まとめ:岡本 渉/協力:バイカーズステーション、佐藤康郎、H&L PLANNING
※本記事は2025年7月2日に発売された『レーサーレプリカ伝 4ストローク編』の内容を一部編集して掲載しています。
スズキ「コブラ」(1989年)の歴史

SUZUKI
COBRA
1989年
総排気量:248cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
シート高:730mm
乾燥重量:139kg
税込価格:53万9000円
www.autoby.jp1980年代末から1990年代初頭にかけて、2ストレーサーレプリカのRGV250ΓやRG200/125Γをベースに、カウルを取り去ってポジション設定などを変更した特異なネイキッドスポーツ・ウルフシリーズをラインアップしていたスズキ。そして同時期には、ウルフの4ストロークバージョンとでも言うべきモデルの「コブラ」も販売していた。
ウルフには1988年にデビューしたRGV250Γベースのウルフ250をはじめ、RG125/200Γベースの125/200、そしてRG50Γベースの50と計4モデルがあったが、ウルフ250デビューの翌年、1989年に発売されたのは250ccの「コブラ」1モデルのみ。そのベースになったのは4ストレプリカの雄、GSX-Rシリーズの最小排気量モデルであるGSX-R250Rだった。

GSX-R250Rは、1987年に登場したGSX-R250をベースにフレームを一新、水冷直4エンジンはキャブレター変更などでパワーアップ、前後サスやブレーキもグレードアップしSPレースでの戦闘力を向上させたモデル。
フルカウルを外して丸形1灯ヘッドライトを装着し、ハンドル位置は上方へ20mm、後方へ15mm移動させてポジションを変更。さらにミッションは5速・6速のレシオを変更してクロス化し、フロントタイヤをバイアスに変更するなど、街乗り向けの性格が与えられた。こうした開発手法は、ウルフと基本的に同じである。
カウルに隠れていた極太のフレームやエンジンをむき出しにした、独特の凄みを感じさせるスタイルもウルフと同様だが、アッパーカウルの一部を切り欠いたようなラジエーターシュラウドが、コブラのスタイルを特徴付けている。GSX-R譲りの高性能と個性的スタイルを備えたコブラには、ライバルはいないはずだった。

ところが1989年末、スズキがよりオーソドックスで扱いやすい250ネイキッドであるバンディット250をデビューさせたことで、コブラの運命は思いもかけない方向に向かう。両車は最高出力こそ変わらないが、速さという面ではコブラの方がもちろん上だ。
しかし、この頃まさに巻き起こった、レーサーレプリカブームの反動とも言うべきネイキッドブームによって、ごく普通のネイキッドであるバンディット250が大ヒット。
対してコブラは、性能面でレプリカに近過ぎ、スタイルもあまりに個性的だったため、ネイキッドを支持するライダーから見向きもされなかったのだ。レーサーレプリカとネイキッドというふたつの時代の狭間に翻弄された末、コブラはひっそりと姿を消していった。
スズキ「コブラ」(1989年)の主なスペック・当時価格
| 全長×全幅×全高 | 1990×695×1010mm |
| ホイールベース | 1380mm |
| 最低地上高 | 125mm |
| シート高 | 730mm |
| 乾燥重量 | 139kg |
| エンジン形式 | 水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒 |
| 総排気量 | 248cc |
| ボア×ストローク | 49×33mm |
| 圧縮比 | 12.5 |
| 最高出力 | 45PS/15000rpm |
| 最大トルク | 2.6kg-m/10500rpm |
| 燃料タンク容量 | 13.0L |
| 変速機形式 | 6速リターン |
| キャスター角 | 25°00′ |
| トレール量 | 94mm |
| ブレーキ形式(前・後) | シングルディスク・シングルディスク |
| タイヤサイズ(前・後) | 110/70-17 54H・140/60R18 64H |
| 当時価格(1989年) | 53万9000円 |
まとめ:岡本 渉/協力:バイカーズステーション、佐藤康郎、H&L PLANNING
※本記事は2025年7月2日に発売された『レーサーレプリカ伝 4ストローク編』の内容を一部編集して掲載しています。

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