1954年の創業よりヨシムラの歴史は、レースと共にあると言っても過言ではない。本企画では、そんなレーシングカンパニーが作り上げてきた百戦錬磨のマシンの中から代表的なものをピックアップ。vol.2では、1983年に登場したモリワキとの共同制作マシン「GSX1000」を解説しよう。
まとめ:オートバイ編集部/協力:RIDE編集部
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トルネード1200ボンネビル誕生までの系譜

画像: トルネード1200ボンネビル誕生までの系譜

レース参戦で得たノウハウを市販モデルへフィードバック

1985年から1986年にかけてヨシムラはTT-F1、F3参戦で培った技術を市販モデルへフィードバックするべく、様々な試みを重ねていた。

当時の保安基準などの制約から、キットパーツ販売となったが、後に登場したコンプリートモデル「ヨシムラトルネード1200ボンネビル」への挑戦はこの時期からスタートしていた。

上の写真の手前は、辻本聡選手が駆り、1985年全日本ロードレースTT-F1の王座に輝いたレーサー。奥のモデルは、当時のカタログの言葉を借りれば、「ヨシムラはサーキットで得たノウハウを、喜んでストリートライダーと分かちあいます」という考えから開発された1985年型GSX-R750を基とするトルネードF-1のプロト車(上写真の右)。

画像: YOSHIMURA TORNADO F-1 PROTO

YOSHIMURA TORNADO F-1 PROTO

風洞実験により形状を決めたカウル形状や歪みを抑えたスクリーン、純正の半分まで軽量となったアルミタンクや、流れるようなラインを造るシートカウルといった外装パーツに加え、アルミ製のバックステップ、外径を300mmから310mmに拡大したフロントのフローティングディスク、丸穴を開けたスパウトホイールなどからなるシャシー・パーツの装着が公道仕様の基本となる。

ヨシムラ製パーツを使って一基一基を手作業で組み上げた130PSを発揮するステージ2コンプリートエンジンや、オリジナルのステアリングシステム+クリップオンハンドル、フォークスプリング、ヨシムラ・カヤバ製リアショックなどで構成される車体用セットアップキットも用意された。

上の2台は1985年型のGSX-R400にレースキットパーツを組んだものだが、チューンアップの度合いは両車で異なり、「ステージIII」は、国際A/B級ライダーに向けに開発。「ステージII」はノービス
ライダーを対象とした仕様となる。

レースキットを装着した2台のマシン同様の外装や前後ホイールに加え、ステップ、リアブレーキ、排気系などを交換することで、レーサーの外観を公道に持ち込むモデル(下の写真)も企画されていたが、ヘッドライトが片側一灯で当時の車検が取れず、実現できなかった。

まとめ:オートバイ編集部/協力:RIDE編集部

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