釣りキャンプツーリングとかだと荷物が多くて、積載が悩ましい。で、純正キャリアの枠みたいなラックが便利そうなんだけど、せっかくだから自分で純正キャリア同寸の木箱をDIYしてみようかと。昭和の牛乳箱とかを取り付けるのもありなんだけど、バイク積載に最適化はされてないので、そのあたりも考えて理想の木箱を作ってみるよ。

理想的な木箱を作りたい

カブといえば箱なんだけど、バイク用の樹脂ボックスやアルミボックス、ホムセンボックスだけでなく、昭和レトロな木箱を取り付けるのも割と憧れなんですよ。
牛乳瓶とかを収納する、蓋の無い木枠みたいなやつね。
密閉された箱と違って、キャリアの枠みたいな感じで積載をサポートしてくれるので、積載の自由度が非常に高いし、なんといっても見た目が渋い。
探せば当時物の箱とかも入手できるみたいなんだけど、バイク用ではないのでフックを掛ける場所がなかったり。
なので、今回は昭和レトロ木箱を意識しつつ、積載に便利なフック掛けもついて、しかもキャリアと同サイズな木箱をDIYしてみるよ。

作る前に自分的に必要な条件。
まずCT125・ハンターカブのでっかい純正キャリアと同寸にしたいのよ。もっといえば箱の底面積がキャリアの積載部分と同サイズになって欲しい。
次に、箱の高さは低めにしたい。昭和レトロ木箱のイメージ。荷物を飛び出さないようにするラックみたいな使い勝手にしたいんですよ。
最後に、ツーリングネットやロックストラップを掛けやすいように、フックの掛かる場所を設けること。

まとめると、キャリア同寸の低めな木箱でフック付きというのが自分の理想。

サイズを決めるよ

まずは純正キャリアのサイズを測ってみるよ。
実測でこんな感じ。幅約410mmで、長さ約450mm

画像1: サイズを決めるよ

キャリアに合わせるので、木箱の底面積は410mm×450mmに決定。高さについては材料をみつつ考えよう。

次は材料。
最初は、入手が容易でサイズ展開が豊富なDIYの味方である2×(ツーバイ)材でいけないかな、と。2×材の中でも、1×4材とか1×3材を組み合わせれば比較的楽に作れそうだけど、板厚が19mmなのよね。実際に材木を見てみると、自分のイメージよりちょっと分厚いかも。

で、ホームセンターを見て回ってたら赤松の貫材というのが板厚15mmでイメージ通りの厚み。強度についても、触った感じ結構頑丈そう。
板の幅も90mmと、ほぼイメージ通りの高さになりそう。

板厚が15mmに決まったので、自動的にサイズも決定。
側板は、長さ450mmを2本380mmが2本。短辺側は410mmから15mm*2の30mmを引くので380mmね。
底板は板材を貼り合わせて作ろうかとも思ったけど、接合の難易度が高そうだし楽をしたいのでラワン合板にするよ。サイズは450mm×410mm。こちらも板厚は15mm。

板材を自分でカットしても良かったんだけど、カットが斜めになって隙間ができたら嫌なので、ホームセンターでカットしてもらったよ。ホムセンのカットサービスってコスパ良いと思う。

画像2: サイズを決めるよ

これで部材はそろったので、次はこの部材たちを箱にするための道具と工程だよ。

使った道具やパーツ

木箱の作り方は色々あるけど、接合方法で代表的なのは、(ビス)ダボビスケットジョイント組つぎあたりじゃないかな。
ほんとはビスケットジョイントをやりたいんだけど、ビスケットジョインターが高くて手が出ないので今回は苦手意識のあるダボに挑戦してみるよ。
箱組の方法についても、組み継ぎできれば格好良いんだけど自分の腕前では不安があるので、今回はシンプルにこんな感じで組み立てていくよ。

画像: 使った道具やパーツ

短辺と長辺をダボ&接着剤で長辺側と接合。ロの字になった枠を底板にダボ&接着剤で接合するよ。

ダボ継ぎに必要な道具

ダボ継ぎに必要なのはダボ錐。普通にドリルでも良いんだけど専用品の方が楽なはず。
今回は6mmダボを使うので、ダボ錐も6mm適合のもの。

大西工業(Onishi Kogyo) 6角軸ダボ錐(NO.22) 6mm用mm

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ダボ継ぎの主役であるダボももちろん必須。
ダボ錐に付属してきたりもするけど、意外とサイズの公差がでかいので、自分は日本製のダボを買うようにしてる。

