テスト初日はイタリアンメーカーがトップ10のうち9台を占める
開幕前最後のテストとなる今回のポルティマオテスト。3月11日に行われたテスト初日にトップタイムを記録したのは、セパンテストからの好調をキープしているディフェンディングチャンピオンのフランチェスコ・バニャイヤ(Ducati Lenovo Team)だ。
初日の大半は同じドゥカティ陣営のルカ・マリーニ(Mooney VR46 Racing Team)がタイムシートのトップに君臨していたが、セッション終盤でバニャイアが自己ベストを更新しトップタイムをマークした。
バニャイア、マリーニだけでなく、他のドゥカティ陣営も上位に食い込み順調な仕上がりを見せている。そんな中注目したいのが同じイタリアンメーカーのアプリリアだ。
このテストで新たなフロントウイングを持ち込み話題となったアプリリアだが、タイムでもマーヴェリック・ヴィニャーレス(Aprilia Racing)が3番手タイムを記録し、速さの面でも注目を集めている。
さらに、今シーズンからアプリリアのサテライトチームになったCryptoDATA RNF MotoGP Teamもラウル・フェルナンデスが5位、ミゲル・オリベイラが6番手と上位に食い込んできており、競争力の高さが窺える。
今年はアプリリアにとって初めてのサテライトチームを加え4台体制での参戦となる。今年からコンセッション(優遇措置)が受けられないアプリリア陣営だが、サテライトチームの存在、そして4台分のデータは、開発の制限という課題を補ってくれるはずだ。さらにサテライトチームにも好成績が望めるとなれば今シーズンはドゥカティ相手に良い勝負ができることを期待しても良いのではないだろうか。
一方、トップ10に入った日本勢は8番手に食い込んだファビオ・クアルタラロ(Monster Energy Yamaha MotoGP)ただ1人。今シーズンもイタリア勢の優位は続きそうだ。
MotoGPポルティマオ公式テスト 初日結果
バニャイアが連日トップタイム!クアルタラロが大幅タイムアップで3番手に
Prima Pramac Racing2日目もトップタイムを記録したのはバニャイアだった。転倒があったものの、トップタイムを記録していたホルヘ・マルティン(Prima Pramac Racing)だったが、前日同様セッション終盤にバニャイアがトップタイムを塗り替えている。
さらにセッション最終盤にはソフトタイヤを履きタイムをさらに更新。非公式ながらコースレコードを叩き出し、最高の形で開幕前最後のテストを終えた。
2番手にはマルティンのチームメイトであるヨハン・ザルコ(Prima Pramac Racing)が入り、これまで苦しんでいたクアルタラロが1秒以上タイムを更新し3番手に食い込んできた。
前日は8番手と苦しいんでいたクアルタラロだったが、前年のセッティングに戻したところタイムアップに成功。また、新しいリアカウルもテストしたクアルタラロだったが、効果を実感することはなく開幕戦には採用されない可能性が高い。
開幕戦と同じトラックでタイムを向上させたヤマハとクアルタラロ。新パーツの効果は今ひとつだったようだが、1発のタイムでも上位に上がってきたところを見ると、ポジティブな1日となったはずだ。開幕戦では上位争いに食い込んでこれるかに注目だ。
開幕前のテストも終わり、いよいよMotoGP2023年シーズンが3月24日から26日に開幕する。開幕戦は今回のテストが行われたポルトガルのポルティマオで行われる。また、今シーズンから史上初めてのスプリントレースが組み込まれ、全42戦とこれまでにないスケールで繰り広げられる。新時代が到来するMotoGP、開幕から目が離せない。
MotoGPポルティマオ公式テスト 2日目結果
MotoGPポルティマオ公式テスト コンバインドタイム
レポート:河村大志