月刊『オートバイ』の人気連載「ロングラン研究所」で活躍する伊藤真一さんは、【激推しバイクBEST3】に新生ホーネットシリーズの3機種をセレクト! それぞれのモデルの気に入ったポイントを伊藤さんならではの鋭い分析力で語っていただく。
文:伊藤真一/写真:南 孝幸、関野 温

第3位

とても完成度の高いストリートファイター
ホンダ「CB1000ホーネット」

画像: Honda CB1000 HORNET 総排気量:999cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 シート高:809mm 車両重量:211kg 税込価格:134万2000円

Honda
CB1000 HORNET

総排気量:999cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
シート高:809mm
車両重量:211kg

税込価格:134万2000円

評価の視点を変えると、順位は逆転するかも?

CB1000ホーネットは、ストリートファイター系に区分されるホンダ車としては、歴代で最もストリートファイターらしい仕上がりになっています。4気筒エンジンはスーパースポーツのCBR1000RRがベースですが、元々192PSだったエンジンを上手くホーネット用に転用しています。

従来のホンダ製リッターネイキッドは、パーシャルでのクルージングからスロットルを開けたとき、一瞬遅れて出ていくような大人しいセッティングでしたが、CB1000ホーネットは非常にレスポンス良くついてきます。ドンつきのような唐突さではなく、非常にリニアにスロットル操作に反応する感じです。

画像: CB1000 HORNET SP(左)とCB1000 HORNET (右)。

CB1000 HORNET SP(左)とCB1000 HORNET (右)。

そしてかなりの高回転域まで、パッとスロットル操作に応じて車体が前に出ていく感覚があります。CBRから約40PSも削っているので当然CBRほど強烈ではないですが、その力感はストリートファイターにふさわしいキャラクターです。スーパースポーツのエンジンを使っていることのメリットを、強く感じられる好ましいセッティングでした。

ミッションはかなりクロスしていて、ファイナルもショートになっています。ツーリングメインならば6速をもっとクルージング向けにして、ファイナルをロングにしても良いかと思いましたが、ストリートファイターならではの走りを楽しむなら、この設定で正解だとも思います。

画像: あまりペースが高めではない一般的な日本の峠では、スタンダードの前後サスペンションの方がマッチングが良いです。速度域上がる高速ワインディングであれば、その評価は変わると思います。

あまりペースが高めではない一般的な日本の峠では、スタンダードの前後サスペンションの方がマッチングが良いです。速度域上がる高速ワインディングであれば、その評価は変わると思います。

画像: ハンドル切れ角が結構あるので、低速でのUターンは非常に楽。当然かもしれないが、スーパースポーツに比べればはるかにタンデム走行に向いているのも大きな魅力。

ハンドル切れ角が結構あるので、低速でのUターンは非常に楽。当然かもしれないが、スーパースポーツに比べればはるかにタンデム走行に向いているのも大きな魅力。

画像: スイングアームは高剛性のアルミ製で構成。スタンダードのリアショックは、ショーワ製分離加圧式シングルチューブタイプを採用している。

スイングアームは高剛性のアルミ製で構成。スタンダードのリアショックは、ショーワ製分離加圧式シングルチューブタイプを採用している。

ホンダ「CB1000ホーネット」主なスペック・燃費・製造国・価格
全長×全幅×全高2140×790×1085mm
ホイールベース1455mm
最低地上高135mm
シート高809mm
車両重量211kg
エンジン形式水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量999cc
ボア×ストローク76.0×55.1mm
圧縮比11.7
最高出力112kW(152PS)/11000rpm
最大トルク104N・m(10.6kgf・m)/9000rpm
燃料タンク容量17L
変速機形式6速リターン
キャスター角25°00′
トレール量98mm
ブレーキ形式(前・後)ダブルディスク・シングルディスク
タイヤサイズ(前・後)120/70ZR17M/C(58W)・180/55ZR17M/C(73W)
燃料消費率 WMTCモード値17.7km/L(クラス3-2)1名乗車時
製造国日本
メーカー希望小売価格134万2000円(消費税10%込)

第2位

お得感ある上級装備! それがSPの魅力
ホンダ「CB1000ホーネットSP」

画像: Honda CB1000 HORNET SP 総排気量:999cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 シート高:809mm 車両重量:212kg 税込価格:158万4000円

Honda
CB1000 HORNET SP

総排気量:999cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
シート高:809mm
車両重量:212kg

税込価格:158万4000円

日本の道路事情に適した足まわりが魅力!

スタンダードモデルに続いての紹介になりますが、SPはリアショック、フロントブレーキ、可変バルブ付きマフラー、クイックシフターと装備が上級仕様になっており、それらが約24万円の価格差で手に入るのが魅力的だと思います。

ただスタンダードモデルの状態でもストリートファイターとしての完成度は非常に高く、この内容でSPに比べ約24万円安く購入できるのが魅力、と逆説的にいうこともできるでしょう。

企画の趣旨で2位と3位というふうに順番をあえてつけましたが、スタンダードとSPはどちらを選んでも正解といえる、非常に良くできたモデルです。

画像: CBR1000RR(SC77)の999cc4気筒エンジンを転用。SPは可変排気バルブをマフラー内部に備え、低回転域のトルク特性と高回転域の出力を向上させている。

CBR1000RR(SC77)の999cc4気筒エンジンを転用。SPは可変排気バルブをマフラー内部に備え、低回転域のトルク特性と高回転域の出力を向上させている。

画像: 「SPはリアショックの違いからか、スタンダードよりもフロントがターンインしようとするとスコッと入る印象があります。ただ慣れれば気にならなくなる程度の感覚でした」と伊藤さん。

「SPはリアショックの違いからか、スタンダードよりもフロントがターンインしようとするとスコッと入る印象があります。ただ慣れれば気にならなくなる程度の感覚でした」と伊藤さん。

画像: SPのリアショックは、オーリンズTTX36が奢られている。伸びと圧、それぞれのオイル通路が独立している。高い作動性と、細かな減衰力調整ができるのが特徴だ。

SPのリアショックは、オーリンズTTX36が奢られている。伸びと圧、それぞれのオイル通路が独立している。高い作動性と、細かな減衰力調整ができるのが特徴だ。

画像: スタンダード(左)はニッシン製、SP(右)はブレンボ製のラジアルマウントブレーキキャリパーをそれぞれ採用。初期のタッチはニッシンの方がダイレクト感があり、ブレンボの方がソフトと伊藤さんは評価していた。

スタンダード(左)はニッシン製、SP(右)はブレンボ製のラジアルマウントブレーキキャリパーをそれぞれ採用。初期のタッチはニッシンの方がダイレクト感があり、ブレンボの方がソフトと伊藤さんは評価していた。

ホンダ「CB1000ホーネットSP」主なスペック・燃費・製造国・価格
全長×全幅×全高2140×790×1085mm
ホイールベース1455mm
最低地上高135mm
シート高809mm
車両重量212kg
エンジン形式水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量999cc
ボア×ストローク76.0×55.1mm
圧縮比11.7
最高出力116kW(158PS)/11000rpm
最大トルク107N・m(10.9kgf・m)/9000rpm
燃料タンク容量17L
変速機形式6速リターン
キャスター角25°00′
トレール量98mm
ブレーキ形式(前・後)ダブルディスク・シングルディスク
タイヤサイズ(前・後)120/70ZR17M/C(58W)・180/55ZR17M/C(73W)
燃料消費率 WMTCモード値17.7km/L(クラス3-2)1名乗車時
製造国日本
メーカー希望小売価格158万4000円(消費税10%込)

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