現在、普通自動車免許を保有していれば、原付一種モデル(50cc)までは運転が可能となっている。地方では通勤・通学時や最寄り駅まで、ちょっとした買い物など、まだまだ幅広く活用されているが、その原付一種が生産、販売できなくなるという問題が発生している。

その問題というのが、すでに施行されている国内排ガス4次規制。2022年11月1日より規制が対応され、現在発売されている車両に関してはすでに対応済みだが、原付モデル(50cc)に関しては全国オートバイ協同組合連合会(AJ)の働きかけによって、2025年11月まで延長されている。

迫りくるリミットに対し、2022年11月に日本自動車工業二輪車委員会(JAMA)と、全国オートバイ協同組合連合会(AJ)が「二輪車車両区分要望に関する勉強会」などを開催し、二輪車区分を総排気量または定格出力から、最高出力に改めたいという要望を提出していた。

そのような動きがあった中、警視庁によって二輪車車両区分見直しに関する有識者検討会が開催。
2023年12月21日に警視庁から正式な見解が発表された。

最高出力を制御した新基準原付は、加速度が抑えられることなどで、現行 原付と同程度に容易かつ安全に運転することができるため、両者を同じ運転免許区分とし、併せて同じ車両区分とすることが適当。

という報告がされた。

画像1: ※警視庁HP内報道発表資料より www.npa.go.jp

※警視庁HP内報道発表資料より

www.npa.go.jp

つまり、125cc以下の二輪車の最高出力を、現行原付一種と同等レベルの4kW以下に制御することで原付免許で新基準の二輪車を運転できるようにする、ということ。

これは、二輪業界において大きな一歩といえる。

下記の資料を見ると最高出力は原付相当に抑えられているが、最大トルクが従来の原付モデルの1.5〜2倍の数値を発生することで、街中での走行は快適になるのではないだろうか。

画像2: ※警視庁HP内報道発表資料より www.npa.go.jp

※警視庁HP内報道発表資料より

www.npa.go.jp

そこで一人のオートバイ乗りとして気になってしまうのが、元が125ccモデルならば、速くしてしまおうとする人が出てきてしまうのではないだろうか(いわゆる違法改造)。ベースが同じなら勘違いしてしまわないか、など様々な疑問を感じたが、そこはさすが警視庁。様々な問題、疑問についての報告もされていた。

画像: ※警視庁HP内報道発表資料より

※警視庁HP内報道発表資料より

画像: ※警視庁HP内報道発表資料より  www.npa.go.jp

※警視庁HP内報道発表資料より

www.npa.go.jp

とまとめられていた。

2025年11月に実際に施行され、新基準の原付が街中を走るようになれば、上記とは違う問題が生じてきたり、新基準の原付の価格はどうなるのか、などの話が出てくるとは思うが、長年続いた議論の1つが解決、大きく一歩前進したと言えるのではないだろうか。

文:山ノ井敦司

This article is a sponsored article by
''.