TMAXを頂点とする、ヤマハ自慢のスクーター「MAX」シリーズは、スポーティな走りと上質な造りが自慢。その末弟となるNMAXでもその伝統は生きていて、高い機動力と実用性を両立している。
文:太田安治、オートバイ編集部/写真:赤松 孝

ヤマハ「NMAX ABS」インプレ(太田安治)

画像: YAMAHA NMAX ABS 総排気量:124cc エンジン形式:水冷4ストSOHC4バルブ単気筒 シート高:765mm 車両重量:131kg 税込価格:37万9500円

YAMAHA
NMAX ABS

総排気量:124cc
エンジン形式:水冷4ストSOHC4バルブ単気筒
シート高:765mm
車両重量:131kg

税込価格:37万9500円

ツーリングやワインディングも楽しみたくなるスポーティさ!

NMAXはヤマハ125ccスクーターの最上級モデル。日本国内モデルは2016年に初代が登場し、2021年のモデルチェンジでフレームを一新したほか、スマートキーやトラクションコントロール、LED灯火類、「Yコネクト」と名付けられたスマートフォンとの連携機能など、高級スクーターに相応しい装備が与えられた。

2023年8月から発売されている現行モデルは、半導体不足の影響などもあってYコネクトには非対応となった。コネクテッド技術の発展性を考えると残念ではあるが、現実的な使われ方を考えると、大多数のユーザーは不満を感じることはないだろう。そもそもNMAXの魅力はストリートでの快適性とスポーツ性能の絶妙なバランス。各種のギミックはあくまでも付加価値なのだから。

軽二輪区分の兄弟モデル・NMAX155と共通の車体で1クラス上の存在感があるが、250ccフルサイズモデルのように「長さ」に気を使うことはない。車重が131kgに収まっていることとハンドル切れ角の大きさ、加えてスマートキーの採用で、駐車スペースへの出し入れもスムーズに行える。

画像: ヤマハ「NMAX ABS」インプレ(太田安治)

ライディングポジションには余裕があり、足を置く位置の自由度も高い。ただ、センタートンネルに高さがあるので乗り降りの際には足を大きく上げる必要があり、フロア部分に荷物を置くこともできない。このセンタートンネル中にガッチリとしたフレームが通っているのだが、乗り降りの利便性を多少犠牲にしてもバックボーンフレームを採用しているのは、スポーティーなライディングに応える車体剛性を確保するため。ヤマハの「MAXシリーズ」に共通した拘りポイントだ。

さらに専用開発の13インチタイヤと、スプリング反力に頼ることなく減衰力をしっかり効かせた前後サスペンションを組み合わせたことで、急激に切り返してもよじれによって反応が遅れたり揺り戻しが出ることはなく、コーナリング中にギャップを通過した際の収束性もいい。これがフラットフロアのアンダーボーンフレーム車との決定的な違い。同クラスのスクーターの中ではトップレベルのハンドリングだと言える。

高効率燃焼、高冷却性、ロス低減を重視した「ブルーコア」思想の水冷4バルブ単気筒エンジンも熟成され、発進加速、追い越し加速で使うエンジン回転数が高くなり過ぎてせわしなく感じることがない。これには6000回転を境にカムを切り替えるVVA機構が貢献しているはず。

低速域から一気にスロットル全開! といったシチュエーションでも一気に加速するから、市街地の交通の流れをラクラクとリードできるし、60km/hを超えても加速の勢いが衰えない。この力強いエンジンが、追い越し加速や上り坂、タンデムライディングでの余裕を生んでいる。

このNMAXはストリートコミューターとして移動の足に使うだけではもったいない。ツーリングやワインディングロードでも楽しんで欲しい一台だ。

ヤマハ「NMAX ABS」カラーバリエーション

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  • 画像1: 【レビュー】ヤマハ「NMAX ABS」インプレ(2024年)街乗りだけでなくツーリングも楽しい! 2人乗りでも余裕のある走りを実現
    ダークブルー
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    マットダークグリーン
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    マットダークグレー
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    ダークブルー
    41
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  • 画像5: 【レビュー】ヤマハ「NMAX ABS」インプレ(2024年)街乗りだけでなくツーリングも楽しい! 2人乗りでも余裕のある走りを実現
    マットダークグリーン
    30
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  • 画像6: 【レビュー】ヤマハ「NMAX ABS」インプレ(2024年)街乗りだけでなくツーリングも楽しい! 2人乗りでも余裕のある走りを実現
    マットダークグレー
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