カワサキ「ゼファー」誕生ヒストリー

Kawasaki ZEPHYR 1989
総排気量:399cc
エンジン形式:空冷4ストDOHC2バルブ並列4気筒
乾燥重量:177kg
当時価格:52万9000円
等身大の扱いやすさが大ブームを巻き起こした
80年代、日本は空前のバイクブームに沸いた。メーカーは販売台数やレースの成績でライバルを超えるため、最新技術を投入して性能競争に明け暮れ、レーサーレプリカという怪物を生み出す。ライダーたちは高性能に熱狂し、その声に応えてモデルチェンジが繰り返された。しかし80年代が終わる頃、その人気に陰りが見え始める。
そんな時、カワサキが送り出したのがゼファーだった。

▲スタンダードなジャパニーズ・ネイキッドの代表というべきスタイリング。カワサキの伝統とモダンなデザインを巧みに融合している。
カウルのない70年代風スタイル、鉄フレームでツインショックの車体、非力な2バルブ空冷直4エンジン…ルックスもスペックも目新しさはないが、クラシカルで男っぽいスタイル、扱いやすく味わい深い走りといった、レプリカとは真逆な面が支持され、爆発的なヒットとなった。
そして兄弟モデルの750、1100も登場、さらに全メーカーを巻き込むブームとなり、ネイキッドというジャンルを確立させた1台だ。
1990年、1991年の月刊オートバイ企画「JAPAN BIKE OF THE YEAR」でも251~400ccクラスで1位に輝いている。
カワサキ「ゼファー」各部装備・ディテール解説

エンジンは79年の名車・Z400FX用として開発されものをルーツとする。96年に4バルブエンジンを搭載したゼファーχに進化。

前後17インチというホイール径や、フロントのダブルディスクブレーキなど、足回りには90年代的な造りが採用されている。
リアサスは古典的なツインショックだが、アルミ製のスイングアームやレイダウンされたショックでスポーティな走りを狙う。

初期型は異径速度計、回転計を組み合わせたモダンなデザイン。91年型からクラシカルな2連メーターに変更。
カワサキ「ゼファー」主なスペック
全長×全幅×全高 | 2100×755×1095mm |
ホイールベース | 1440mm |
最低地上高 | 120mm |
シート高 | 770mm |
乾燥重量 | 177kg |
エンジン形式 | 空冷4ストDOHC2バルブ並列4気筒 |
総排気量 | 399cc |
ボア×ストローク | 55×42mm |
圧縮比 | 9.7 |
最高出力 | 46PS/11000rpm |
最大トルク | 3.1kgf・m/10500rpm |
燃料タンク容量 | 15L |
変速機形式 | 6速リターン |
キャスター角 | 27° |
トレール量 | 104mm |
タイヤサイズ(前・後) | 120/70ZR17・180/55ZR17 |
ブレーキ形式(前・後) | ダブルディスク・シングルディスク |
当時価格 | 52万9000円 |