文:太田安治、オートバイ編集部/写真:赤松 孝、松川 忍、南 孝幸/協力:Bikers Station、H&L PLANNING
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ホンダ「NSR250R」(MC18後期・1989年)各部装備・ディテール解説
▶エンジン

更なる進化を遂げた後期型のパワーユニット
6速ミッションはMC16以来のカセット式で、エンジンをフレームから降ろさずに整備できる利点を持つ。
MC16からMC18前期型に移行する際に変速比は①2.624→2.846 ②1.800→1.941 ③1.380→1.500 ④1.125 →1.272 ⑤1.000→1.136 ⑥0.916→1.045 に改めたが、MC18後期型では①はそのまま②2.000 ③1.631 ④1.368 ⑤1.250 ⑥1.173へと変更した(2.360の一次減速比はそのままで、2次減速比は2.733→2.800と異なる)。
この時にクランクピンもΦ24mmからΦ25mmにされた。車体も全長/全幅/全高は1980/650/1060mmで、前期型に比べて全長-5mm、全幅+10mm、全高-45mmとなった。シート高は+10mmの780mm、乾燥重量は+4kgの131kgを公称。

二連式のキャブレターはMC18前期型と同様にフラットバルブを装備するが、コンピュータによる制御技術を高性能化。
前期型では、スロットル開度とエンジン回転数を検知し、ひとつの可変エアジェットをコンピュータで制御して空燃比を最適化したが、このMC18後期型では二個のソレノイドバルブを使ってふたつの可変エアジェットをコントロールし、より高回転化を実現していた。
▶そのほか注目のポイント

チャンバー後端部にレゾネーターを新設し、排気ガスが通過する部分とチャンバー外壁の間に空間を設け、テールパイプの管共鳴音を低減、さらにインナーパイプのうち中央部の一本に角度を持たせ騒音低減を図っていた。

フロントフォークはΦ41mm正立でフォークオフセットは35mm。ブレーキは異径対向4ピストンキャリパー+Φ276mmフローティングディスクを継続するがインナー(ハブ)の色をゴールドからブラックに変更。

リアブレーキは片押し1ピストンキャリパー+Φ220mmソリッドディスクだが、キャリパーの支持方法を改めた。キャリパーサポートの動きを規制するトルクロッドを、フレームに固定するフローティング式とした。

丸型二灯のテール/ストップランプやシートカウル後部の形状はMC18前期型と同じ。シートカウルと並列させた細身のサイレンサーは前モデルから全長を20mm短縮したことでスッキリとした見た目に。
ホンダ「NSR250R」(MC18後期・1989年)主なスペック・販売当時価格
全長×全幅×全高 | 1980×650×1060mm |
ホイールベース | 1345mm |
シート高 | 780mm |
車両重量 | 149kg |
エンジン形式 | 水冷2ストローク・ケースリードバルブ90度V型2気筒 |
総排気量 | 249cc |
ボア×ストローク | 54.0×54.5mm |
圧縮比 | 7.3 |
最高出力 | 45PS/9500rpm |
最大トルク | 3.8kgf・m/8000rpm |
燃料タンク容量 | 16L |
変速機形式 | 6速リターン |
キャスター角 | 23°15′ |
トレール量 | 87mm |
ブレーキ形式(前・後) | ダブルディスク・シングルディスク |
タイヤサイズ(前・後) | 110/70-17 53H・150/60-R18 64H |
販売当時価格(1989年) | 59万9000円 |