公道で125cc以下・最高出力4kWを超えるバイクに乗るために必要な「小型限定普通二輪免許」(以下・原付二種免許)は、2018年に道路交通法施行規則の改正が行われ、より短期間で取得できるようになった。その内容をチェックしよう。
まとめ:オートバイ編集部

小型限定普通二輪免許(原付二種免許)、その取得方法は?

普通自動車免許があれば最短2日で取得できる!

125ccクラスが盛り上がっている理由のひとつが教習所で原付二種免許の取得がしやすくなったこと。原付二種免許には、スクーターなどクラッチ操作がないバイク用の「AT限定」と、マニュアルミッションの「限定なし」の2種類がある。

それぞれ教習時間が異なるが、普通自動車免許を持っていればAT限定が最短2日で取得できる(限定なしは3日)。費用も7万円前後から(限定なしは8万円前後~)。ただし、最短期間で取得するには技能講習と学科教習をうまく組み合わせなければいけない。

機になる人は、教習所が短期取得プランを用意していることがあるので問い合わせてみるといいだろう。それを見れば時間もコストも現実的であることがわかると思う。

また原付二種免許では他の二輪免許に比べてAT限定の割合が高いという。というのも、多くの人が移動手段としてスクーターを使うのに加え、ホンダのスーパーカブシリーズやダックス125など自動遠心クラッチを装備した人気モデルがあるからだろう。

画像: ※教習所によって適正検査の受講するタイミングが違う場合があります。

※教習所によって適正検査の受講するタイミングが違う場合があります。

「新基準原付」って何!?

画像1: 最短2日で取得可能⁉ 排気量125cc以下のバイクに乗れる原付二種免許の取得方法や自賠責・任意保険について解説【原付二種免許ガイド】

「新基準原付」というのは、50ccまでのバイクしか運転できない原付一種免許所有者でも運転できるようにパワーを制限した125cc以下のバイクのこと。

今後、さらに厳しくなる排気ガス規制に50ccのバイクを対応させるのが難しいため、125cc以下のバイクをベースに50cc相当の性能、最高出力4kW(5.4PS)以下に抑え、原付免許で運転できるモデルにするということだ。

順調に行けば2025年11月から導入開始となる予定。ここで勘違いしないで欲しいのは「適用される交通ルールは変わらない」ということ。つまり新基準原付の排気量は125ccだが、車両区分は原付一種。最高速度は30km/hだし、2人乗りは不可、片側3車線以上の道路では二段階右折もしなければいけない。

また、新基準原付が導入されたからといって、今乗っている50ccが走れなくなるわけでもない。情報が錯綜しているようだが、今後の発表も見ながら冷静に判断してもらいたい。


「新基準原付」にはどんな車種があるの?

現時点で新基準原付として発売される車両は正式には決まっていないが、ホンダはPCX、CB125R、スーパーカブ110、リード125、ビジョン(ディオ)110をベースにテスト車を開発。モーターサイクルショーでは「スーパーカブ110 Liteコンセプト」が参考出品された。

画像: ホンダ「スーパーカブ110 Lite コンセプト」

ホンダ「スーパーカブ110 Lite コンセプト」

画像: ホンダ「リード125」

ホンダ「リード125」

バイクを購入したら自賠責・任意保険に必ず加入しよう!

自賠責保険の加入はすべての車両に課された義務!!

排気量に関係なく、公道を走るすべての自動車・バイク(電動キックボード含む)は「自賠責保険」に加入しなければいけない。

その最大の理由は、人身事故を起こしたときに被害者を救済するため。もし未加入で事故を起こした場合、賠償金はすべて自己負担になる。自賠責保険に未加入で公道を走行した時点で違反となり、「1年以下の懲役または50万円以下の罰金」、自賠責保険の証明書を持っていなければ「30万円以下の罰金」が科される。

また無保険での運転は交通違反となり違反点数6点。それだけで免停になる。

画像: 自賠責保険料は長期加入(最長で37か月契約)の方が割安になる。

自賠責保険料は長期加入(最長で37か月契約)の方が割安になる。


任意保険にも必ず加入しよう!

自賠責保険への加入が義務なのに対し、「任意保険」はその名の通り加入は任意。そう聞くと「自賠責保険に入っているから、任意はいらないんじゃない?」という人もいると思うが、これもぜひ入ってもらいたい保険だ。

というのも、自賠責保険はあくまでも被害者救済を目的としているため補償するのは相手のケガのみ。相手の車両や自分のケガ、自分の車両などは補償対象ではない。

また自賠責には上限がある(死亡:3000万円、傷害:120万円)が、現実ではそれをはるかに超える請求が多くある。その場合の差額は自己負担だ。そして相手の車両の修理代も自己負担。街中には500万円を超える高級車がそこら中に走っていることを考えると、ひとつの事故で人生が大きく変わってしまうことになる。

またバイクの場合は運転している自分もケガをする事が多い。自賠責保険ではそれも補償されないので、入院費や治療費、仕事を休んだときの休業補償などは任意保険に頼るしかないのだ。「お金がないから任意保険に入らない」という声も聞くが、お金が潤沢にないからこそ、万一の事態に備えて入るべきものなのが「任意保険」であることを覚えておいて欲しい。

画像: 原付二種・任意保険の一例

原付二種・任意保険の一例

…と、少しシビアな話をしてきたが、実際に任意保険に入るとなると負担が増えるのは事実。そこでも原付一種・二種は有利な面がある。もし自家用車を所有し任意保険に加入していれば「ファミリーバイク特約」を使うことでかなり割安で加入できるのだ。

家族にも適用されるので、父親の乗用車の任意保険に子ども(別居していてもよい)の原付を加入させることも可能。

ほかにも複数台の原付もひとつのファミリーバイク特約で補償対象にできる/借りた原付も補償対象などのメリットも。ぜひ加入を検討してもらいたい。

ちょっと小ネタ
あの前後のステッカーは何?

画像2: 最短2日で取得可能⁉ 排気量125cc以下のバイクに乗れる原付二種免許の取得方法や自賠責・任意保険について解説【原付二種免許ガイド】

125ccのバイクを見るとフロントフェンダーに白い帯の、リヤフェンダーに白い三角のステッカーが貼られていることに気付く。結論を言ってしまうと、これは50ccを越えて125cc以下である原付二種のバイクであることを示すもの。そもそも原付二種は、車体を50cc以下の原付一種と共用していることが多い。

最近では125ccから400ccクラスまで同じ車体を使っているモデルまで発売されている。原付一種と二種、軽二輪とでは最高速度や走れる道路、乗車定員、二段階右折など適用される交通ルールが異なるため、警察が取り締まりの際に排気量を判断しやすくするために貼られているのだ。しかしこれは法で定められたものではなく、関係省庁からの要請に応えてメーカーが自主的に貼っているもの。

はがしても違反にはならないが、無いと排気量を確認するために警察に止められる機会が増えてしまう可能性がある。とはいえ、後部からはナンバーの色を見れば排気量がわかるため、無くても支障はないという声があるのも事実。よく考えて自己責任で運用して欲しい。

まとめ:オートバイ編集部

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