1980年代は毎年のように新型車が登場していた熱い時代。多くのバイクが生まれては消えていったが、いまだに愛されている名車もある。その時代の車両を数多く展示・販売する「バイク王 つくば絶版車館」に、空冷4気筒400cc人気の現状を訪ねた。
文・写真:横田和彦/まとめ:オートバイ編集部/協力:バイク王 つくば絶版車館

バイク王 つくば絶版車館の店長・黒澤さんにインタビュー

画像: バイク王 つくば絶版車館 茨城県つくばみらい市小絹120 営業時間:10時30分~19時(平日)10時~19時(土日祝) 定休日:木曜日 www.8190.jp

バイク王 つくば絶版車館

茨城県つくばみらい市小絹120
営業時間:10時30分~19時(平日)10時~19時(土日祝)
定休日:木曜日

www.8190.jp

つくば絶版車館では、絶版となったレアなバイクを中心に販売·買取を行っている。広い駐車場を完備しているため、クルマでの来店もOK。レンタルバイクの利用も可能で、返却日までクルマを駐車しておくこともできる。

画像: ▲店長の黒澤さん

▲店長の黒澤さん

1980年代のバイクは一期一会! 程度を見極めて入手したい

──名車が数多く揃っているバイク王つくば絶版車館ですが、いつから開設しているのでしょうか? 絶版車館ですが、いつから開設しているのでしょうか?

「以前は一般の中古車販売をやっていましたが、2019年に絶版車館としてオープンしました。開設した理由は、年間約10万台を超える取扱車両の中には希少な絶版車もあるので、そういった車種をきちんと整備して販売するショップも必要だろうということでオープンする運びになりました。そのために絶版車に強い人材や設備もしっかりと完備しています。現在絶版車館は、ここと茅ヶ崎の2店舗となっています」

──ここにも数多くの名車が並んでいますが、仕入れルートはどこでしょうか?

「95%がユーザーからの買い取りです。ほかには業者からの買い取りや一部海外からの仕入れなどもあります。こちらでは月に30台ほどの車両が出入りしています」

──今回のテーマは1980年代の空冷4気筒400ccバイクなのですが、人気はどうでしょうか?

「人気はとても高いですね。車両が入荷してネットにアップするとすぐに問い合わせが入ります。みなさんよくチェックしているなと感心しますね。興味を持って問い合わせたり見に来たりする方の年齢層は、車両が現役だった頃に“乗っていた”または“憧れていた”という50〜60代の人から、20代の若い人まで。かなり幅広いと感じます」

画像: ▲1980年代の4気筒400ccブームの足がかり的な存在であるCB400FOURも人気が高い。1970年代後半のモデルだが、バイク王 つくば絶版車館には在庫が揃っていて、価格は300万円〜となっている。

▲1980年代の4気筒400ccブームの足がかり的な存在であるCB400FOURも人気が高い。1970年代後半のモデルだが、バイク王 つくば絶版車館には在庫が揃っていて、価格は300万円〜となっている。

──若い人も多いんですね!

「マンガやアニメ、ドラマなどの影響や、SNSやYouTubeで動画を見て憧れる人なども多いようですね。マンガやアニメに登場するとサイトへのアクセス数が一気に増加します。うちにも中学2年生の息子がいるんですが、なぜゼファーやZRXに乗らないの? なんて聞かれることもあります(笑)」

──それだけ幅広い人々に憧れられる魅力ってなんでしょうか?

「年齢が高い人の中には、現代のバイクの先進的なデザインに馴染めないという方もいますね。若い人たちは伝説的な話題から興味を惹かれる場合や、自分の親世代の影響、レトロなデザインが新鮮に感じるなどといった声が聞かれます。1980年代はメーカーごとに個性的なデザインの車両が多い時代でしたから、そういう意見にも納得できます」

画像: ▲これは大人気のCBX400Fか!?…と思いきや、CB400SFをベースにドレミコレクションがリリースしているCBX400F外装を装着したマシン。こういうバイクで1980年代の雰囲気を味わうというのもアリだ。

▲これは大人気のCBX400Fか!?…と思いきや、CB400SFをベースにドレミコレクションがリリースしているCBX400F外装を装着したマシン。こういうバイクで1980年代の雰囲気を味わうというのもアリだ。

──今となっては高価な買い物になるかと思うのですが、購入時にチェックすると良い部分はどこでしょうか?

