250ccクラス唯一の4気筒エンジンを搭載するスーパースポーツ「ニンジャ ZX-25R」がモデルチェンジを果たした。最高出力を48PS、ラムエア過給時49PSにまでアップさせての登場だ。このパワーアップで走りはどう変わったのだろうか。スポーツ走行性能を中心に解説する。
文:太田安治、オートバイ編集部/写真:南 孝幸

カワサキ「Ninja ZX-25R SE」インプレ(太田安治)

画像: Kawasaki Ninja ZX-25R SE KRT EDITION 総排気量:249cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 シート高:785mm 車両重量:184kg 税込価格:96万2500円

Kawasaki Ninja ZX-25R SE KRT EDITION

総排気量:249cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
シート高:785mm
車両重量:184kg

税込価格:96万2500円

世界唯一のエンジンを存分に賞味できる悦び 

「現在世界唯一の250cc4気筒エンジンは1L当たり200馬力以上を発揮。この超高回転/高出力型エンジンを剛性の高い車体に搭載。パワーを絞り出して走らせるスポーツライディングの魅力を公道で堪能できる」

ZX-25Rの特徴を短く表現するとこうなる。2020年9月の発売以降、この魅力、魔力に取り憑かれたライダーは数多い。

今回の新型でも、独自のエキサイティングなキャラクターは一切ブレていないが、エンジンのフィーリングは少しだけ変わった。カタログスペックを見ると、最高出力は3馬力大きい48馬力。これは圧縮比を高めたことと容量を増やした新型マフラー、これに合わせたFIセッティングの結果だろう。

前モデルは1万6000回転から加速感が薄れ、レッドゾーンまでジワリと伸びる感覚だったが、新型は加速の勢いが1万7000回転超まで続き、タコメーターをよく見ていないとたちまち1万8000回転を超えてレブリミッターを作動させてしまう。パワフルになったというより、トップエンド近辺での曇りが取れてスッキリした、という表現がしっくりくる。

画像1: カワサキ「Ninja ZX-25R SE」インプレ(太田安治)

しかも、中回転域でのトルクは全く犠牲になっていない。むしろ1万回転付近の力強さが増し、街乗りやツーリングでも扱いやすい。エキサイティングさと扱いやすさ、2つの表情を持つエンジンだ。ややクセのあった走行後の再始動性も改善されている。

車体の基本構成は変わっていないが、フロントはSFF-BPフォークに一新。初期の動きがスムーズで、市街地での乗り心地が良くなった。フロントがソフト、リアがややハードという前後バランスは変わらず、スロットルオン/オフでのピッチングモーションを活かしたコーナリングアプローチがやりやすく、脱出加速時の踏ん張りも効く。

反面、フロントブレーキの効きが非常に強力なので、ブレーキを雑に操作するとフォークが動き過ぎて挙動変化が大きく出る。「誰でもどこでも扱いやすく」を優先してエンジン特性もブレーキを含めた足まわりも穏やかに設定されている車種とは違い、本来の性能を引き出すにはある程度のスキルが必要だ。

画像2: カワサキ「Ninja ZX-25R SE」インプレ(太田安治)

個人的には、オートバイと対話しながら操る面白さがスポーツモデル本来の姿だと思う。普通二輪免許で乗れて、車検もない250ccモデルの中で、そんな魅力にあふれているZX-25R。新型はその魅力が着実に底上げされている。

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