純粋なモーターサイクルのEV(電動車)のみ・・・ではなく、ハイブリッド車そのほか様々な古今東西の「ローエミッション」な2輪車を紹介する連載企画。今回は中国のWuyang-Honda=五羊-本田摩托(広州)有限公司が販売する2機種の電動スクーター、「e-pop」と「e-SCR」を紹介します。
文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)
※この記事は「ロレンス」で2022年1月14日に公開されたものを転載しています。

電動用のバッテリーには、鉛蓄電池を使ってます

2021年に投入された五羊ホンダの電動スクーター「U-GO」と「U-be」は48Vのリチウムイオンバッテリーを搭載していますが、それらの1世代前の製品である「e-pop」と「e-SCR」は、中国市場で共通品として多くが流通している、60V20Ahまたは70V20Ahの鉛バッテリーを搭載しているのが大きな特徴です。

e-popは、大きな丸型ヘッドライトがスタイリングのアクセントとなっている、レトロデザインの電動スクーターです。2021年型は赤、銀に加え、白(写真)の新色が採用されました。

www.wuyang-honda.com

e-SCRはフロントパネル側にヘッドライトを搭載し、視認性の高さなど安全面に配慮したモデルです。2021年型は白、銀、ブルーグレーに加え、赤(写真)の新色が採用されました。

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画像: e-SCRのバッテリー(左)。12V20Ahのバッテリーを5つで60V、6つで72Vとユーザーの都合に合わせたセレクトが可能です(32Ahのバッテリーも使用可能)。また右側下のスイッチ(右)で、高速、中速(航続距離優先)、低速(登坂用)と走行モードを切り替えることができます。 www.wuyang-honda.com

e-SCRのバッテリー(左)。12V20Ahのバッテリーを5つで60V、6つで72Vとユーザーの都合に合わせたセレクトが可能です(32Ahのバッテリーも使用可能)。また右側下のスイッチ(右)で、高速、中速(航続距離優先)、低速(登坂用)と走行モードを切り替えることができます。

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画像: e-SCRのシート下には、ヘルメットのほかカバンなどを収納できるトランクスペースが設けられています。 www.wuyang-honda.com

e-SCRのシート下には、ヘルメットのほかカバンなどを収納できるトランクスペースが設けられています。

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なお中国は2019年4月15日に、新たに「電動自行車安全技術規范」=電動自転車の安全に関する技術仕様を施行し、運転免許が必要なEV=エレクトリックビークル(電動バイク)、EM=エレクトリックモペッド(電動モペッド)、そして免許不要のEB=エレクトリックバイシクル(電動自転車)の3つに区分されました。e-popとe-SCRはともに、EMとEBの仕様が用意されています。

ところで・・・"5H-e"ってナニ!?

U-beもそうですが、五羊ホンダの電動スクーターには、"5H-e"というロゴが使われています。

画像: e-popの車名の前に、「5H-e」というロゴが入っています・・・。 www.wuyang-honda.com

e-popの車名の前に、「5H-e」というロゴが入っています・・・。

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この5H-eとは、5(五羊=Wuyang)H(ホンダ)-e(エレクトリックビークル)を意味しています。中国各地域には五羊ホンダ製電動スクーターの販売・サービスを手がけるディーラー網がはりめぐらされていますが、それらショップにも5H-eロゴが飾られているのです。

画像: 5H-eのリテールストアの光景。 www.wuyang-honda.com

5H-eのリテールストアの光景。

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画像: e-popのシート下も、トランクスペースをしっかり用意。細かいことですが、e-popのサイトを見るとこのピンク色のモデルが盛んに登場するのですが、現在のラインアップにはこの色の設定がありません? 旧型の色なのでしょうか? www.wuyang-honda.com

e-popのシート下も、トランクスペースをしっかり用意。細かいことですが、e-popのサイトを見るとこのピンク色のモデルが盛んに登場するのですが、現在のラインアップにはこの色の設定がありません? 旧型の色なのでしょうか?

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上述の新法・・・「電動自行車安全技術規范」は重量規制変更によって、重たい鉛バッテリー使用を事実上封じる意図がありましたが、e-popとe-SCRはこの規制を回避することができているのでしょう。もっとも五洋ホンダからは新たにこれら"e"系の後継である"U"系が登場したので、いずれ2025年になる前に"e"系は廃盤になるのかもしれませんが・・・?

なおe-popはEM版が3,888元≒6万9,900円、EV版が4,188元≒7万5,400円。e-SCRはEM版が4,188元≒7万5,400円とs-popのEV版と同額で、EV版が4,488元≒8万1,000円・・・となっています。

ユーザー自身が簡単にターミナル接続ができる作りで、汎用性のある鉛バッテリーが使えるなら・・・。日本に持ち込んで使う場合にも、いろいろ融通が効きそうな気もしますね。興味ある方は、個人輸入にトライしてみては? あ、自己責任でお願いいたします(笑)。

五羊ホンダ e-pop 主要諸元(EV版WH1200DT-8)
モーター 1,200W バッテリー 60V20Ah(12V20Ah x5) 最高速度52km/h 航続距離70km 登坂能力13°
寸法・重量 全長x全幅x全高 1,730×700×1,050mm ホイールベース 1,240mm シート高710mm 最低地上高135mm ブレーキ型式 前 ディスク 後 ドラム タイヤサイズ 前後 80/100-10 車重 99kg 

五羊ホンダ e-SCR 主要諸元(EV版WH1200DT-8A)
モーター 1,200W バッテリー 60V20Ah(12V20Ah x5) 最高速度52km/h 航続距離70km 登坂能力13°
寸法・重量 全長x全幅x全高 1,760×675×1,094mm ホイールベース 1,235mm 最低地上高150mm ブレーキ型式 前 ディスク 後 ドラム タイヤサイズ 前 3.00-12後 3.00-10 車重 100kg 

文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)

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