知っているようで、実はよくわかっていない…そんなことってよくあるよね。それはバイクに関することでも同じことが言える。ならば、ここであらためて、その道のスペシャリストに話を聞いて確実に知識を得よう! ということで、今回はエンジンオイルのマイスターに疑問・質問30連発を答えていただいた!
文:ノア・セレン/写真:松川 忍、柴田直行/取材協力:ワイズギア
  1. 【Q&A】エンジンオイルに関する30の質問・疑問

Q.21 半年くらい乗らない時はオイルを交換してから保管する? それとも使用する直前に交換するのが良い?

A.バイクを使用する直前に交換するのがベスト!

「ワンシーズン使ったオイルを交換せずに、そのまま冬を越すのはなんとなく……」という気持ちはよくわかる。

夜は寒く、昼間は暖かい窓付きガレージなどで保管してもクランクケース内には結露が溜まり、それがオイルと混ざってしまう。せっかく新品オイルに交換しても長期間空気に触れることで、オイルは酸化してしまう。とくに冬は水分を多く取り込んでしまう傾向があるのだ。

よって冬期は古いオイルのままで、春になったら新しいオイルにしよう。

画像: オイルは密封してない限り、エンジン内にあっても常に酸化を続け、水分も取り込んでしまう。乗らない間のバイクは冷暗所に保管し、再び乗る直前にオイル交換するのが正解。

オイルは密封してない限り、エンジン内にあっても常に酸化を続け、水分も取り込んでしまう。乗らない間のバイクは冷暗所に保管し、再び乗る直前にオイル交換するのが正解。


Q.22 指定されたオイル量より多く入れても大丈夫?

A.入れすぎもダメ! 足りないもダメ!

オイルは少しずつ減るというイメージがあるので、ついついちょっと多めに入れておこうなんて考えてしまう。しかし、入れ過ぎはフリクションを生み燃費が悪化したり、エンジンに余計な負荷をかけることにも繋がる。オイルレベルゲージには下限と上限が設けられており、オイル量がこの間にあれば大丈夫。

オイルを消費する傾向にあるエンジンには、オイル交換時にレベル上限まで入れておくといいだろう。定期的にチェックし、下限を下回らないよう気を付けたい。

画像: 写真のディップスティック型レベルゲージは一度緩め、ウエスなどで拭いてからまた計るという手間がある。マメにチェックしたい人はのぞき窓タイプがありがたい。

写真のディップスティック型レベルゲージは一度緩め、ウエスなどで拭いてからまた計るという手間がある。マメにチェックしたい人はのぞき窓タイプがありがたい。


Q.23 年間2000kmくらいしか走らないけどいつオイル交換すればいいの?

A.取扱説明書には距離と共に期間も

取扱説明書のオイル交換時期の目安を確認すると、走行距離と使用期間が記載してある。つまり短距離しか走らない場合は、使用期間でオイル交換すればいい。

ほとんどの場合、使用期間は1年と書いてあるので、春にオイル交換するといいだろう。年に1度しか交換しないなら、性能低下の少ない100%化学合成油を選びたい。


Q.24 余ったオイルはどのように管理すればいいの?

A.密封して冷暗所に保管すれば1年程度はOK

オイルは空気に触れると酸化してしまう性質があるので、オイル缶のフタをしっかりと締めておけば開封前とほとんど変わらない状態で保管できる。その時は温度変化が少ない冷暗所に保管するようにしよう。

また4L缶で保管するよりも1L缶に小分けして保管する方が、オイルは空気に触れにくくなるが、開封後はなるべく早めに使い切ろう。


Q.25 未開封のオイルに使用期限はあるの?

A.購入後4〜5年を目安に使い切ろう

オイルにいわゆる明確な消費期限・賞味期限的なものは存在しないため、未開封の状態で冷暗所に保管しておけば約4〜5年性能は変わらない。

セール品などで安く販売されている時に、普段は手が出ない高級オイルを買い溜めておく場合は容器が錆びることも考えられるため保管場所に注意しよう。

画像: 缶の上部や下部に印字されているのは賞味期限ではなく、そのオイルがいつ、どこの工場で生産されたのかを示す管理番号。トラブルが起きても番号で原因を追及できるのだ。

缶の上部や下部に印字されているのは賞味期限ではなく、そのオイルがいつ、どこの工場で生産されたのかを示す管理番号。トラブルが起きても番号で原因を追及できるのだ。


Q.26 サーキットを走行したら必ずオイル交換した方がいいの?

