ホンダを代表するオートバイの1台、当時登場したレーサーレプリカの中でも代表格としても挙げられるホンダ NSR250R。その性能は他を凌駕するものがあり、当時はもちろん、今もなお多くのファンを持つ。ここでは1989年に大幅なマイナーチェンジを受けたMC18・後期型を解説していく。
文:太田安治、オートバイ編集部/写真:赤松 孝、松川 忍、南 孝幸/協力:Bikers Station、H&L PLANNING
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ホンダ「NSR250R」(MC18後期・1989年)各部装備・ディテール解説

▶エンジン

画像1: ホンダ「NSR250R」(MC18後期・1989年)各部装備・ディテール解説

更なる進化を遂げた後期型のパワーユニット

6速ミッションはMC16以来のカセット式で、エンジンをフレームから降ろさずに整備できる利点を持つ。

MC16からMC18前期型に移行する際に変速比は①2.624→2.846 ②1.800→1.941 ③1.380→1.500 ④1.125 →1.272 ⑤1.000→1.136 ⑥0.916→1.045 に改めたが、MC18後期型では①はそのまま②2.000 ③1.631 ④1.368 ⑤1.250 ⑥1.173へと変更した(2.360の一次減速比はそのままで、2次減速比は2.733→2.800と異なる)。

この時にクランクピンもΦ24mmからΦ25mmにされた。車体も全長/全幅/全高は1980/650/1060mmで、前期型に比べて全長-5mm、全幅+10mm、全高-45mmとなった。シート高は+10mmの780mm、乾燥重量は+4kgの131kgを公称。

画像2: ホンダ「NSR250R」(MC18後期・1989年)各部装備・ディテール解説

二連式のキャブレターはMC18前期型と同様にフラットバルブを装備するが、コンピュータによる制御技術を高性能化。

前期型では、スロットル開度とエンジン回転数を検知し、ひとつの可変エアジェットをコンピュータで制御して空燃比を最適化したが、このMC18後期型では二個のソレノイドバルブを使ってふたつの可変エアジェットをコントロールし、より高回転化を実現していた。


▶そのほか注目のポイント

画像: チャンバー後端部にレゾネーターを新設し、排気ガスが通過する部分とチャンバー外壁の間に空間を設け、テールパイプの管共鳴音を低減、さらにインナーパイプのうち中央部の一本に角度を持たせ騒音低減を図っていた。

チャンバー後端部にレゾネーターを新設し、排気ガスが通過する部分とチャンバー外壁の間に空間を設け、テールパイプの管共鳴音を低減、さらにインナーパイプのうち中央部の一本に角度を持たせ騒音低減を図っていた。

画像: フロントフォークはΦ41mm正立でフォークオフセットは35mm。ブレーキは異径対向4ピストンキャリパー+Φ276mmフローティングディスクを継続するがインナー(ハブ)の色をゴールドからブラックに変更。

フロントフォークはΦ41mm正立でフォークオフセットは35mm。ブレーキは異径対向4ピストンキャリパー+Φ276mmフローティングディスクを継続するがインナー(ハブ)の色をゴールドからブラックに変更。

画像: リアブレーキは片押し1ピストンキャリパー+Φ220mmソリッドディスクだが、キャリパーの支持方法を改めた。キャリパーサポートの動きを規制するトルクロッドを、フレームに固定するフローティング式とした。

リアブレーキは片押し1ピストンキャリパー+Φ220mmソリッドディスクだが、キャリパーの支持方法を改めた。キャリパーサポートの動きを規制するトルクロッドを、フレームに固定するフローティング式とした。

画像: 丸型二灯のテール/ストップランプやシートカウル後部の形状はMC18前期型と同じ。シートカウルと並列させた細身のサイレンサーは前モデルから全長を20mm短縮したことでスッキリとした見た目に。

丸型二灯のテール/ストップランプやシートカウル後部の形状はMC18前期型と同じ。シートカウルと並列させた細身のサイレンサーは前モデルから全長を20mm短縮したことでスッキリとした見た目に。

ホンダ「NSR250R」(MC18後期・1989年)主なスペック・販売当時価格

全長×全幅×全高1980×650×1060mm
ホイールベース1345mm
シート高780mm
車両重量149kg
エンジン形式水冷2ストローク・ケースリードバルブ90度V型2気筒
総排気量249cc
ボア×ストローク54.0×54.5mm
圧縮比7.3
最高出力45PS/9500rpm
最大トルク3.8kgf・m/8000rpm
燃料タンク容量16L
変速機形式6速リターン
キャスター角23°15′
トレール量87mm
ブレーキ形式(前・後)ダブルディスク・シングルディスク
タイヤサイズ(前・後)110/70-17 53H・150/60-R18 64H
販売当時価格(1989年)59万9000円

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