新潟精機 SK 日本製 木ダボ 6x30mm DB-6 40本入

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ダボは接着剤の水分を吸って膨らむことで強固に固定されるので、木工用ボンドも必要。

画像: セメダイン 木工用 接着剤 ポリ容器 50ml CA-224 amzn.to

セメダイン 木工用 接着剤 ポリ容器 50ml CA-224

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ダボマーカーも必須。これがあれば位置決めが凄く楽になるよ。一度に使う穴の数だけ用意しておくと楽。3本のダボでつなぐなら3個、みたいな。自分は1個しか手元になかったので、心中冷や汗ものでした。

新潟精機(Niigataseiki) SK 日本製 マーキングポンチ ダボ用 6mm 5個入 DP-6

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あとは電動ドリル。自分は手元にあったインパクトで作業したけど、個人的には電動ドリルの方がコントロールしやすい気がする。
電動ドリルは回転するだけ。インパクトは回転しつつ押し出す動きをするやつね。

画像: KYOCERA(京セラ) ドライバドリルキット FDD-1010KT amzn.to

KYOCERA(京セラ) ドライバドリルキット FDD-1010KT

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あと、ダボ錐とダボの長さにもよると思うんだけど、ダボの長さを調整するために小さめのノコギリもあると便利よ。アサリ無しの方が使いやすいよ。

ゼットソー Z ライフソークラフト 145 本体 No.30023

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あとは作業台とか。自分はレンガ2個と端材で何とかしてるけど、折りたたみ作業台とか便利だよ。

フックを留める金具

フックを掛けるための取っ手は真鍮が良かったけど高かったのでこれを購入。
表からビスで留めるだけだと強度が心配なので、実際に作業しつつ検証してみることにするよ。

BLOOPIC ミニ 取手 プルハンドル 亜鉛合金 アーチ型 強化 ボックスハンドル アンティーク調 ユニバーサル レトロ ネジ 家具 引き出し 取っ手 耐摩耗耐久性 キッ10個入り 付属ネジ(ブロンズ+6cm)

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あと、コーナー部分にこんな飾りもつけてみることにするよ。これで接合部に段が出ても目立たなくなるはず。

コニ・ビオラ 真鍮飾金具 三つ折 K-63 2個入│タンス・キャビネット用品 飾り金具・装飾金具

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仕上げに必要なもの

紙やすりは、#120とか#180あたりがあればなんとかなるよ。綺麗に仕上げるなら自分の場合は#400くらいを使うかな。

画像: ビッグマン(Bigman) 紙ヤスリミニセット #120#240#400 18枚入り(各6枚) BYR-25 amzn.to

ビッグマン(Bigman) 紙ヤスリミニセット #120#240#400 18枚入り(各6枚) BYR-25

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で、今回は赤松なので塗装かニスかオイルステインで仕上げておきたい。松って樹液滲みそうだし、そもそもバイクで使うから耐候性をあげるためにも仕上げは必要だし。
ホームセンターにあったオールドウッドワックスを購入。色はウォルナット。

ターナー色彩 オールドウッドワックス 350ml ウォルナット OW350004

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取っ手穴を開けるのに必要なもの

側板に穴を開けて箱を持つための取っ手穴を開けておきたい。バイクの積載で使うわけじゃないけど、ディテールというか飾りですね。
綺麗に穴をあけるなら座ぐりドリルがオススメ。余裕を持って指を通せるよう、25mmをチョイス。

イチネンアクセス RELIEF(リリーフ) 木工ドリル 六角軸 座ぐりドリル 25mm 26392 ギザ刃

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開口した取っ手穴を整形するのには、のこヤスリがオススメ。これは、ノコギリ刃を重ねたような道具なんだけど、手早く粗く削るには凄く便利なのよね。

