ホンダを代表するオートバイの1台、当時登場したレーサーレプリカの中でも代表格としても挙げられるホンダ NSR250R。その性能は他を凌駕するものがあり、当時はもちろん、今もなお多くのファンを持つ。ここでは1989年に大幅なマイナーチェンジを受けたMC18・後期型を解説していく。
文:太田安治、オートバイ編集部/写真:赤松 孝、松川 忍、南 孝幸/協力:Bikers Station、H&L PLANNING
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ホンダ「NSR250R」(MC18後期・1989年)特徴

画像: Honda NSR250R(MC18後期) 1989年 総排気量:249cc エンジン形式:水冷2スト・クランクケースリードバルブV型2気筒 シート高:780mm 車両重量:149kg 販売当時価格:59万9000円

Honda
NSR250R(MC18後期)
1989年

総排気量:249cc
エンジン形式:水冷2スト・クランクケースリードバルブV型2気筒
シート高:780mm
車両重量:149kg

販売当時価格:59万9000円

スラントノーズの新作カウル、スイングアームを採用したMC18後期型

MC18は1989年2月10日にビッグマイナーチェンジを図る。これはMC18前期型の登場から約13カ月後のことで、当時の車両開発サイクルの短さを再認識させる。ここではそのマイナーチェンジ後を便宜上、MC18後期型として紹介する。

最大の特徴はアッパーカウルの造形を改めたことで、フロント部を寝かせる=スラント化して空力特性を改善している。また、前期型のフロントカウルはアッパーと左右サイドの三分割だが、後期型ではアッパー+左右サイド+左右アンダーの五分割式となり、フロントウインカー後方の開口部も位置と形状が改められた。シートカウルも微妙に変化しており、ニーグリップする部分にあった三本の縦スリットがなくなった。

燃料タンクの造形は変わっておらず、容量16Lも同じ。カラーリングは「ブラック×シードシルバーメタリック」。これは当時の全日本選手権でNSR250を走らせたシードレーシングチームのカラーリングに倣ったもので、SEEDは西武グループのアパレルブランド。

この他にも1989年に登場したSPモデルでは、一般にもバイクが大ブームとなっていたこの頃は多分野の企業がレーススポンサーとして参入し、オートバイ業界もまさにバブル景気だった。

90度Vツインエンジンの基本は同じだが、キャブレターは可変エアジェットを二個備えたPGMキャブレターIIに。点火系も前後気筒の各点火タイミングを独立演算化し、最適な点火時期を決定するPGMイグニッションIIに。

RCバルブもスロットル開度を変数に加えたPGM RCバルブと、制御系が進化している。フレームの基本は同じだが、スイングアームは部材をメインフレームに近い変則5角形断面へと変更。リアブレーキキャリパーもフローティングマウント化された。

画像: 1989年 NSR250R SP(カラー:ロスホワイト×テラシルバー×ノーベンバーシルバー)

1989年 NSR250R SP(カラー:ロスホワイト×テラシルバー×ノーベンバーシルバー)

レース使用時にはHRCサービスショップで販売、組み付け/調整されるサーキット専用のチャンバーや、キャブレターのセッティングパーツ、リミッター解除ユニットなどを投入することで68PS/11250rpmという高出力を得ることもできた。

MC16からMC18、そして前期から後期型へと、またもや大きな変化をすることで、最強・最速路線へとNSRは進化した。

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