日本が誇る二輪車メーカー4社は世界各地で高い評価を得ている。そして日本市場では正規販売されていない機種が海外では数多く展開されてもいる。この連載では、そんな知る人ぞ知るモデルをフィーチャー。今回はマレーシアで登場したホンダのニューモデル情報!
文:小松信夫

200万台を売った大ロングセラー、ホンダ「EX5」の限定バージョン

二輪車の歴史、いや自動車史にも残る世界的な名車にして、1958年の誕生以来その使い勝手の良いコンセプトと造りを変えることなく、今なお生産の続くホンダのスーパーカブシリーズ。2017年にはスーパーカブシリーズの世界生産累計生産台数が1億台を突破! この年の東京モーターショーで発表された、現行スーパーカブ110(JA47)がベースの「一億台記念車」も展示されまして。

画像: ホンダ スーパーカブ110 一億台記念車

ホンダ スーパーカブ110 一億台記念車

その記念モデル、一際目を惹くゴールドカラーで注目されましたっけ。なぜゴールドにしたのか? といえば、1971年にホンダ鈴鹿製作所の二輪車生産累計1000万台を記念したスーパーカブが、ゴールドに塗られていたのに倣ってのことだ、と説明されてました。そのまた理由の大元は、創業者・本田宗一郎氏の好きな色が金色だった(1964年の最初のF1参戦時、ボディカラーをゴールドにしようとしたらしい)、というところにあるんじゃないかと愚考します。

画像: ホンダ EX5(2022年モデル)

ホンダ EX5(2022年モデル)

まあとにかく、この金ピカなスーパーカブ110の一億台記念モデル、色が色だけに強烈な存在感で、「市販してほしい」という声もありましたが、残念ながら実現しませんでした。そんなある意味特別な存在である「金色のスーパーカブ」ですが、ついこの間の2022年2月24日、マレーシアで市販されることが発表されました! しかし、それはスーパーカブ110でもC125でもなく、マレーシアで絶大な人気を誇るカブ一族のロングセラー、EX5をベースとした限定モデルとして。

画像: ホンダ EX5(キャストホイール仕様 2020年モデル)

ホンダ EX5(キャストホイール仕様 2020年モデル)

マレーシアで特に高く評価されているEX5。角形ヘッドライトが目立つモダンなスタイルと、使い勝手の良い大型のダブルシートが特徴。細かな改良を重ねて進化を続け、空冷単気筒エンジンは現行モデルでは110ccのFI仕様で、スポークホイール、キャストホイールの2タイプをラインナップ。

画像: ホンダ EX5 35周年記念モデル(スポークホイール仕様 2021年モデル)

ホンダ EX5 35周年記念モデル(スポークホイール仕様 2021年モデル)

1987年に登場して以来の累計販売台数は200万台を突破! 平均して年間約6万台弱をコンスタントに販売してきたというんだから、とんでもない人気! 2021年には、EX5の登場35周年記念モデルも登場してました。

画像: EX5 35周年記念エンブレム

EX5 35周年記念エンブレム

とはいっても、レッグシールドに記念エンブレムが付いたくらいですけども。しかし、単なる実用車でワザワザこんなことしないだろうなぁ。それだけEX5、マレーシアのライダーから愛されている、ってことなんでしょう。

画像: 200万台を売った大ロングセラー、ホンダ「EX5」の限定バージョン

そしてついこの間、発表されたのがこの金色のEX5。限定2000台だそうで、ゴールドカラーはボディだけじゃなく、前後のスポークホイールのリムもゴールド仕上げ。シート表皮もブラウンのツートーンカラーで、赤×青のグラフィックも昔のEX5を再現したデザインなんじゃないかな、これは。よく見ると35周年エンブレムも付いてる。なんか去年の35周年記念モデルから一転、えらく特別感をあおってます。

上の画像の右上に赤い文字で「Sejuta Kenangan」と書いてありますが、これはマレー語で「百万の思い出」という意味だそうで…現地のニュースリリースを読んでみると、これは要するにEX5の「ファイナルエディション」なんですね。EX5の2022年モデルはこの限定車のみである、となってるし。EX5の長い歴史の最後を、めでたい金色(正式なカラー名は「Extravagant Gold Metallic」=贅沢なゴールドメタリック)で飾ろうってことですか。日本のいろんな「ファイナルエディション」みたいに、あっという間に完売するのかな。

文:小松信夫

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