文:太田安治、オートバイ編集部/写真:赤松 孝
カワサキ「Z250」インプレ(太田安治)
![画像: Kawasaki Z250 総排気量:248cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒 シート高:795mm 車両重量:164kg 税込価格:61万500円 ※カラーは「メタリックスパークブラック×メタリックマットグラフェンスチールグレー」のみ。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2022/05/11/89bae7f0ed3f666f460ffbdd46b6a5d11f254cf8_xlarge.jpg)
Kawasaki Z250
総排気量:248cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒
シート高:795mm
車両重量:164kg
税込価格:61万500円
※カラーは「メタリックスパークブラック×メタリックマットグラフェンスチールグレー」のみ。
ニンジャ250ベースで全域パワーアップを実現
フルカウルでスーパースポーツ的イメージを漂わすニンジャ250に対し、ネイキッドスタイルのストリートモデルと位置付けられるのがZ250。2代目となるこのZ250は2018年2月にフルモデルチェンジされたニンジャ250がベースで、7年前に登場した前モデルとは別物の仕上がりとなっている。
前モデルから大きく進化したポイントは、全ての回転域で強化されたエンジン特性だろう。前モデルは4000回転以下だと少々頼りなく、ゼロ発進時は回転数とクラッチ操作に気を使ったが、新型はアイドリング回転のまま発進できる粘り強さを身に付け、普段使いで常用する中回転域ではスロットル操作に対して即座に反応して力強く加速する。
![画像1: カワサキ「Z250」インプレ(太田安治)](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2022/05/11/df71377f71261e9a15c498d6a8d2b247e21b8a0b_xlarge.jpg)
これによって発進加速頻度の多い市街地はもちろん、急な上り坂や向かい風の高速道路走行といった、ツーリング中にたびたび遭遇する状況での扱いやすさが格段に向上している。
8000回転あたりからグッとパワーが盛り上がり、1万3000回転までフリクションを感じさせずに軽く吹け上がる高回転特性はニンジャ譲り。各ギアの守備範囲が広く、回り込んだコーナーや峠道の連続ターン、サーキット走行でもコーナリング中にシフト操作を強いられる頻度を減らせるのでリズムを崩さずに駆け回れる。
動力性能のフィーリングはニンジャ250と同じだが、決定的に違うのがハンドリング。カウルを取り去ったことでニンジャよりもフロント回りが2kg軽く、グリップ位置が高く幅広のハンドルには腕の力と上体の重さを伝えやすい。ライダーの操作に対して軽快に鋭く反応するから、ジムカーナ的な走りも得意だ。
![画像2: カワサキ「Z250」インプレ(太田安治)](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2022/05/25/16929f580bcf018fab984b8944468597f7411d88_xlarge.jpg)
普段使いでは上体の前傾度が弱くなり、アイポイントが高くなるので見通しが利くし、ギャップ通過時にフロントから突き上げられても手首や肩、首に掛かる負担も少ない。ニンジャ250と比べると上体に受ける風圧が大きくて直進安定性もやや弱まっているが、エンジン振動の少なさ、吸排気音の静かさと併せ、110km/hのクルージングも実に快適だった。
ニンジャ250と乗り換えながら試乗したが、公道での走りは甲乙付けがたい。より高い速度域での快適さを重視するならニンジャ、普段使いなら軽快なフットワークで適度な風を感じるZが魅力的だ。