日本が誇る二輪車メーカー4社は世界各地で高い評価を得ている。そして日本市場では正規販売されていない機種が海外では数多く展開されてもいる。この連載では、そんな知る人ぞ知るモデルをフィーチャー。今回は日本のライダーなら誰もが知るSR400にまつわるお話、海外では現役なんです!
文:小松信夫

日本では2021年に販売終了、でも生産を終了したわけではない!

ヤマハのSR400といえば1978年のデビュー以来、基本的なメカニズムとスタイルを変えることなく生産され続けた超ロングセラーで、そのレトロなスタイルと乗り味によって絶大な人気を誇ったモデル。

画像: ヤマハSR400 ファイナルエディション・リミテッド(2021年モデル)

ヤマハSR400 ファイナルエディション・リミテッド(2021年モデル)

2021年に国内販売が終了を迎え、最後を飾るべく発売された1000台限定の「ファイナルエディション・リミテッド」だけではなく、スタンダード版の「ファイナルエディション」まで、あっという間に完売したのがニュースになりましたねぇ。

画像: ヤマハXT250(アメリカ仕様 2022年モデル)

ヤマハXT250(アメリカ仕様 2022年モデル)

でね、SR400ファイナルエディションが発表された時の、ヤマハの公式リリースにはこう書かれてます。『なお、国内向けの「SR400」は、当モデルをもって生産を終了します』って書いてあるんですよ、あくまで「国内向け」の「ファイナル」であると。セローのファイナルエディションが出た時も、おんなじようなこと書いてた気がするんですよ、確か。でもって、セローに限りなく近いXT250が、まだ北米あたりでは売ってるのは前も紹介しましたが。

画像1: ヤマハSR400(タイ仕様)

ヤマハSR400(タイ仕様)

というワケでですね、日本国内でファイナルエディションが即完だったSR400ですが、今現在も現行モデルとして絶賛発売中なんですよ…東南アジア、しかもタイ限定なんですけどねぇ。しかもセローがXT250という名で生き残ってるのとは違って、そのものズバリ「SR400」そのものなんですよ。やっぱりタイでも、あのレトロなスタイルがウケてるみたいです。

画像2: ヤマハSR400(タイ仕様)

ヤマハSR400(タイ仕様)

そのものズバリというのはまあ、SRの魅力であるレトロでシンプルな見た目という意味ですが。写真の上で見る限り、国内向けモデルとの違いを発見できない。末期のSR400で環境対策のため追加された、エンジン前方のクランクケース左脇にあるキャニスターもちゃんと付いてます。スペックを比較してみると、最高出力やトルクがややダウンしてて、車重も1kg軽かったり、な〜んか微妙に違うんだけど。これも確証はないけど、表記の基準が違うだけで実質的には同じなんじゃないかな?

画像: ヤマハSR400(タイ仕様・ダークグレイッシュリーフグリーンメタリック)

ヤマハSR400(タイ仕様・ダークグレイッシュリーフグリーンメタリック)

ただこのタイの現行SR400、カラーリングはファイナルエディションとも、ファイナルエディション・リミテッドとも違っておりまして。この「ダークグレイッシュリーフグリーンメタリック」のモデルは、2013年に国内で限定発売されてた「35th Anniversary Edition」のカラーリングに準じたデザイン。

画像: ヤマハSR400 35th Anniversary Edition(2013年モデル)

ヤマハSR400 35th Anniversary Edition(2013年モデル)

60年代ヤマハ車的な仕上がりの、色味も基本的なグラフィックも同じといっていいでしょう。フレームの色や、サイドカバーのSRロゴの色、シート表皮やテールカウルのデザインなど、ディテールは結構違うんだけど。あと、どうでもいいけど正式な色名も「ダークグレイッシュグリーンメタリック1(リーフグリーン)」と微妙に異なってます。

画像: ヤマハSR400(タイ仕様・ヤマハブラック)

ヤマハSR400(タイ仕様・ヤマハブラック)

しかし、こっちの「ヤマハブラック」モデルの方は、タイ向け独自のデザインみたいで。ブラックをベースに細いゴールドのラインがタンクに入り、ブラウンの表皮のシートが装着されて、シンプルでスポーティな雰囲気ですが。歴代のSR400/500のカラーリングを見ても、これの元ネタは見つけられなかったなぁ。ファイナルエディション・リミテッドのサンバースト抜き、と言えないこともないかな?

あ、このタイ向けのSR400、もちろん日本に逆輸入しても登録できませんからね〜(だから国内販売が終了したんだもの…)。まあこれが生産されてる限り、国内でのSRへのパーツの供給もしばらく安心できるってことで。

文:小松信夫

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