ユニカムツインエンジン搭載のハイテクツアラー、NT1100が大きく進化した。フロントマスクを一新した精悍なスタイリングに加えて、新たに電子制御サスペンションを標準装備。走りも機能も充実したモデルチェンジだ!
文:宮崎敬一郎、オートバイ編集部/写真:南 孝幸
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ホンダ「NT1100」インプレ(宮崎敬一郎)

画像: Honda NT1100 2025年モデル 総排気量:1082cc エンジン形式:水冷4ストSOHC4バルブ並列2気筒 シート高:820mm 車両重量:249kg 発売日:2025年1月23日 税込価格:184万8000円

Honda
NT1100
2025年モデル

総排気量:1082cc
エンジン形式:水冷4ストSOHC4バルブ並列2気筒
シート高:820mm
車両重量:249kg

発売日:2025年1月23日
税込価格:184万8000円

セッティングで表情を自由自在に変えて楽しむ

NT1100はCRF1100Lアフリカツインレブル1100と同系のエンジンを搭載するツーリングスポーツ。耐積載性があり、頑丈で、それなりの運動性能も備えている。最近このNT1100の白バイが各地で導入されているが、こうした特徴が活かされているのだろう。

そんなNT1100の2025年モデルでは、新たにショーワの電制サス「EERA」を搭載。URBAN、TOUR、RAINと切り替えられるライディングモードと連動したサスの設定変更のほか、ひとり乗り、タンデム、積載の有無に合わせた任意のセッティングも行える。

また、ライディングモードごとにパワーモード、トラコン、ABS設定も連動する。パッケージで変更できるのでバイク自体の表情を大きく変えられる。もちろん、サスを含めたそれぞれの項目は任意でセッティング可能で、自分オリジナルのパッケージとして「ユーザー」モードで登録することもできる。

画像: ホンダ「NT1100」インプレ(宮崎敬一郎)

NT1100は元来ツーリングスポーツなので、ハンドリングは基本的に素直で穏やか。サスが自動の「M」に設定される「URBAN」にしておけば快適そのもので、街中からロングランまでオフ車のサスのような乗り心地で対応する。

ただ、路面状況や車体の揺動に応答して減衰力を即座に可変できるので、そのまま結構なペースでスポーティな機動もこなせる。スポーツモデルのようにダイレクトに向きを変える旋回性……とまではいかないが。

「TOUR」は前後サスにプリロードが掛かり、減衰の基本設定も強めの「H」で、低速域での乗り心地は少し固い感触。パワーモードもダイレクトな「1」となり、実は万能で元気なモードだ。このモードをベースに、サス設定を使って車体姿勢を微妙に前下がりにしたり、先ほどの「URBAN」ベースでパワーモードと車体姿勢を変えたりすると、スポーティなビッグネイキッドに迫る運動性能にもなる。しかもツーリングモデルらしい快適さを確保したままでだ。

この新型NT1100は、とにかくイジりだすとキリがないほど、セッティング変更に合わせて表情を変えるバイクなのだ。あらかじめパッケージングされているライディングモードのセッティングを活用して気楽に乗るのもいいだろうが、こうした細かいセッティングを駆使して、ツーリングスポーツの範疇を超えた変化を楽しむのも面白い。

ミッションはAT免許で乗れるDCT仕様一択。このDCTの進化も著しい。MTモードでは既にマニュアルミッション車より滑らかにシフトするし、ATモードはこれまでよりずっと学習能力が上がり、使用状況に応じてシフトタイミングを自動変更したり、ギアをホールドしてのんびり走れたりもする。

このミッションを含め、今回のEERAの搭載で、新型NT1100は高級アドベンチャーが搭載するレベルの機能を獲得。適応力の幅を広げたリーズナブルな高級ツーリングスポーツに進化している。     

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