バイクは不調が出る前に予防整備を行うのが理想的。その不調の芽を探すのが「点検」の役割だ。車体各部が定められた基準から外れていないかを目で見て確認するだけなので、メンテナンスが苦手な人でも気軽にチャレンジできるはずだ。
文:丸山淳大/写真:松川 忍/モデル:坂元誉梨

今月の看板娘
“よりぴ”こと坂元誉梨ちゃん

グラビアアイドルをはじめ、女優やタレントとして活躍、美容師免許や内装業など意外な側面も。オートバイ女子部に所属し、愛車のホンダ CL250でツーリングを満喫中。

画像1: ほぼ工具なしでOK! 自分でできる愛車点検のすすめ/足まわり編【新橋モーター商会】

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撮影協力ショップ
BB FACTORY

画像: 東京都足立区花畑3丁目9-1

東京都足立区花畑3丁目9-1

年末にオープンしたBBファクトリーは、新規&初心者歓迎! 他店購入車も歓迎! というバイクショップ。修理からカスタムまでなんでも熟練メカニックが対応してくれる。

また、車両販売も行っており、Ninja H2&Z H2を筆頭に中古車も程度の良い車両を取り揃える。今回はファクトリーの一角を撮影場所としてお借りした。

日常点検で"壊れる前"のメンテナンスが必要だ

画像: 日常点検で"壊れる前"のメンテナンスが必要だ

取扱説明書が点検の指針になる

バイクの日常点検整備は使用者の義務である。だが、実態として欠かさず実行している人は少ないのではないだろうか。言うまでもなく、バイクは家電製品にように“壊れてから”ではなく、“壊れる前”のメンテナンスが必要だ。もちろん、分解を伴う法定点検や車検、整備はプロに任せるのが最善だが、普段の日常点検であれば、メンテナンスのビギナーでもできることは多い。

点検方法は車両付属の取扱説明書に記載されているので、それに則って行うのが良い。ここでは、そんなメーカーが推奨するベーシックな点検項目にプラスして、さらに踏み込んだ点検法もご紹介したい。ほぼ工具を使わずできるので誰でもチャレンジできるはずだ。

今回は足まわり編として、タイヤやブレーキ、サスペンションを中心として点検を行ったが、すべて中腰姿勢の上に細かいところを注視するという動作の連続だ。中年の方々におかれましては老眼鏡を着用の上、くれぐれも膝腰を傷めないように注意し、たまには自分の体の点検整備も実施していただきたい。

1.まずはタイヤの空気圧点検から!

画像: 1.まずはタイヤの空気圧点検から!

外に露出していて目につくタイヤについては普段から気にしている人は多い。交換時期の判断は溝の残量だけでなく、偏摩耗、ひび割れ、劣化による硬化なども併せて確認する。また、最低でも月に一度は空気圧の点検を行いたい。車種指定の空気圧はコーションラベルや取扱説明書を参照する。

現在、圧力の単位は国際標準として「kPa」が使われており、エアゲージもkPa表示。一方、旧車や古いエアゲージは単位に「kg/㎠」が使われている。ただし1.0kg/㎠=98.1kPaなので、ほぼ同一と考えて良い。

画像: 標準タイヤ空気圧はスイングアームやタンクに貼られていることが多いコーションラベルに明記されている。タンデムや荷物積載時は高めの空気圧が指定されるケースもある。

標準タイヤ空気圧はスイングアームやタンクに貼られていることが多いコーションラベルに明記されている。タンデムや荷物積載時は高めの空気圧が指定されるケースもある。

画像: ゴム製のエアバルブもタイヤと同じく経年劣化でひび割れが発生する。エア漏れすることもあるので、指で曲げてチェックする。タイヤを外さないと交換できないので、タイヤ交換時は同時交換したい。

ゴム製のエアバルブもタイヤと同じく経年劣化でひび割れが発生する。エア漏れすることもあるので、指で曲げてチェックする。タイヤを外さないと交換できないので、タイヤ交換時は同時交換したい。

画像: タイヤの溝にハマった小石などの異物は取り除いておく。パンクの原因となる釘、ネジ、針金などは貫通前に抜いておけばパンクを回避できる。軍手をした手でタイヤ表面を撫でるとトレッドに刺さった細い針金なども見つけやすい。

タイヤの溝にハマった小石などの異物は取り除いておく。パンクの原因となる釘、ネジ、針金などは貫通前に抜いておけばパンクを回避できる。軍手をした手でタイヤ表面を撫でるとトレッドに刺さった細い針金なども見つけやすい。


Point1.溝点検には五円玉硬貨が使える!

タイヤには摩耗限度が見てわかるように溝の中に「スリップサイン」と呼ばれる突起が設けられている。スリップサインはサイドウォールの△マーク部にあり、突起がトレッド面と同一の高さになったら摩耗限度。

画像: △マークを上に辿っていくと

△マークを上に辿っていくと

画像: 溝の中に突起がある

溝の中に突起がある

画像: タイヤの残溝は五円玉をデプスゲージ代わりにするとわかりやすい。「五円」文字のすぐ下の線から端までは約1.6mmなので、早めに交換したほうが良いという目安になる。

タイヤの残溝は五円玉をデプスゲージ代わりにするとわかりやすい。「五円」文字のすぐ下の線から端までは約1.6mmなので、早めに交換したほうが良いという目安になる。

画像: 法定点検ではタイヤの残溝は0.8mm以上とされているが、スリップサインが出る頃には少なからず偏摩耗などが発生しているし、排水性なども悪化しているので、もっと早めの交換をおすすめしたい。

法定点検ではタイヤの残溝は0.8mm以上とされているが、スリップサインが出る頃には少なからず偏摩耗などが発生しているし、排水性なども悪化しているので、もっと早めの交換をおすすめしたい。


Point2.サイドウォールは情報の宝庫!

画像: 古くなったタイヤはスリップ転倒の原因に……。

古くなったタイヤはスリップ転倒の原因に……。

タイヤの“鮮度”も要チェックだ。サイドウォールには四桁の数字が刻印されているが、これは生産年と週を表している。

具体的には下2桁が生産年、頭2桁が週を表し、例えば「1223」であれば、2023年の12週に生産されたことを意味する。

保管状況にもよるが、5年位がひとつの交換目安。また、タイヤのローテーション(回転方向)と黄色の●印(軽点)にも注目したい。

回転方向は矢印でタイヤの組付け向きを表したもの。軽点はタイヤの最も軽い部分を表し、エアバルブの位置に合わせることでホイールバランスが出やすくなる。

画像: 中古車の購入時はローテンション(回転方向)を一応確認!

中古車の購入時はローテンション(回転方向)を一応確認!

画像: ズレていてもバランスが取れていれば問題なし!

ズレていてもバランスが取れていれば問題なし!

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