1987年12月に初期型がデビューしたCBR400RRは、カラーリング変更を繰り返しながら年式を重ねたが1990年3月には大幅な改良を施した2代目が、ブームの頂点を迎えていたレーサーレプリカ市場に投入された。乗り手の意思を忠実に反映した走りを得るため、マスの集中に徹底的にこだわった開発による力作だった。
まとめ：岡本 渉／協力：バイカーズステーション、佐藤康郎、H&L PLANNING
※本記事は2025年7月2日に発売された『レーサーレプリカ伝 4ストローク編』の内容を一部編集して掲載しています。
まとめ：岡本 渉／協力：バイカーズステーション、佐藤康郎、H&L PLANNING
※本記事は2025年7月2日に発売された『レーサーレプリカ伝 4ストローク編』の内容を一部編集して掲載しています。
ホンダ「CBR400RR（NC29）」（1990年）の概要
Honda
CBR400RR
1990年
総排気量：399cc
エンジン形式：水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
シート高：750mm
乾燥重量：162kg
発売当時価格：69万9000円
ホンダ初の400ccレーサーレプリカとして1987年12月に発売されたCBR400RRは、1986年7月登場のCBR400Rを元にシリンダーヘッドを変更、シャシーや外装パーツを改めて、型式はR/RRともNC23ながら、RRはまったくと言えるほどに作り替えられた。
RRは1988年に2回、1989年に1回のカラーリング変更を実施したが、機能的な部分は初期型から継承。しかし初登場から2年4カ月後となる1990年3月、全面に手を加えた第2世代“NC29”がリリースされた。
エンジンはクランクケースアッパーとシリンダーを一体化するなどでコンパクト化し、フレームは途中で2度曲がり最適な剛性やねじれを得ながら低重心も狙ったLCG（Low Center of Gravity）フレームに変わる。PGMイグニッションによる点火マップコントロールなども採り入れられた。
当時の4ストローク400ccレーサーレプリカ市場は最盛期だったと言える。前年の1989年にカワサキはZX-4の後継車としてZXR400を発売。同年にヤマハはFZR400を大幅に改良してFZR400Rに改名。スズキはホンダと歩調をあわせるように1990年にGSX-R400を全面変更、エンジンと車体を一新した。
NC29はカラーリングの見直しを繰り返し、1993年12月に発売された車両が最終モデルとなった。
