充実した内容が裏付ける端正なルックスと風格
まぶしいくらいのホワイトボディが車体側のブラック系パーツとバランス、各部に配されたゴールドアルマイトパーツやグリーンカラーのチタンボルトがアクセントとして効いている17インチ仕様の、カワサキZ1R-Ⅱ。ブルドックによるコンプリートカスタム車、GT-M(Genuine Tuning Machine)の1台だ。チューンドマシンらしい雰囲気を持ちつつも自然なたたずまいを持つという、GT-Mに共通する思想はこの車両でもキープされ、エンジンもGT-Mではおなじみと言える1200cc仕様。
「ピスタルレーシング製鍛造ピストンを組んで、当店オリジナルの6速クロスミッション、それからTSSスリッパークラッチも組んでいます。ヘッド側はツインプラグ仕様になっていて、カムがWEBのST-2。オイルバイパスも備えています」とブルドック・和久井さんはいつものように内容を答えてくれる。オイルバイパスのラインはヘッド部、ツインプラグのコード類とともにメカメカしい雰囲気も醸し出してくれるが、機能面から見ても合理的だ。
「熱くなったエンジンの中を通さずにオイルをヘッドに回せますから、潤滑にも有利なんですよ」(和久井さん)ということだが、ブルドックにはさらにそれを支えるパーツがあった。オリジナルのオイルポンプだ。空冷Zの純正に同じギヤ式で、高い耐久性を持つ。その上で今や数十年という経年によって摩耗し、維持されなくなってしまった純正のスペックを正しく補う適正な吐出量を確保し、確実にオイルを循環させてくれる。
こうした合理性はこうしたパーツだけでなく、クランクシャフトという基準を元にしてエンジン各パーツの位置関係を正しく作り、車体各部もそれに合わせて車両ごとの最適位置を構築するというように、GT-M各車に共通。その合理性と理念が、自然な雰囲気も作り出しているのだ。
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Detailed Description 詳細説明
低く構えた車体にマッチしたビキニカウル/アルミタンクはマッコイ・ブランド。左右マスターはブレンボのRCSで、ミラーはマジカルレーシングだ。
ハンドルはセパレート。ワンオフカーボンパネルにはエンジン回転をアナログ指針で表示、速度等の情報を液晶画面で表示するスタックメーターを置き、インジケーターとヨシムラ・プログレスメーターも配置する。オーリンズ・ステアリングダンパーもステム上にセット。
すっと伸びてスマートな印象を作るシートカウルはマッコイで、このサイズでも上質な乗り心地を作るシートはマッコイ・スプリームだ。
前側ウインカーをオイルクーラー両脇にセットするのはブルドックではひとつの定番。リヤ側も同様にナンバーホルダー左右にセットする。
ブルドックが自社で内燃機加工も行うエンジンは、ピスタルレーシング製鍛造ピストンによって[純正値:1015→]1200cc化し、シリンダーヘッドはZ1000J系をベースとしてツインプラグ仕様に、カムはWEB ST-2でオイルバイパスラインも加えられる。ミッションはオリジナルのマッコイ6速クロスで、クラッチはマッコイ×TSSスリッパークラッチ、アウトボード&オフセットスプロケット等も組まれている。
キャブレターはヨシムラTMR-MJNのデュアルスタックファンネル仕様。ドレンボルトやファンネルはゴールドでアクセントを加える。
マッコイステムによって装着されるフロントフォークはナイトロン製で、インナーチューブ径はφ43mm。フロントブレーキはブレンボ・ラジアルマウントキャリパー+サンスターディスク、前後ホイールはBSTカーボンで[1.85-19/2.15-18→]3.50-17/6.00-17サイズだ。
リヤブレーキはブレンボCNCキャリパー+サンスターディスクの組み合わせ。ディスクマウントボルトはβチタニウムによる64チタンで、各部にも使われてカラーアクセントとともに軽量化も実現。マフラーはフルチタンのWin Mccoy Neoでゴールドカラーのサイレンサーをセットする。
リヤショックはナイトロンでリヤスプリングは車体色に合わせてホワイトを使う。スイングアームは7N01アルミ目の字断面材製ハンドメイドのマッコイで、カーボンインナーフェンダーも装着される。タイヤは現代17インチラジアルのブリヂストンS22を履く。
ステップはツーリング等でも後ろ過ぎず疲れにくいマッコイバックステップ(TYPE Ⅱ)で、リヤマスターシリンダーもマッコイのアイテムを装着する。