400で製作シミュレートし、本命750にその作りを投影

カムギヤトレーン式の90度V4エンジンにプロアーム・リヤサス、アルミタンクにクイックリリース式で当時としてかなり大径のΦ43mmフォークなどを備え、レースベースの素性を持たせた上で1000台予約の限定販売としたRC30ことVFR750R。高性能や各部の細やかな作り込み、そして希少性に、多くのライダーが惹かれた。

「スイングアームと外装以外は全部手が入っています」と言うのは、ガレージモトテックの杉山さん。聞いてみるとなかなかに壮絶だ。

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「アラゴスタ・サスペンションなどでお付き合いのあるタジマエンジニアリングさんからベース車両を入手しました。それでアルミツインスパーのフレームはサビ落とし→バフ→ヘアライン加工→再アルマイト。倒立フォークを入れるためにステムはワンオフしましたし、フロントディスクもサポートもワンオフ。

ホイールはリヤのダイマグ・カーボンを、フロントに合わせてゴールドに塗りました。そのフロントはVTR1000SP-2(RC51)。軽過ぎるとジャイロ効果も落ちてしまうので、バランスも考えてあえての選択です。エンジンはWPCやDLC、モリショットなどの表面処理を適材適所で施して、ポートは鈴鹿8耐を走ったRC30のサポートも行ったタジマさんの加工です」

それらかなりのカスタム/チューニングメニューを持ちながらほぼ純正ルックに収めた点も面白いが、製作背景はもう車両開発のようにも思えてくる。

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「オーナーさんはRC30を手に入れたらこうするという構想を決めていて、先にNC35(’94RVF[400])で同じ仕様を作って、パーツチョイスやテストなど試行錯誤を重ねていたんです。その後RC30、この車両を入手して先のように組み立てたのがこれなんですけど、NCの方が剛性が高いためにピンポイント的に感じられた良さが、RC30では750ccの余裕と言うか、全面で良さを感じられ、扱いやすくて乗りやすかったそうです」とのこと。試作を経て本命に移る楽しみもあり。その違いも楽しむ。RC30を楽しみ尽くす姿勢が明確なのも、よく分かる。

撮影後にアクシデントを受けて復活のためモトテックに再入庫したこの車両。今度は、もう出てこない純正アルミタンクから型取りした上で、カーボンタンクを作るという。量産を前提にしているとのことで、ここにも注目したい。

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メーターは自作も好きというオーナーによる構成で中央にエンジン回転計、右に各種インジケーター、左にデジタルメーターを備える。左右マスターはブレンボ・レーシングで、サムブレーキも備えるため前/後のブレーキ、クラッチ用とリザーバーが3つ見えている。

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アルミタンクやFRP製の外装は数少ないノーマル部分。アルミタンクは純正品がないこともあり、モトテックでカーボンタンクを作る予定という。

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シートも作り直され、純正同様のシングル用のコンパクトなサイズの中に居住性や操作性も高まるようにとされている。

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カムギヤトレーンの水冷90度V4エンジンはスペックこそΦ70×48.6mm/748ccのノーマルながらピストンやクラッチ、ミッションなど可動パーツにWPCやDLC、モリショットなどの表面処理を加え、作動のスムーズさと耐久性も確保。ポートはタジマエンジニアリングで加工している。Vバンク内に収まるキャブレターはFCRΦ37mm×4。

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アルミツインスパーのフレームも錆落とし→バフがけ→ヘアライン加工→アルマイト処理というように新品以上に再構築された。

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フロントフォークはオーリンズ倒立、フロントブレーキはブレンボ CNC 4Pキャリパー+ワンオフサポート+Alth(アルト)ワンオフディスク。フロントホイールは純正3.00-17に代えてVTR1000SP-2(RC51)用3.50-17サイズを使う。

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スイングアームはRC30純正プロアームで、ホイール内側に見えるリヤブレーキはブレンボCNC 2Pキャリパー+T2レーシングのワークスリアブレーキローター MC28用の組み合わせ。

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オレンジのスプリングが特徴のリヤショックはガレージモトテックが国内扱いを行うアラゴスタのリザーバー別体式だ。

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リヤホイールは純正5.50-18インチから、ダイマグ・カーボンの5.50-17サイズを、フロントに合わせてあえてゴールドで塗装したものに変更している。

取材協力:Garage Mototech

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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