カワサキのNinja ZX-25Rと覇を競う本気のスーパースポーツ、ホンダ・CBR250RR。2気筒エンジンはついに42PSというハイスペックを実現、外装関係も2023モデルで一新した充実の1台だ。2025年モデルは往年のCBRを彷彿させるカラーリングも用意されている。
文:太田安治、オートバイ編集部/写真:南 孝幸

ホンダ「CBR250RR」インプレ(太田安治)

画像: Honda CBR250RR 2025年モデル 総排気量:249cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒 シート高:790mm 車両重量:168kg 発売日:2025年3月6日 税込価格:90万2000円/94万500円

Honda
CBR250RR
2025年モデル

総排気量:249cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒
シート高:790mm
車両重量:168kg

発売日:2025年3月6日
税込価格:90万2000円/94万500円

もはや完成の域にある走行性能と扱いやすさ

CBR250RRはホンダが誇るスーパースポーツ「RR」シリーズの一員。当然ながらスポーツ性能の高さが一番のセールスポイントだが、熟成を重ね、2023年にモデルチェンジした現行型は前後の足まわりのバランスが格段に進化。スポーツライディングだけでなく、街乗りや高速クルージングも快適にこなせる高い完成度を誇っている。

スポーツライディングで感心するのは旋回中の安定感。フレームとスイングアームの絶妙な剛性バランスは初代から変わらないが、フロントに採用されたショーワ製のSFF-BPフォークがしなやかに動いて高い接地性を発揮し、タイヤのグリップ状態を把握しやすい。

ブレーキを残したままの寝かし込みにも不安がないし、クイックな切り返しでサスが大きく伸び縮みして姿勢が乱れることもないから、スポーツライディングを安全に楽しめる。2~3速までしか使えないタイトターンが連続し、上り下りもある峠道などで、この乗りやすさ、ヒラヒラ感が強力な武器になる。間違いなくクラストップのハンドリングだと言えるだろう。

画像: ホンダ「CBR250RR」インプレ(太田安治)

42PSの最高出力を発揮する2気筒エンジンは中回転域でのレスポンスが前モデルより一層高まっていて「開けて、閉めて、また開けて」というスロットル操作に力強く反応し、コーナーの立ち上がり加速が速くなっている。これはサーキットに限ったことではなく、曲がりくねった舗装林道のような峠道でも体感できる進化。

高回転域での加速感は実にエキサイティング。常識的には「速さと扱いやすさは相反するもの」だが、どちらかに片寄るのではなく、両方がバランス良く底上げされているのが魅力。結果的にサーキットのラップタイムも上がるだろうし、レースシーンを席巻し続けているのもうなづける。

スーパースポーツではあるが、CBRは街乗りもソツなくこなす。基本的に高回転/高出力型のエンジン特性で、初代は低回転トルクが細く、ゼロ発進ではやや丁寧なクラッチミートが必要だったが、2020年のマイナーチェンジ以降はこれが改善され、気を使わずに発進できるようになった。

ストリート志向のライバル車に比べれば低回転域のトルク感が薄めだが、5000回転程度で無造作にシフトアップしてもスムーズに速度が乗るので、街乗りも苦にならない。

ライディングポジションが前傾なので腕や肩への負担はネイキッドよりは大きいが、高速道路走行では走行風圧が体を支えてくれるから、ツーリングは見た目よりもはるかに楽。前モデルよりエンジンの振動も減り、4気筒エンジンにひけを取らないほど滑らかに回るし、ストレスフリーだ。

日帰りか一泊で峠道を存分に走れるツーリングをメインに、ときにはサーキット……という楽しみ方がCBR250RRには最高にマッチする。スーパースポーツとして完成の域に達したという印象だ。

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