2025年5月9日から11日にかけて、フランスのブガッティ・サーキットにてMotoGP第6戦フランスGPが行われた。前戦のスペインGPではアレックス・マルケス(Gresini Racing MotoGP)が初優勝を達成。そして、ファビオ・クアルタラロ(Monster Energy Yamaha MotoGP Team)とヤマハの復活劇とドラマの多いレースとなった。速さを取り戻した2021年のチャンピオンが母国フランスに凱旋する。

雨を味方につけたザルコが独走優勝! ドゥカティの連勝記録は22でストップ

日曜日の決勝は上空に黒い雲が覆い、スタート前には小雨が降るなど、各陣営は難しいタイヤ選択を迫られた。

ウォームアップでは各車スリックで走行するも、この時点で雨が降りはじめたこともあり白旗が掲示。マシンの乗り換えが可能となったことで、多くのライダーがピットに戻った。

ほとんどのライダーがピットからのスタートとなったことでレースは赤旗中断に。また、ウェットレースが宣言され、1周減算の26周でのレースとなった。

赤旗中断を経て、サイティングラップに向かったライダーたち。しかし、ここでスリックで走るべきと判断したライダーが多く、14名のライダーがピットインした。このタイミングでピットインしたライダーたちにはレギュレーションによりダブルロングラップペナルティが科されている。

レース前から波乱の様相を呈してきた決勝レースはマルク・マルケスがホールショットを奪うも、クアルタラロがターン3でトップを奪い返した。

画像: マルク・マルケスとクアルタラロのトップ争い。後方ではバニャイアがスプリントと同じポイントで転倒。

マルク・マルケスとクアルタラロのトップ争い。後方ではバニャイアがスプリントと同じポイントで転倒。

その後方では、バニャイアとジョアン・ミル(Honda Team)が接触により転倒。ヨハン・ザルコ(CASTROL Honda LCR)も巻き込まれ、あわや転倒かと思われたが、なんとか体制を立て直している。

スプリントレースに続き転倒のバニャイアは、コースに戻るものの、マシンを乗り換えるためにピットに戻ったこともあり、周回遅れになってしまった。

先頭のクアルタラロは序盤から飛ばし、ロングラップペナルティの1回目を早々に消化しながらも上位でレースを展開。ウェットということもあり、優勝のチャンスは大いにあった。しかし、5周目のターン14で痛恨の転倒。クアルタラロのマシンはエンジンがつくことなく、ここでリタイアとなってしまった。

この直後、再び雨脚が強まったこともあり、スリック勢が再びウェットタイヤを履くマシンに乗り換える。これにより順位が目まぐるしく入れ替わる事態となった。

スタートからウェットタイヤを選択したライダーが大きく順位を上げる事態となり、接触の影響で最後尾に下がっていたザルコがトップに浮上。中上も同じ作戦を採っており、トップ10に入ってきた。

ザルコは2位のミゲール・オリベイラ(Prima Pramac Yamaha)に対し7秒ほどのリードを築いていたが、その後方からはウェットタイヤに履き替えたマルケス兄弟が追い上げを見せる。

9周目にオリベイラをパスしたマルケス兄弟は、逆転を狙っていく。しかし、彼らとザルコのラップタイムはほぼ同じであり、ギャップを詰めることはできない。

雨脚が強まるとザルコのペースがさらによくなり、マルク・マルケスとの差は10秒以上となる。一方、アレックス・マルケスは兄に離されていく展開に。

ペースが上がらなくなったアレックス・マルケスは、残り5周で転倒。これまでポイントの取りこぼしがなかったが、今大会ではついにノーポイントに終わってしまった。

アレックス・マルケスの転倒により、3位に上がったのはペドロ・アコスタ(Red Bull KTM Factory Racing)。しかし、その背後にはハイペースでアルデゲルが迫っていた。アルデゲルはこれ以上ペースを上げることができないアコスタを軽々オーバーテイク。スプリントに続き表彰台圏内に入ってきた。

最終的に20秒近いギャップを築いたザルコがレースを走り切りトップチェッカー。ザルコにとって最高峰クラス2勝目であり、フランスGPをフランス人ライダーが制するのは、71年ぶり2人目という快挙だ。

画像: ザルコの優勝で31万人ものファンは大熱狂!

ザルコの優勝で31万人ものファンは大熱狂!

さらに、ホンダに並ぶMotoGP史上最多タイの22連勝をマークしていたドゥカティの連勝記録更新をホンダが止めるドラマティックなレースでもあった。

2位はマルク・マルケス、そしてアルデゲルが3位でMotoGPクラス初表彰台を獲得した。

ワイルドカード参戦の中上は、戦略が見事にハマり6位でフィニッシュ。小椋も10位に入り、ともに入賞を果たしている。

画像: 最高峰クラス2勝目となったザルコ。この優勝は、ザルコにとって、フランスのファンにとって忘れられない優勝となった。

最高峰クラス2勝目となったザルコ。この優勝は、ザルコにとって、フランスのファンにとって忘れられない優勝となった。

歓喜に包まれたフランスGPが終わり、次戦は5月23日から25日にかけて行われるイギリスGPだ。タイトル争いに目を向けると、アレックス・マルケスの転倒ノーポイントにより、マルク・マルケスがリードを20ポイントにまで拡大。まだまだドゥカティ優位は変わらないが、着実にヤマハとホンダは近づいてきている。今後より混戦になっていく予感のある2025年シーズンから目が離せない。

2025 MotoGP 第6戦フランスGP 決勝結果

画像: マルク・マルケスは着実に2位を獲得。アルデゲルは最高峰クラスで初の表彰台獲得となった。

マルク・マルケスは着実に2位を獲得。アルデゲルは最高峰クラスで初の表彰台獲得となった。

画像: resources.motogp.com
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