足まわりを軸に軽快さを高めたシルキーシックス

ホンダは1970年代終盤に、世界最大の2輪市場・アメリカに次ぐ主要市場であるヨーロッパでのシェア拡大を狙った。そのためにスポーツバイクのラインナップを強化し投入する、通称“ノルマンディ上陸作戦”を展開する。1979年に投入されるCB-Fシリーズもその中にあったが、その少し前の1978年型として現れ、ノルマンディ上陸作戦の中心にあったのが、6気筒GPマシン・RC166の系譜を汲むDOHCヘッド並列6気筒のCBX(1000)だった。1047cc・空冷直6エンジンというCBXの存在感は今でも大きなインパクトを残す。

そこでこの車両だが、CBXにオリジナルパーツを多く展開し、同世代となるCB-F/Rも多く手がけるTTRモータースによるものだ。

画像1: 足まわりを軸に軽快さを高めたシルキーシックス

「エンジンはノーマルで、キャブレターは6連のFCRφ33mm。マフラーやステップキットはビトー(R&D)さんで、前後ホイールはゲイルスピードの18インチ。リヤサスはノーマルチックな社外品にして、スイングアームはGSX-R750ですね」

このようにTTR代表の林さんは車両の全体感を説明する。仕様を聞いていくと、全体的に軽く扱いやすくしていくという、旧車に今求められる手法を反映した感もある。だが、もうひと味があるようだ。

「実はフロントまわりにはまるごとCB750Fを使っているんです。ウインカー含めてです。CBXはパーツほかの問題もあって、フロントまわりにはなかなか手を入れにくいのですが、CB-F用ならパーツもある。それらを使うと、こんな風になかなかよくまとまるんです。おそらくコアな方でないと、ひと目見ただけでは分からないかも」

画像2: 足まわりを軸に軽快さを高めたシルキーシックス

林さんのこの言葉からもう一度車両を見ると、CB-Fのパーツにごっそりと入れ替えられているのに、違和感がない。乗り味も、CB-Fカスタムの軽快感でCBXの6気筒フィールという方向のようだ。これはいい目の付け所だ。

ほかにもマフラー/スイングアーム変更時に付かなくなってしまうセンタースタンドを工夫して装着し、さらに本来のシート下の広さを収納に生かせるTTRオリジナルフェンダーレスキット追加と合わせてユーティリティもアップ。楽しく仕上がっているようなのだ。

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メーターやハンドル、ステムにウインカーはCB750FCを純正流用しているが、気が付かないほどに一体感がある。これは技ありの組み合わせだ。フロントマスターシリンダーはホンダX4の純正流用。外装=燃料タンク/テールカウル/シートはCBX(SC03)をそのまま使う。

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CBXの広いシート下スペース(工具で開閉)を有効に収納に使えるフェンダーレスキットは、TTRモータースオリジナルで人気商品となっている。

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マフラーステーが特徴的なステップはJB-POWERライディングステップキットだ。マフラーやスイングアーム交換で外しがちなセンタースタンドも装備。

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空冷DOHC2バルブの並列6気筒1047ccエンジンはノーマルで、オイルクーラーを変更。OVER RACING製エンジンハンガーでエンジンを搭載、同じくOVER製スライダーも装着している。クラッチはTTRのイージークラッチキットで操作を軽くし、ハーネス類にはジェイズ製をチョイス。

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キャブレターはJB-POWER・ケーヒンFCRφ33mmの6連タイプ(3×2)をマウント。点火系はASウオタニ・SP2ユニットに変更された。

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フロントフォークはステムに同じくCB750FC純正を使うことでインナーチューブ径は純正φ35mmから39mmに大径化=強化される。フロントブレーキはブレンボAxialキャストキャリパーP4 30/34+サンスター・ネオクラシックφ320mmディスク。この辺も違和感なしだ。

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リヤブレーキキャリパーおよびディスクはホンダ純正で、角アルミのスイングアームはGSX-R750用。排気系はJB-POWERチタン手曲げ6into1だ。

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リヤショックはノーマルに近く見える社外品。ホイールはアルミ鍛造のゲイルスピードTYPE-Nでサイズは3.00-18/4.50-18インチを履く。

取材協力:T.T.Rモータース

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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