内容に加えて外観もカスタムらしさを出すように変更

空冷Z系を主としてホンダCB-Fやスズキ・カタナなどZと同世代の空冷4気筒車、GPZ900Rなどの’80年代水冷4気筒車をベースとしたコンプリートカスタムとして、成立25周年を超えたACサンクチュアリーのRCM(Radical Construction Manufacture)。

現代17インチラジアルタイヤを履きこなせるようにと各部数値の定量化と加工等の体系化を進め、通算製作番号を示すシリアルナンバーは今は700番台に入っている。各車両は外装も当然のように一新されるが、純正色のリペイントもあれば、このZ1000Mk.IIのようにオリジナルデザイン/カラーによるカスタムペイントを施す場合もある。この車両の作り込みとともに、カラーの選択についてもACサンクチュアリー・中村さんに聞いた。

画像1: 内容に加えて外観もカスタムらしさを出すように変更

「RCMではグリーンカラーの選択はそうは多くないんです。もちろん作例はあって、GPz1100で作った時(RCM-356)は反応が大きかったですし、“カワサキに乗るんだからグリーンでしょう”という理由からこの色を選択される方もいます。そこは好みでいいと思います。
このMk.II、RCM-265の場合は少し事情が変わっていて、シリアルナンバーで分かるかと思いますが、今振り返ると早い番号。元々は純正ルックでRCMらしい17インチスタイルをと依頼いただいて、十何年か前に作ったんです。その時はホワイトにゴールドとブラックで純正パターンのラインを入れた仕立てでした。
それが4~5年前に、リメイクのために再入庫したんです。最初の製作から時間も経って走行距離も進んだこともあっての見直しに加えて、改めてのカスタム要素を加える。それに製作から約10年の間のパーツや加工法のアップデートもプラスする。
同じように見えるんですけど、市販車がI型からII型、III型へとアップデートしていくのと同じように、RCMも進化しています。パーツ素材に加工、それらの精度。組み方もそうです。エンジン加工はとくにそうですね。たまたまベース車がある程度限られていて30~45年経っているものとなっているのですが、やっていることは進んでいるんです。
この車両でもそうした内容を盛り込んでいます。純正オーバーサイズピストンでの1030ccからフル見直しとともに鍛造ピストンでの1105cc仕様になってハイカム化や6速クロスミッション化+オフセットスプロケット不要のEVOシステム化。キャブレターのデュアルスタックファンネル化も行いました。
パーツも当時主流だったキャスト4ピストンキャリパーをCNC4ピストンのラジアルマウントにするなど、精度や作動性、作動感が上がったものが使えるようになっている。それらと同時に外装も個性化したというわけです。ビキニカウルを加えて、シングルシート化する。この時にベースカラーとして選ばれたのがライムグリーン。好みという部分もありますけど、カワサキに乗るからグリーンという選択はありですし、似合うと思います」。

画像2: 内容に加えて外観もカスタムらしさを出すように変更

純正外装仕様をあえてベーシックとすれば、このリメイク版Mk.IIのようにアレンジを進めたバージョンでは、例えばシングルシート化とそのためのシートレール加工など、コストと手間も増してくる。その分をリメイクと同時に行った、すなわちRCMというコンプリートをベースとして、カスタム化を進めたと考えると理解しやすいかもしれない。

進化を取り込み、アレンジを深めた内容に、カワサキを選んでいるからというライムグリーンの選択。別のベースカラーが想像できないと言ったら言い過ぎだろうかというほどに、十分な個性を発揮している。

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今回Z1-R用カウルを追加しスクリーンはナイトロレーシング・スクリーンを使ったコクピット部。ヨシムラ・デジタルマルチメーターやprotecギヤインジケーターを追加しているが、メーターは基本的に純正ベース。ステムはスカルプチャーステムキットSP TYPE-1でフォークオフセットは純正60→35mmとし、左右マスターはブレンボ・ラジアルをセットする。ミラーはマジカルレーシング・NK-1ミラーのタイプ3ヘッドだ。

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燃料タンクも今回のリメイクでアルミに変更される。YFデザインによる外装ペイントはキャンディライムグリーンをベースとし、新しいアップデートカラーらしくカーボンパターンやカーボンシャドウ、またトーンを変えたベースカラーによる細かいライン処理も行われる。

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シートは当初純正のダブルシートを加工していたが、新たにシートレールをアルミでワンオフした上でTOMO FRP製シングルシートカウルをセットした。このカウル前側にはリッドがあり、カウル内部を小物入れスペースとしても活用できるものだ。

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ドライブスプロケットカバーはナイトロレーシングのType-IIでバックステップKITもナイトロレーシング。ドライブチェーンはEK530RCM(BK;GP)を使う。

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エンジンは最初の純正オーバーサイズピストン/1030cc仕様から見直しを行い、ピスタルレーシングΦ73mm鍛造ピストンによる1105cc仕様となり、カムをWEBのST-1に変更。ミッションも6速クロス+EVOシステム(ロングアウトプットシャフトを使うことでその回転性や支持安定性を高め、フラットスプロケットも使える)やクランクケースのポンピングロス低減加工を加えた。

クランク芯出し修正や焼結合金製オーバーサイズバルブガイド打ち替えに精密バルブシートカット等も施されている。フレームはサンクチュアリーST-2補強により12カ所を補強し17インチ/リヤワイドタイヤ最適化等も行われる。アンダーカウルもナイトロレーシング製を追加した。

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キャブレターはTMRΦ36mmからTMR-MJNΦ38mmのヨシムラデュアルスタックファンネル仕様にアップデートされる。

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排気系はナイトロレーシング手曲げチタンEX(ショートテール)ヒートポリッシュにナイトロレーシング・ストレイト チタン サイレンサーV-III 320mm ヒートポリッシュの仕様を継続している。

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ノーブレストE×MパッケージによってオーリンズΦ43mmフォークをセット。フロントブレーキはE×Mパッケージ同梱のサンクチュアリーメカニックブランド・OHLINS正立フォーク用“ラジアルマウント”マルチキャリパーサポートKITによってCNCボディでラジアルマウントのブレンボ484 cafe racerキャリパーをマウント、ディスクもサンスターRCMコンセプトΦ320ディスクにと変更された。

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リヤブレーキはブレンボGP2-CRキャリパーにサンスターΦ250ディスク。3.50-17/5.50-17サイズのホイールはO・Zレーシング製アルミ鍛造のPIEGAを履く。

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リヤサスはスカルプチャーR.C.M専用ワイドスイングアーム/オーリンズ・レジェンド・ツイン(KA131)の構成だ。

取材協力:ACサンクチュアリー(SANCTUARY本店)

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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