神東 シントー のこヤスリ S E1101

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木箱を実際に作っていくよ

仮組して木目の位置をチェック

まずは板材を組み合わせて仮組。

画像1: ハンターカブ純正キャリア同寸の、自分的な要望を詰め込んだ木箱をDIYしてみる〈若林浩志のスーパー・カブカブ・ダイアリーズ Vol.354〉
画像2: ハンターカブ純正キャリア同寸の、自分的な要望を詰め込んだ木箱をDIYしてみる〈若林浩志のスーパー・カブカブ・ダイアリーズ Vol.354〉

こんな感じ。仮組をして、良い感じの木目を外側にしたりと、材の位置を決定させていくよ。見た目の良いのを外側に、逆にあんまりな部分は内側にする感じ。

画像1: 仮組して木目の位置をチェック

仮組に合わせて、接合部分にマークを書いておこう。BとBを合わせる、みたいな感じね。2mmとかの建築用シャープとか芯ホルダーに柔らかめの芯をいれると便利。芯が硬かったり細かったりすると材に跡が残りやすいからね。

画像2: 仮組して木目の位置をチェック

持ち手の穴を開けよう

短辺側に持ち手穴を開けるよ。
位置がずれるとヤなので、慎重に位置を測っていくのだ。

画像1: 持ち手の穴を開けよう

綺麗に開口するため、下に適当な端材を敷いて当て木しておくよ。こうすると出口側の切り口が綺麗になるのよ。

画像2: 持ち手の穴を開けよう

電動ドリルに座ぐりビットをつけて掘るとこんな感じ。最初は重要な両端から。実に簡単。
簡単だけど両手ふさがって写真撮れなかった。

画像3: 持ち手の穴を開けよう

そのまま残った中央部分もできるだけ掘っておこう。

画像4: 持ち手の穴を開けよう

そしたら中央部をが平らになるように削っていくよ。ノコやすりならあっという間。

画像5: 持ち手の穴を開けよう

ノコやすりでざっくりと形状を作ったよ。

画像6: 持ち手の穴を開けよう

あとは紙ヤスリで仕上げていこう。赤松は柔らかいので、紙ヤスリでもさくさく整形できた。

画像7: 持ち手の穴を開けよう

#180でこんな感じ。ついでに紙ヤスリで板材の角とか表面も一通り滑らかにしておこう。

画像8: 持ち手の穴を開けよう

ダボで側板をつなげていくよ

そしたらダボの出番。

画像1: ダボで側板をつなげていくよ

さっき書いた記号がここで役立つよ。板厚の部分も線を引いておこう。

画像2: ダボで側板をつなげていくよ

線の内側、中央部分くらいにダボ錐で穴をあけるよ。2カ所で接合したけど、せっかくなら3カ所の方が良かった気がする。

画像3: ダボで側板をつなげていくよ

そしたらダボマーカーを入れて、接合先の材木をあてがってぎゅっと押し付けよう。これで穴あけ位置がマークされるよ。

画像4: ダボで側板をつなげていくよ

ダボマーカーを引っこ抜くにはネジザウルス系の、先端でつかむことのできるプライヤーが便利。

画像5: ダボで側板をつなげていくよ

反対側に穴を開けたらダボに接着剤をつけてダボ穴に叩きこもう。
YouTubeで見た知識だけどダボ穴とダボの両方に接着剤をつけるのが一番接着剤がまわるみたい。

画像6: ダボで側板をつなげていくよ

片側にダボを固定したら、もうかたっぽをあてがって位置がちゃんと合ってるか確認。

画像7: ダボで側板をつなげていくよ

問題なければダボをちょっと短くするよ。
ダボの全長は30mmなんだけど、ダボ錐は10mmくらいなので、10mmくらい余ってしまう。なので余分をカットしないとなのよ。

画像8: ダボで側板をつなげていくよ

こういうカットのときはアサリ無しノコギリが使いやすいよ。アサリってのはノコギリ刃が左右に広がってるってことね。これのおかげで刃厚よりも少し幅が広く切れるようになってるんだけど、ダボみたいに細かいものに対しては刃の効く部分が広すぎて綺麗にカットしにくいのよ。
アサリ無しの方がこういう細かいカットはやり易い。個人の感想だけど。

