Z900RSが好調に売り上げを伸ばしている傍ら、RSとはキャラクターの異なるストリートファイターとして、アグレッシブなスタイルを与えられたZ900。豪華な足まわりを装備する上級グレードのSEは、車体を操る楽しさを教えてくれる一台だ。
文:太田安治、オートバイ編集部/写真:赤松孝、南 孝幸
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カワサキ「Z900SE」インプレ(太田安治)

画像: Kawasaki Z900 SE 2026年モデル 総排気量:948cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 シート高:810mm 車両重量:215kg 発売日:2025年7月15日(火) 税込価格:166万1000円 ※試乗車は2025年4月12日発売のモデルになります。

Kawasaki
Z900 SE
2026年モデル

総排気量:948cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
シート高:810mm
車両重量:215kg

発売日:2025年7月15日(火)
税込価格:166万1000円

※試乗車は2025年4月12日発売のモデルになります。

ライダーを熱くさせるスタイルと性能を両立

2017年12月の発売開始から8年近くが経った現在も好調なセールスを続けているZ900RS。その兄弟車が車名に「RS」が付かないZ900だ。かつてのZ2やゼファーを想わせるネオレトロスタイルで人気を博しているRSに対し、Z900はアグレッシブなルックスのストリートファイターというキャラクターが与えられ、国内向けにはスタンダードのZ900と、ブレーキと足まわりのグレードを高めた「SE」が用意されている。

RSよりも後退したステップ位置と低いハンドルが形作るライディングポジションはオートバイとライダーの一体感が高いもの。グリップ位置がライダーから近く、肘を曲げる角度によって伏せ姿勢から垂直に起こした姿勢まで、上体の姿勢を自在に変えられる。

試乗したZ900SEが最もイキイキと走るステージはなんといってもワインディングロードだ。前後サスペンションはRSよりも締まったセッティングで、市街地ではコツコツとした突き上げ感があるが、加減速とコーナリングのGが大きくなるスポーツライディングでは素晴らしいスタビリティを発揮し、S字コーナーをクイックに切り返しても車体の反応が遅れることはなく、オツリも来ない。

画像: カワサキ「Z900SE」インプレ(太田安治)

良く言えば鷹揚、悪く言えばダルなRSのハンドリングとはまったく違う俊敏さで、前後タイヤの接地感の高さ、文句なしのコントロール性を持つブレンボのフロントブレーキシステムと併せ、連続したコーナーを鋭く、リズミカルに駆け回れる。

エンジンは基本的にRSと同じながら、圧縮比を含めた吸排気系は専用設計。ピークパワーはRSよりも1000回転高いところで13PS多い124PSを発生し、7000を超えると明らかにRSよりも鋭く吹け上がって1万回転までストレスなく回転が上昇する。

この高回転域でもピーキーさはなく、スロットルワークに忠実に反応して加減速するうえ、6軸IMU採用によってトラコンとABSの制御が緻密になったことでライダーのコントロールミスをカバーしてくれる場面が増えた。撮影場所は枯れ枝や落ち葉で路面コンディションが悪かったため、ブレーキング、立ち上がり加速では何度も電子制御の恩恵を受けた。それも、気をつけていないとライダーが気付かないうちに、だ。

ゆったりツーリングにはライディングポジションが楽でライダーの操作に優しく反応するRSに分があるが、操る楽しさを求めるなら断然Z900SEをお勧めする。

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