今出来ることをフル投入したハイエンド・コンプリート
ブラックとブルーにタイガーラインを配したカラーリングも凜々しいゼファー1100。ブルドックによるコンプリートカスタム、GT-M(Genuine Tuning Machine)の1台だが、ひと目見てもぐっと惹かれるような魅力がある。
「エンジンは鍛造ピストンで1260cc化してカムはヨシムラST-1。ミッションは当社オリジナルの6速クロスを組んでいます」と、ブルドック・和久井さん。空冷ZのGT-M同様に、安定のフルメニュー。車体側も同様で、前後17インチ化されるが、それだけに終わらない。
「スイングアームを垂らさずに車高を保つ工夫をしています。前後17インチホイール化したゼファー1100ではキャスター角を立てますが、その時にリヤの車高を保とうとスイングアーム垂れ角を付け過ぎたり、リヤサスや車高調で上げてしまうと、動きが悪くなります。
この車両ではまずタイヤを大径の200/55サイズにし、リヤアクスル位置は下に、サスの下側マウントは少し前にしてリヤの高さを確保。フロント側も、815mm長のゼファー1100用フォークを突き出しゼロで使って上げています。オーナーさんの身長も高くてできたことですが、マフラーは4-2-1を使いつつ、バンク角も車高も十分確保して、あるべき姿に作り込んでいます。
旋回性も非常に良く、ゼファーと思えないくらいに軽い。ゼファーに出来ることをすべて投入した車両になっています」
ホイールはレーシングスペックの新作、ラヴォランテ・スフィダーレ。前述のディメンション設定やミッションタッチのスムーズさとともに走りの良さを引き立てる。空冷ZのGT-Mで見てきた「自然なルックスの中にヘビーカスタム」という内容は、このようにパーツからディメンションまで、ゼファーでもきっちり盛り込まれる。だからこその魅力、ぜひ参考にしたい。
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Detailed Description 詳細説明
左右のマスターシリンダーはともにブレンボRCSで、カーボンボディのミラーはマジカルレーシングNK-1ミラー・タイプ1ヘッドだ。
ステアリングステムは17インチホイール化に適したマッコイで、フロントフォークの突き出しは0mm。純正形状のメーターはブラックのケースにホワイトのパネルを対比させ、ヨシムラ・プログレスメーターとプロテック・シフトポジションインジケーターを追加するという構成を採っている。
オイルクーラーは薄型のラウンドタイプに換装し、その両サイドにオリジナルの縦型フロントウインカーがマウントされている。
外装のカラーは青タイガーパターンをベースにする。リヤウインカーはナンバーホルダーサイドにマウント。シートはマッコイ・スプリームだ。
他のパートに合わせて外観をブラックで仕立てたツインプラグヘッドエンジンは、CP製φ80mmピストンによって[STD:1062→]1260cc化。カムシャフトはヨシムラST-1に換装、ミッションはマッコイ・6速クロス。ニュートラルもしっかり出て、ギヤの入りもスムーズという好パーツだ。
キャブレターはTMR-MJNφ38mmのDSF=デュアルスタックファンネル仕様。ファンネルもエンジンに合わせたブラック仕様とされる。
フロントフォークはオーリンズRWUでフロントブレーキはHEL製ラジアルマウント4Pキャリパー+サンスター・プレミアムレーシングディスク。
リヤブレーキはHEL製キャリパー+サンスター・プレミアムレーシングディスク。マフラーはフルチタン4-2-1のWinMccoyをセットした。
リヤショックはオーリンズ・ブラックライン。スイングアームはウイリーでリヤアクスル位置を下に、ショックマウントも前にしてリヤ車高を確保する。注目のホイールはアルミ鍛造でマグ並みに軽いラヴォランテ・スフィダーレのペイントブラック、[3.00-18/4.50-17→]3.50-17/6.00-17サイズ。購入やゼファー1100への装着については同店へ問い合わせよう。ドライブチェーンはRKで520サイズにコンバート済み。