A.全開走行も考慮されているからマストではない

オイルの交換サイクルを守っていれば、その範囲でツーリングや街乗り、サーキット走行をしても問題ない。ただサーキットは一般道に比べて大きな負荷がかかるため、オイル量をしっかりと確認しておこう。

気持ち的には走行前にオイル交換をしておけば安心なだけでなく、ミッションの入りやフケ上がりなど、もっとも気持ちの良い状態を楽しめるだろう。せっかくサーキット走行するなら、高性能オイルの良さを試すチャンスでもあるのだ。

画像: 公道でもサーキットでもオイル交換サイクルを守っていれば大丈夫。走行前に交換するなら、ドレンボルトとフィラーキャップの緩み、エンジン下側のオイル拭き残しなどを確認しよう。

公道でもサーキットでもオイル交換サイクルを守っていれば大丈夫。走行前に交換するなら、ドレンボルトとフィラーキャップの緩み、エンジン下側のオイル拭き残しなどを確認しよう。


Q.27 鉱物油でサーキット走行してもいいの?

A.鉱物油の「スタンダードプラス」でも十分

ヤマハ車は50㏄スクーターからYZF-R1まで、全てのバイクが鉱物油の「スタンダードプラス」で開発されているため、このベーシックな鉱物油でも本来の性能はしっかりと確保されている。

サーキット走行会レベルなら問題はないが、レースに出るなら、ワンランク上のパフォーマンスを求めて高級オイルを使用したい。


Q.28 オイルがエキパイや服に付着したらどうすればいいの?

A.何より安全第一。火災に注意

オイル交換する時はゴム手袋やオイルが付着してもかまわない服を着るなど、手や皮膚の保護に努めたい。エキパイについた場合は、ウエスでしっかりと除去しないとオイルが焦げ付いてエキパイにシミが残ることがある。

またオイル交換前にエンジンをかけてオイルを温めるとエキパイなどが熱くなっていることも。この状態でパーツクリーナーを使うと引火の可能性もあるため、エキパイやエンジン部分が冷えていることを確認しよう。

画像: 通常のオイル交換はもちろん、フィルター交換の際などにはエキパイにオイルが付着してしまうことがよくある。エキパイが冷えていることを確認してから丁寧に拭き取ろう。

通常のオイル交換はもちろん、フィルター交換の際などにはエキパイにオイルが付着してしまうことがよくある。エキパイが冷えていることを確認してから丁寧に拭き取ろう。


Q.29 スクーターのギアオイルにエンジンオイルを入れても大丈夫?

A.ギアオイルの専用品を使うのがベスト

スクーターのギアオイルやシャフトドライブのベベル部潤滑には、極圧性に優れた専用のギアオイルを使用する。一般的なエンジンオイルも普段からギアを潤滑しているが、直接金属がぶつかり合うギア類の潤滑はなかなかハード。用途に特化した専用品を使おう。


Q.30 走行距離の多い車両に適したオイルはあるの?

A.とくにありません。マメな交換を

走行距離が増えて性能が徐々に低下してきた車両には、硬めのオイルを入れて広がったクリアランスを補おう、といった考え方もある。しかし、それはメカニカルな摩耗をオイルでごまかそうという行為であり、根本的なトラブルの解決にならないばかりか、始動性や燃費の悪化につながることもある。

過走行車ほど、保護性能が高く、性能が長持ちする化学合成油を使うといいだろう。

画像: 過走行車だからと言って銘柄を変える必要はない。空冷エンジンや小排気量車は交換サイクルが短いが、サイクルの長い水冷エンジンモデルはオイル消費の管理を忘れずに。

過走行車だからと言って銘柄を変える必要はない。空冷エンジンや小排気量車は交換サイクルが短いが、サイクルの長い水冷エンジンモデルはオイル消費の管理を忘れずに。

文:ノア・セレン/写真:松川 忍、柴田直行/取材協力:ワイズギア

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