「高年式の中古車と一番異なるのは、オリジナル状態の車両が少ないということ。長年の経過の中でメーターが交換されている場合も多いため、走行距離はメーターの表示だけで判断せず、車両全体の状態を総合的に確認することが重要です。また、同様にフレーム修正にも注意が必要です。具体的には、大きな転倒によりハンドルストッパーを再溶接している車両もあるため、そのような車両は特に慎重に各部を確認する必要があります。そういった場合は修理の“質”で判断することも大切ですね。外装が再塗装されているものも同じことが言えます。保管状況もさまざまで、入庫してくる車両の程度には同じものがないので“どこまでなら許せるか”といった、自分で納得できる範囲を決めて実車を見ることも必要かなと思います。1980年代の空冷4気筒400ccバイクは、同時期の250ccモデルに比べると流通量はずっと少ないので、選択肢には限りがありますから」

──なるほど。では、こちらで展示している車両について教えてください。

「展示車両は基本的に未整備車です。ご成約後に整備をスタートさせます。そのときにオーナーさまと仕様を決めるのです。完全にバラしてフレームから塗装して仕上げるフルレストアや、外装のペイントをはじめ、強化部品へのアップデート、USB電源やドライブレコーダーの装着といったオーダーなどにきめ細やかに対応します。年式的に考えて純正部品の入手は難しい車両が多いのですが、その場合は国内外の社外品やリプロパーツなどを使います。ホンダやカワサキの人気モデルは対応しやすいのですが、ヤマハやスズキはパーツ調達が困難なモデルが多い印象ですね。後々の保証のことを考えると販売しにくい車両もあります。当店には車両をゆっくりと見る環境が整っています。車両に対して詳しいスタッフもいますので、絶版車をお探しの際はお気軽にお立ち寄りください」

画像: ▲絶版車用のカスタムパーツはもちろん、純正部品の廃盤をフォローするリプロパーツなども取り扱っている。また絶版車の整備や修理などの相談も受け付けているのも嬉しい。

▲絶版車用のカスタムパーツはもちろん、純正部品の廃盤をフォローするリプロパーツなども取り扱っている。また絶版車の整備や修理などの相談も受け付けているのも嬉しい。

バイク王 つくば絶版車館の「絶版空冷4気筒400cc」在庫車を紹介※取材時

ホンダ「CBX400Fインテグラ」(1982年式)

画像1: バイク王 つくば絶版車館の「絶版空冷4気筒400cc」在庫車を紹介※取材時

ハーフカウル装備のインテグラ(国内モデル)は458万円。CBXは人気車種なので程度が良ければ700万円以上の値がつくことも。輸入車はフレームナンバーでわかる。


ホンダ「CBR400F」(1984年式)

画像2: バイク王 つくば絶版車館の「絶版空冷4気筒400cc」在庫車を紹介※取材時

走行わずか2030kmという極上車は498万円で販売中。この当時はマフラーなどカスタムするのが当たり前だった時代。フルノーマルというのはとても希少だ。


カワサキ「Z400J(Z400FX仕様)」(1981年式)

画像3: バイク王 つくば絶版車館の「絶版空冷4気筒400cc」在庫車を紹介※取材時

輸出仕様のZ400JをベースにFX(タイガーカラー)仕様に仕上げた1台。キャブレター、集合マフラー、シートなど各部がカスタムしてある。価格は278万円。


ヤマハ「XJ400D」(1981年式)

画像4: バイク王 つくば絶版車館の「絶版空冷4気筒400cc」在庫車を紹介※取材時

クラス唯一の4本マフラーを装備していたエレガントなXJ400D。高性能を誇ったが、残存する台数はかなり少ない。出合えたなら即決するくらいの勢いが必要か。

文・写真:横田和彦/まとめ:オートバイ編集部/協力:バイク王 つくば絶版車館

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