも挙げておこう。R1300GSのようなX形状に光るLEDヘッドライトに始まり、「ROAD」・「RAIN」・「ENDURO」そして本気走りの「ENDURO PRO」と揃った充実のライディングモードPro。ナビ表示にも対応したスマホ接続機能もある6.5インチの大画面フルカラーメーター、熱すぎるくらい強力なグリップヒーター。

ABS Proとなるブレーキはフロントに贅沢なブレンボ製キャリパーを採用。ミドルサイズながらビッグアドベンチャーに迫るワンランク上の装備でライダーを楽しませてくれる。

画像4: BMW「F450GS TROPHY」インプレ(丸山 浩)

BMWがライバルとして挙げていたモデルは、KTMの390アドベンチャーR、CF MOTOの450MT、ホンダのNX400等で、いずれも日本では100万円をギリギリ切ってくる価格帯のモデルたち。F450GSの日本価格はまだ未発表だが、EXCLUSIVEがこのあたりの価格帯で勝負してくるのだとすれば、まだGSの世界感を知らないファン層を増やしてくれるだろう。

さらに、GS TROPHYにラリーシート&ワイヤードホイールを加えた、今回の試乗車のようなアドベンチャーの完成形ともいうべき仕様が出てくれば、これまでのGSユーザーでさえ虜にしてしまうかもしれない。

日本での販売は2026年の秋頃になってしまうかと思うが、F450GSは、BMWが誇るGSシリーズの奥深さとファン層を大きく広げる一台と言えるだろう。

イージーライドを可能にする新機構・ERCとは?

画像1: 【世界初試乗!】BMW「F450GS」インプレ(後編)注目のERCの実力をオフロードで存分に堪能する!

F450GSの「TROPHY」に搭載される新機構がERC(イージーライドクラッチ)。ホンダのEクラッチ同様、発進から停止までクラッチレバー操作を必要としないシステムだが、こちらはアクチュエーターを使ったクラッチ操作ではなく、遠心クラッチとクイックシフターである「ギアシフトアシスタントPro」を組み合わせた機構。

画像2: 【世界初試乗!】BMW「F450GS」インプレ(後編)注目のERCの実力をオフロードで存分に堪能する!

エンジン回転数が2700回転になると遠心クラッチが作動し、クラッチが繋がって動力が伝わり、走行可能になる。2700回転以上ではクラッチは繋がったままなので、シフトアップ、シフトダウンの変速はクイックシフターを用いて行う仕組みだ。逆にエンジン回転数が2700回転を下回るとクラッチはオープン(いわゆる切れた状態)になり、停止時もクラッチレバー操作は不要となるが、アイドリング直上までクラッチが繋がった状態を維持する「オーバーライドモード」も備わっているので、低速でいきなりクラッチが切れてしまう心配はない。

もうひとつの大きな特徴は、ホンダのEクラッチ同様、こちらもクラッチレバーを残している点。ライダーが運転中に半クラッチなどの操作を必要とすれば、いつでもレバーを使ってクラッチ操作が可能なのだ。

ちなみに、エンジン始動時にギアが入っている場合は、通常のMT車と同じく、ギアをニュートラルにするか、クラッチレバーを握って始動することになる。また、クラッチレバーを操作しての発進も可能だが、エンジン回転数が2700回転以上である必要がある。エンジン停止時はクラッチがオープンになるので、停車時はバイクが動いてしまわないよう注意が必要だ。

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