最初の的確な作りをベースに時代の進化も採り入れる

カスタムされた車両がその後どうなるかは、多くの人の関心を集めるところ。空冷Zなら、なおさらかもしれない。このZ1-Rは、そんな関心に対する回答のひとつだ。

「今回は車検と整備、合わせてお色直しも含めて入庫しました。作ったのはもう20年くらい前ですね。Z1-Rはカウルステーをどうするかとか外装同士の合わせのバランスとか、きれいに作っていくのは難しいんですけど、かなり頑張って仕立てた覚えがあります。遠方の方ですけど、きれいに乗ってくださってました」と、手を入れたブライトロジックの竹中さん。

今回の入庫で各部をチェック、時代こそ感じられる部分こそあるけれどきちんと乗り続けられていることを把握。もうこれだけで先の関心への回答になっているようだが、“お色直し”で製作時点からの時代の進化分を取り込んだという点にも注目だ。

画像1: 最初の的確な作りをベースに時代の進化も採り入れる

その内容は、足まわりをバラして前後ホイールをマグネシウム鍛造品に変更、前後のブレーキディスクとパッドも今のものにすること。リヤは当時サイズや効きの点から、また市販品もないことからヤマハTZ250用ディスクを使っていたので、今回はディスクを変更するとともにキャリパーサポートまわりも見直してスイングアームにも追加工を施している。でも、車両全体では大がかりなことはほぼなく、スムーズなアップデートが行われたと分かる。

再組み上げした後の確認で微細ながらガタを感じたので改めてステムベアリングを交換したというが、それは他の車両でも行う確認と調整の範囲。こうした点も信頼が置ける。こうした部分も含め、ダブルナット締め付けにしているステムや最初に精密再組み立てされたエンジン、的確な操作ができるポジションといった、同店が軸と考える部分として最初に作られた内容、それは時代を超えても変わるところがない。

画像2: 最初の的確な作りをベースに時代の進化も採り入れる

的確な元の作りの上にホイール換装で高まる芯のある軽さ、そしてより使えるブレーキまわり、タイヤを組み合わせることで、さらにいい状態で乗っていける。次のアップデートがあるとしても、今回の作業、または一般的なオーバーホール作業と同じような感じで捉えられる。Zカスタムを不滅と思え、かつ実現させる作り込み。そんな参考にしたい1台なのだ。

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画像1: Detailed Description 詳細説明

メーターや外装はZ1-Rオリジナルで、カウル/ライトのステーはブライトロジック、フロントマスターはニッシンラジアル。クラッチはワイヤ式で、今の、もっと軽く操作できるものへの変更も視野に入る。ハンドルバーは低めのものとし、クランプ近くにヨシムラ・プログレスメーターも加えられる。

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燃料タンクやサイドカバー、テールカウルは塗色/ライン含めてZ1-Rオリジナル。良好な状態で保たれているのも分かるだろう。

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シートも加工して両サイドのエッジを落として足着き性や足の動きにも配慮。ハンドルバー/ステップとで好適なポジションを作り出す。

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シフト/リヤブレーキペダル(ステップペダルが付くプレート)にシンプルな3つのミーリングの入るステップは、車両製作当時のブライトロジックによるものだ。

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下側をカット加工したパルサーカバーなども持つエンジンは、Z1-Rオリジナルの1015ccをベースに製作当初に再組み立てし、好調を維持している。9インチ13段オイルクーラーも当時から備える。

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キャブレターはTMRφ36mmをRAM-AIRスポンジフィルター仕様で装着。パワーフィルター仕様でもいいかも、とも竹中さん。今回、インシュレーターや配線類のチェックも行われている。

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この入庫でホイールはMAGTAN JB1の3.00-18/4.00-18サイズに。車両のバランスを崩さずに取り回しも軽くしている。フロントフォークは最初の時点でフルアジャスタブルの社外品に変更。フロントブレーキはブレンボ・アキシャル4Pキャリパー+ブライトロジック・ブレンボのカタナ用φ320mmディスクだ。

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カーボンシェルサイレンサー&チタン4-1エキパイの排気系はブライトロジックオリジナル。リヤブレーキはブレンボ2Pキャリパー+サンスター・プレミアムレーシングディスクの組み合わせ。

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スイングアームはモリワキのアルミ製を加工したもので、オーリンズリヤショックはかつてのフルアジャスタブルを装着している。

取材協力:ブライトロジック

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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