見えないところでも進化を続けるカスタムの世界

「セパレートハンドル仕様で、排気量はφ70.5mmピストンでの1030ccです。少しパワーを出しながら、ライフを重視したエンジン仕様。当店の6速クロスミッションとEVOシステムも装備しています。お客さんの思いも詰め込んだ妥協ない1台として作っています」

こう、サンクチュアリー・コウガの立入さんが説明してくれるZ1。車両に話を戻すと「17インチ対応フレーム加工など、ほかの部分はサンクチュアリーのコンプリートカスタム、RCM(Radical Const-ruction Manufacture)の仕様ですよ」とのことだが、まだまだ大きな要素が入っていた。

画像1: 見えないところでも進化を続けるカスタムの世界

「電装です。ドイツ・モトガジェットのMOユニットを使いました。通常、Zのような旧車ではこうした車両作りの際にハーネスを新しくしたりして劣化や破損に対処するのですが、それだとあとでETC車載器を積みたいなど追加電装が出た際に、新しい配線を継ぎ足したりリレーを組んだりして対処することになります。

そうなると燃料タンク下など、決まった限られた空きスペースが太い配線や追加配線などでさらに狭くなってしまう。それが、このMOユニットでは必要なもの(回路)の電源配線がここにまとめられる。スイッチ配線も同じようにここにまとめられます。スイッチ用コードは電源と違う細いものでいいので、配線はすっきりできるし重量も減らせる。新しい電装を足すときにも楽です。

断線した時もライトの点滅で表示するのでヒューズボックスも不要、MOボタンを使えば左右のハンドルスイッチからMOユニットまでの配線も1本に集約できる。次世代電装として、とてもありがたいです」

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配線の簡略化はトラブルの抑止にもなるし、軽量化や立入さんの言うようにスペースの余裕を作るなどメリットは大。なお、ほかにもサンクチュアリー・コウガ製の新型軽量ジェネレーター&カム式ワンウェイクラッチキット(14万6300円で販売中)が組まれ、始動の確実性向上と充電強化も行われているとのこと。ハードパーツもそうだが、こうした電装など見えない部分の進化によって、トラブルを避けやすく、性能もより確実化できる。つまり、旧車の世界ももっと広がっていくことになるのだ。

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スカルプチャー・φ43フォーク用SPステムKIT Type3(フォークオフセットはZ1純正の60mmから17インチに適した35mmに)にアクティブ・セパレートハンドルキットをセット。左右マスターはブレンボRCSでスロットルは収まりのいいdominoを使う。

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メーターはサンクチュアリー・コウガで純正リングをかしめ直してSTACK ST200エンジン回転計をセット。Z系では純正メーターのオーバーホールの際にこのリングは再使用するしかなかったが、同店では「Z系メーター用かしめリング」を製作・販売している。2個セット7150円、同店での取付作業は1個5280円。問い合わせは同店HPのお問い合わせフォームから。

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サイドカバーを外した状態。写真中央がモトガジェット・MOユニットで、電装の電源をこの後ろ側カプラに集中(写真右寄り。マイナスはフレーム側で取る)させ、操作用(スイッチ)配線は細いものを前側に集中するのが分かる。配線追加にも対応しやすく、電源コード基部にあるライトによりトラブル箇所も分かりやすくなり、対処も行いやすい。点火はウオタニSP2ユニットを使う。

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エンジンはφ70.5mmピストンによる1030cc仕様。コウガの新作軽量ジェネレーターキット(アウターローター化する。小型のため写真のようなケースカットも可能)や滑らないカム式ワンウェイクラッチキット(この両アイテムで14万6300円)も組まれ、MOユニットなどと合わせて電装の信頼性が高まり、シンプルな仕立ても実現した。

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キャブレターはTMR-MJNφ38mmをショートアルミファンネル仕様で組む。9インチ13段オイルクーラーの配管は横回しで通している。

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ミッションはコウガオリジナル6速クロスミッションKITで、アウトプットシャフトをロング化した上でクランクケース左(フロントスプロケット裏)にプレートを追加してシャフト支持位置を増やし、ミッションタッチや作動性を高めて寿命も延ばすコウガオリジナルのEVOシステムも備える。このEVOシステムにより、17インチワイドリヤタイヤ用にオフセットされたチェーンラインに対しても写真のようにフラットスプロケットが使えるのだ。

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フロントフォークはオーリンズRWUをノーブレスト・E×Mパッケージでセット。フロントブレーキはブレンボM-4モノブロックキャリパー+サンスター・ワークスエキスパンドディスクの組み合わせ。

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リヤブレーキはブレンボP2-RS84キャリパー+サンスター・ワークスエキスパンドディスク。ホイールはO・Zレーシングのアルミ鍛造、PIEGAで3.50-17/6.00-17サイズを履く。スイングアームはスカルプチャーのZ 17インチ専用ワイドスイングアームをオーリンズ・グランド・ツインリヤショックと組み合わせる。タイヤはピレリ・ディアブロスーパーコルサでサイズはフロント120/70ZR17、リヤ190/55ZR17。ドライブチェーンはEKのThreeD 530Z(BK;GP)を使う。

取材協力:サンクチュアリー・コウガ

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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