画像9: ダボで側板をつなげていくよ

短くしたらヤスリでダボの角をちょっとだけ丸めておくよ。

画像10: ダボで側板をつなげていくよ

そしたらダボ、ダボ穴、接合面に接着剤を塗って、傷つかないように打ち込んで接合。

画像11: ダボで側板をつなげていくよ

これを繰り返せば、ロの字の側板ができあがるよ。作業に夢中で撮り忘れたけど。

側板を底板と接続しよう

側板と底板を合わせて、一番良い感じの位置を見つけたら、またマーキングしておこう。

画像1: 側板を底板と接続しよう

で、ダボ穴を開けてダボを入れて、ダボを短くして接合。接着剤もお忘れなく。

画像2: 側板を底板と接続しよう

これでダボ継ぎによる箱組完成。

画像3: 側板を底板と接続しよう

オイルで仕上げ塗装しよう

できあがった箱にオイルを塗っていくよ。

画像1: オイルで仕上げ塗装しよう

ハンターカブ(JA65)のオイル交換でも使ったDRCのタイミングプラグレンチ。こういう蓋を開けるのにも重宝するのよね。

画像2: オイルで仕上げ塗装しよう

ねちょっとしてる。そうそう、天然由来とはいえ油性なので、換気と火気には必ず注意してね。

画像3: オイルで仕上げ塗装しよう

古いTシャツとかの布で塗り広げていくよ。木目に対して横向きに塗り始めちゃったけど、木目に沿って塗った方が良いはず。ふちっちょは筆とかあると便利。

画像4: オイルで仕上げ塗装しよう

一通り塗ることができたら、ちょっと置いてから綺麗な布で余分なオイルをぬぐっていこう。
素手で作業してるけど、実際にやるときは必ず手袋をしてね。体に悪いし、付着したらなかなか取れないよ。

画像5: オイルで仕上げ塗装しよう

オイルだと木目がよりくっきりする効果もあるのよね。

画像6: オイルで仕上げ塗装しよう

オイルが付着した布は、燃やすか水分を含ませて乾燥しないようにして捨ててね。
オイルステインの付着した布とかって、ほっとくと自然発火する可能性あるのでくれぐれもそのまま捨てないようにね。

飾りと荷掛け部分をつけよう

最後にコーナー金具や荷掛け金具の取付。コーナー金具については付属の釘で打ち込んでみたけど、ちょっと弱い気がするのでまた今度細いネジを探して交換しておこう。

画像1: 飾りと荷掛け部分をつけよう

当初は上にだけ付けるつもりだったけど、数を勘違いして余ったのですべての角につけといた。

画像2: 飾りと荷掛け部分をつけよう

そしてフックを掛けるための取っ手金具。
小さいビス2本での固定なので、フックの荷重に耐えれるか少々気になる。なので、端材に取り付けてフックで引っ張って強度確認してみるよ。

頑張って引っ張ったけど大丈夫そう。ビスって意外と強いのね。

画像3: 飾りと荷掛け部分をつけよう

念のためロックストラップでも試してみるよ。うん、大丈夫そう。
あとは実際使ってみて検証。不安があったら貫通ボルトで留めるタイプの取っ手を探そう。

画像4: 飾りと荷掛け部分をつけよう

電動ドリルやインパクトドライバーでゴリゴリ取り付け。

画像5: 飾りと荷掛け部分をつけよう

ネットを掛ける時の自由度を高めておきたいので、四隅に2個ずつつけてみた。

画像6: 飾りと荷掛け部分をつけよう

これで完成。
オールドウッドワックスの完全乾燥には一週間かかるので、それまでは無理しないようにしないと。

画像7: 飾りと荷掛け部分をつけよう

完成&まとめ

というわけで完成したものがこちら。

画像1: 完成&まとめ

飾りとして開けた持ち手の穴だけど、持ち運びに意外と便利だった。
フック掛けも8カ所あるし、積載も楽になるはず。

というわけで自分にとっての理想の木箱が完成。
これをキャリアに取り付けるために金具を用意したり、開口位置を決めるんだけど長くなるのでそれはまた次回か次々回あたりに。
キャリアへの取付は、ホムセン箱の取付とかにも応用できるはずなので、頑張るよ。

画像2: 完成&まとめ

レポート:若林浩志

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