文:太田安治/写真:南 孝幸
クシタニ「K-2823 ベンチコート」テスト&レポート
街乗りの移動にちょうどいいベンチコート
ライディングジャケットはライダーの動きを妨げないよう着丈が短めになっている。ウインタージャケットの場合は腰回りが冷えないように着丈を若干長くしたものが多いが、それでも腰から下の防寒性はなく、寒さが厳しくなればオーバーパンツと組み合わせることが普通だ。
ということもあって、クシタニから発売されたベンチコートを見て最初に気になったのがライディングウエアとしての適性。パリやミラノではピカピカの革靴を履いたビジネスマンがコートを羽織ってスクーターを駆り、颯爽と通勤している姿をよく見かけたからだ。スクーターなら体重移動は無視できるし、乗り降り時にシートを跨がなくてもいいので丈が長くても問題なし。そのままの会社や店に入っても違和感がない。
本来は冬場のレース観戦やタウンウエアとして企画された製品だが、スーツの上に着てスクーターで走ってみたところ、通勤通学に使うライダーにマッチすることを確認できた。
表地は光沢を抑えたポリエステルで、中綿はシンサレート。軽い着心地ながら充分な保温性を備えている。スクーターはスネに当たる風が少ないので、長い着丈で膝上までカバーできればかなりの寒さに耐えられる。左胸に止水ファスナー付きポケットを備え、袖口に寒風をシャットアウトするストームガードが付いているのも冬場のライディングに好都合だ。
テスター太田安治の欲張りリクエスト
ライディング前提の製品ではないが、スクーターとのマッチングは上々。腰回りにストームガードを付け、ストラップなどで裾の左右を連結してバタ付きが抑えられれば新しいスクーターファッションになるかも。
文:太田安治/写真:南 孝幸