いい意味でメニューはあってもないようなもの

GSX-R1000Rのスズキ100周年記念カラー(’21年型)に、テクニカルガレージRUNが手を入れた1台。操作系や足まわりを軸に軽量化や操作性、そして質の向上を車両トータルで図る“テクニカルガレージRUN・ヴァージョンアップコンプリート”の手法が使われている。

車種ごとに適合し、ほぼボルトオン対応できるアフターパーツも増えた今、それらを揃えて装着しただけではないかと見る向きもいるだろうが、ヴァージョンアップコンプリートの本質はそこにはない。パーツそのもの、あるいはブランドは同じだったとしても、なぜそれを選ぶのかという手前の部分、そして精度の高い組み付け。もうここから他と異なる。さらに組み上がってからのトータルセットアップで、もうひと味の違いがぐっと出てくる。

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「私たちの提供するコンプリート車両は、いわば“当て書き”です。当て書きは演劇で、役者を先に決めて、その演技の癖やスタイルなどのイメージに合わせて脚本を書くこと。それをバイクに置き換えれば、役者は車両のオーナーさん。その方の使い方や乗り方に合わせてパーツを選んで、車両を作るということです。

パーツは私たちの信頼するものから選ぶという前提がありますからある程度集約されますが、セッティングはただオーナーさんの体格とかだけでなく、速度域や操作系への入力も考えて行います。ですから同じGSX-R1000Rでも、仕上がった車両の性格はそれぞれのオーナーさんに合わせたものになっているんです」と、TG-RUN杉本さん。

同じ役を演じるのでも役者さんによって異なり、それぞれに味が出てくること、さらに役者主体で脚本が出来ているなら、ハマる劇が出来ると考えれば分かりやすいだろうか。この車両の場合はオーナーがサーキット走行にも行くことから、そこも安全で楽しく走れるようカバーするようにしつつ、かつストリートでもストレスのないようにセッティングされている。同じ素材、作りであっても味は変わる。だからメニューはいい意味で、あってもないようなもの。

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“当て書き”はTG-RUNの整備メニューにも反映されるもので、もし同じ車両のまま、オーナーも同じだとしても、走りが変わったならばそれに合わせた変更もできる応用性とでも言うべきものも持っている。ヴァージョンアップコンプリートは長く乗り続けるオーナーも多いし、車両を換える、買い足した上でまたコンプリート化することが多いとも聞く。

それはショップによる冷静な第三者目線で判断されたオーナー仕様となった各車両の作りが的確で、その良さが理解されての結果。そこが本質ということなのだ。

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カーボントリムスクリーンはマジカルレーシング。カウル正面中央にはスズキのSマークを追加している。ワイヤクラッチホルダーは純正で、薄型のデイトナUSBポートを追加している。

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メーターおよびステム、ハンドルは純正。ステムトップにはオーナーの使い方に合わせてRAMマウントベースが付けられている。ステアリングダンパーもオーリンズSD030に換装する。

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フロントマスターシリンダーはブレンボレーシング。サーキットはもとより、ツーリングや普段使いでこそタッチの良さや効かせ方の恩恵が高い部分でもある。ピボットピンの抜け止め加工はTG-RUN定番のものだ。

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タンクエンド、タンクサイドカバーはフロントフェンダー/リヤフェンダーとも合わせてマジカルレーシング製のカーボン綾織りを装着。

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ステップはTG-RUNライディングステップキットとして、踏んだ時のしっかり感が安心感につながる。操作感も大きく高めてくれる。

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サイドレザーのカラーを車体色にも合わせたシートはTG-RUNスポーツ&コンフォートシート。前部の処理で足着きも良くなり、レザーと内部スポンジの相乗効果で快適性やホールド性が高まり、操作性も高まるのだ。

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999ccの4気筒エンジンやアルミツインスパーフレームはノーマルだが、エンジン左右にはGBレーシング製エンジンカバーを追加。上下2枚のラジエーターにもエッチングファクトリー製ラジエーターコアガードを追加し、不要なトラブルを予防する。

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フロントフォークは作動性やセッティングの良好さからオーリンズFGRT224に換装、フロントブレーキはブレンボ・レーシングCNCキャリパー+TG-RUN×サンスター・ワークスエキスパンドディスクに。

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排気系はアクラポヴィッチ・スリップオンEXを装着。リヤブレーキはディスクをサンスター・ワークスエキスパンドディスクに変更している。

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リヤショックもオーリンズTTX GP2018、前後ホイールはマルケジーニのアルミ鍛造、M7RSで3.50-17/6.00-17サイズを履く。

取材協力:テクニカルガレージRUN

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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