チューニングエンジンや17インチをより生かすように

GPZ900Rのエンジンについて多くのステージメニューを用意してきたトレーディングガレージ ナカガワ(以下TGナカガワ)。後継系列各モデルのパーツを使うことでスープアップとともに弱点対策を行い、内部パーツや補機類、点火系などにもオリジナルパーツを加えてきた。もちろんそれだけでなく、加工技術や表面処理という面、組み立てという部分でも、GPZ900Rエンジンに安定した高パフォーマンスを与えるようにしてきたショップだ。

排気量はノーマル908ccから、ボアの拡大ほかで920cc、972cc、1050ccや1078cc。クランクをZX-11用とすることで1108ccや1137cc、またZRX1200クランクで1224ccという排気量も選べる。そこまで作り上げた中で、今バランスや出力特性でお勧めなのは1078cc仕様だとTGナカガワ・中川さんは言う。

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「どの排気量でもいろいろな特性に仕立てることはできます。その中でも、この1078ccは素性としてもいいですし、パワーの出方も滑らかなんです。クランクもGPZ-Rのままですが、そのニンジャクランクでベストと言える回り方と特性があります」

中川さんをしてベストと言わせる仕様のエンジン。同時に内部各パーツにはTGナカガワオリジナルの表面処理、R-Shot#Mが追加メニューで用意され、この車両ではフルというレベルで施される。これは対象パーツの表面強度が上がると同時に摺動抵抗が減らせ、寸法も維持されるという効果がある。元々は廃番化が進む純正パーツの延命のために開発されたが、それが上記の狙いだけでなく、セッティング幅が拡大できるというメリットも生んだ。つまり、ニンジャヘッドのままでも高パフォーマンスが引き出せるようになった。かつては大排気量化ではZRXエンジン換装一択と言えたメニューにも、幅が出来た。

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そんなエンジンを、17インチ仕様としてのフルメニューを施した車体に積み、ルックスは純正に準じたというのがこの車両だ。エンジンばかりに目が行きがちだが、TGナカガワでは中川さん自身も長くGPZ900Rに乗り、車体もかなり煮詰めてきた。上がるパワーに応じた補強を加え、リヤ17インチ化に合わせた車高を作り、キャスターを立てて応答性を高める。そんな“詰めた”車体と、余裕のあるエンジン。乗ってみたくなるし、GPZ900Rに今手を入れるならの参考とも言える1台として、勧めておきたい。

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メーターは純正の4連タイプをそのまま使いつつ、ヨシムラ・プログレスメーターを2基追加する。ステムはZRX1100用にコンバートしてフォークオフセットも30mm(GPZ900Rは40mm)に変えて17インチ最適化する。スモークのスクリーンはゼログラビティ・ダブルバブルだ。

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ハンドルは純正セパレートに近い高さのハリケーン製バーに変更し、左右マスターシリンダーはともにゲイルスピード・エラボレートVREを使う。

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純正カラーの外装やニンジャヘッドは純正らしいルックスというコンセプトの一環。シートはホールド性に優れたTGN・Ninjaコンプリートシート。

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ライディングステップとダウンチューブはケイファクトリー製で、この車両では今回、純正マスター対応のこのステップにブレンボマスターをコンバートするべく入庫した。なおフレーム本体は10カ所を補強し、キャスターも純正の29度から2度立てるように加工している。

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エンジンは「TGナカガワコンプリート・ステージ4」(φ79mmコスワースピストン/1078cc)メニューに加えてヨシムラST-1Mカムを組み、内部パーツのほぼすべてにTGナカガワのR-Shot#M処理が施される。外観リメイクも行いDIS点火システムやHIR点火ユニット、カム部へ追加でオイル噴射するDOS-Rやクランク側のオイルバイパス等も備えるなど、今考えられるフルメニュー仕様だ。ラジエーターも大型化しオイルクーラーを前後に重ねて配置する。エンジンスライダーはアグラス製を装着。

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キャブレターはTMRφ38mm。写真中央に見えるのはTGナカガワ・オイルバイパスのラインで、上に分岐するのがヘッドカバーからカム/ロッカーアーム接触面にダイレクトにオイルを噴射し、潤滑を補助するDOS-R(ダイレクト・オイルジェットシステムR)のラインだ。

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フロントフォークはオーリンズ正立(φ43mm)でフロントブレーキはブレンボ・Axial 4Pキャリパー+サンスター・プレミアムレーシングディスクの構成。

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リヤブレーキはブレンボCNC P2 34キャリパ+サンスター・プレミアムレーシングディスクの組み合わせ。独自のスパイラルコレクターを持った排気系はノジマエンジニアリングとTGナカガワのコラボレートによるフルチタン4-1エキゾーストで、同店でもよく使われるものだ。

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スイングアームは7N01アルミ目の字断面・ハンドメイドのウイリー・ハイトコントロールで、リヤショックはオーリンズの17インチ適合品(KA203)。ホイールはマルケジーニのアルミ鍛造、M10S Kompe-Evoの3.50-17/6.00-17サイズを履く。ドライブチェーンはRKの520XXWで、同じくRKのHCS(炭素鋼製)・02PSスプロケットを組み合わせて520サイズへのコンバートも行われ、高効率化されている。

取材協力:トレーディングガレージ ナカガワ

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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