不安を減らし楽しく走るパッケージも提案する
2024年の今、登場から40年経ったモデルだからかつてを知っている、あるいはデビュー当時に憧れたなどという人が乗っていると思いがちなニンジャ=GPZ900R。実際にはどうなのか。
「ニンジャは若い人も乗っているようです。ただ、車両のことは分からない。それで調子がいまひとつで、でも買ったところからは“古いのでこんなもの”など言われることも多い。それか、調子がいいのかどうかも分からない。そんな方が来店されることも多いですね」。開店から26年、「専門というわけではないんですけど、ニンジャはよく来ますし、扱います」と言うブルドッカータゴス・田子さんの話だ。来店する車両の仕様も調子もさまざま。ただ、今手に入れてどんな風に仕立てるといいのか、不安を減らせるのかという点には、ちょうど車検で入庫していたこの車両がいい見本になりそうだ。
![画像1: 不安を減らし楽しく走るパッケージも提案する](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2024/05/13/708ea59a3eb6f9bfb8c09f4a16606e73e49062fb.jpg)
「元々ニンジャに乗っているお客さんがカスタムの相談をされていたのですが、転勤でしばらく遠方に行かれることになったんです。でしたらと、当時乗っていた車両を当店のカスタム済みデモ車と入れ替えという形で少し前に販売したものです。デモ車としては“走るニンジャ”をテーマに、製作当時にあまりなかったノーマルフルカウルの外観を持たせて、東京モーターサイクルショーにも展示しました。内容はノーマルから一歩進んだ仕様という感じです。
ホイールはアルミ鍛造のラヴォランテ・レジェンダで前後17インチにして、後期型純正フロントフォークにYSSのPDバルブ(適度な減衰力を加えるインナーバルブ)と、その仕様に合わせたハイパープロスプリングを組んで。リヤには17インチに合わせたハイパープロショックを使っています」
純正フルカウル仕様に合わせた純正フロントフォーク仕様でいながら、きっちり内容のレベルをアップ。タゴスはハイパープロサービスショップで、ショックやスプリングの選定、仕様変更等にもノウハウが豊富だし、長年TOT=テイスト・オブ・ツクバでニンジャを走らせている。田子さんも自身のニンジャでじつにさまざまなステージを走り回ってきたから、そのノウハウも反映できる。それが生かされている。
![画像2: 不安を減らし楽しく走るパッケージも提案する](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2024/05/13/b702002d74ed0134b79a7254c8ac6796e49a4bbe.jpg)
「ポジションも重視していて、ハンドルまわりはタゴス・クルーズステムキットTYPE-1とタゴス・ニンジャバーZ、シートはタゴス・ライディングシート、ステップはケイファクトリーのライディングステップという構成です。エンジンはヴォスナーφ74mm鍛造ピストンを組んだ945cc。大がかりでこそないですけどしっかりパワー感もトルクも高まる仕様になっています。納車した後もオーナーさんはだいぶ走られて、途中1度エンジンオーバーホールを受けています」
それだけ距離を重ねるほどに走れる、走りたくなる仕様として仕上がっていたことの証明と言える。今ニンジャが現役で用意されるのなら、こんな感じがいい──。そう多くの人が思うような要素が取り込まれたような仕上がりを、今多くの人がニンジャらしいと捉える純正ライクルックすで実現。これは確かに、見本にしたくなる。
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Detailed Description 詳細説明
![画像1: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2024/05/13/2282dafc978d8a0e626abe1ad22a05b1b3f5e30c.jpg)
メーターカバーやレーサーレプリカミラー(タイプ5ヘッド)はマジカルレーシング。ステムはTAGOSニンジャ・クルーズステムキットTYPE-1で17インチに合わせ、ハンドルは純正より少し手前のタゴス・ニンジャバーZに換装。キーシリンダーにはTAGOS FunKeyプロテクトシール レッド(赤い部分。少し盛り上がり、傷つきも防ぐ)も貼られる。
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鍛造ボディのラジアルマウント式を使う左右マスターシリンダーはゲイルスピードVRC。コントロール性やタッチを高めるものだ。
![画像3: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2024/05/13/9edb2e856bcfd2c202849c927013a5cc663156bc.jpg)
シートは少し高めにしながらサイドを削ることで足着き性や車両操作性を高めるタゴス・ライディングシート(張り替え加工)。シートストッパーも純正より前に出し、加速時のズレも抑えるデザイン。
![画像4: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2024/05/13/7c2f66302066a22face284325dec527cf4200437.jpg)
ステップはケイファクトリー製ライディングステップでカラーはステイゴールドを選択する。ドライブチェーンはRKの50XXW(530相当)だ。
![画像5: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2024/05/13/1fbccf029ff11f9a727aa7a9b02ee5446653f79e.jpg)
エンジンは鍛造のヴォスナー×TAGOSオーバーサイズピストンKITφ74によって945cc化している。大がかりな作業を避けつつパワーも向上する仕様だ。組み込み後も距離を伸ばし、オーバーホールも受けている。クラッチレリーズはケイファクトリー、ラジエーターはTAGOSラジエーターガイドを追加する。車両全体は純正フルカウルにトップガン・ニンジャに近いカラーの仕立てというのも分かるだろう。
![画像6: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2024/05/13/912b6d90721e6d39e8a0f3ea0664905c8a283c53.jpg)
キャブレターはFCRφ37mmをDNAエアフィルター仕様で使う。これに組み合わされるチタン4-2-1の排気系はケイファクトリー製だ。
![画像7: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2024/05/13/b519b73a29216ade0f7eae1fa54b6bbae8322cb5.jpg)
フロントフォークはニンジャ後期型純正φ41mm(ここではA7〜A11)にYSS・PDバルブとハイパープロスプリングを組み、適度な減衰力や好適な路面追従性を加えている。フロントブレーキは純正6ピストンキャリパーにサンスター・プレミアムレーシングディスクを組み合わせ、ラインをステンレシュメッシュ化している。
![画像8: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2024/05/13/7c92739f21c15fd725fa95e55be64df3983525f0.jpg)
リヤサスはZX-10(1988-1990年のカワサキフラッグシップにしてGPZ900R後継機)純正スイングアームにニンジャ17インチ用ハイパープロショックという構成。
![画像9: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2024/05/13/15245c9165fb48df218d37f526da699e96f8e695.jpg)
リヤブレーキはブレンボ2Pキャリパー+ウェーブディスク。前後ホイールはアルミ鍛造のラヴォランテ・レジェンダでサイズは3.50-17/6.00-17。リヤタイヤは180/55ZR17を組み合わせる。