「時速300キロ」という言葉に夢を見た時代は確かにあった。各社メガスポーツ・ツアラーを開発・発売し、最速モデルの称号を奪い合っていたのだ。いま、メガスポーツ・ツアラーに求められることとはなんだろう? 新型ハヤブサと過去のモデルを見ながら考察していく。
まとめ:RIDE編集部

カワサキ Ninja ZX-14R HIGH GRADE

画像: Kawasaki Ninja ZX-14R HIGH GRADE 総排気量:1441cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 シート高:800mm 車両重量:269kg 発売:2019年11月 税込価格 ブラック:190万3000円 ホワイト:192万5000円

Kawasaki Ninja ZX-14R HIGH GRADE

総排気量:1441cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
シート高:800mm
車両重量:269kg

発売:2019年11月
税込価格
ブラック:190万3000円
ホワイト:192万5000円

大排気量の力強い走りはどこまでだって行けてしまう

かつてのZZR1400は、ちょっと頭を下げ、のんびりと全開にするだけで、平和に300km/hを越える力があった。これはこのZX-14Rでも同じで、むしろ、もっと気楽に、そんな速度域で平和な超ロングな旅もできる。しかも長いホイールベースをあまり意識させない自然なハンドリングを持っているからスポーティな走りも可能だ。

許容リーンアングルは一般的なネイキッドモデルよりずっと深いものの、やはりツーリングスポーツ、調子に乗って攻めるとカウルを擦ることがある。

画像: カワサキ Ninja ZX-14R HIGH GRADE

ちなみに、そんな走りも求めるなら、後継機種と言える、スーパーチャージャー搭載のニンジャH2 SXがある。スーパーチャージャーの加速は魅力だが、NAエンジンでしか味わえないものが14Rにはある。

それは、猛烈なパワー。

出力特性はどこからでもトルクが湧き出るフラットな性格。しかも図太いトルクをシルクのような滑らかさでダイレクトに取り出せる。たとえ6速・60km/hからでも、スロットルさえ開ければ瞬時に猛ダッシュするから油断はできない。すぐに猛烈な速度になってしまうからだ。これがメガスポーツらしさとも言える。

真っ直ぐも良し、コーナリングも良しな上に、あらゆる場面での加速は強く滑らか。そしてスロットルに対する反応は非常にダイレクト。これがこのバイクの本来の姿だ。

そんな力を街中から普通に扱える、超ハイスピード・ツーリングスポーツには、アドベンチャーツアラーでは味わえない面白さが詰まっている。これが辞められないというライダーがいるのも仕方ない。

画像: ▲280km/hのスピードメーターがその気にさせる。速度計と回転計が並び、その中央には多機能液晶パネルがおさまる。表示の切り替えは左ハンドルスイッチのボタンで行う。

▲280km/hのスピードメーターがその気にさせる。速度計と回転計が並び、その中央には多機能液晶パネルがおさまる。表示の切り替えは左ハンドルスイッチのボタンで行う。

ライディングポジション

画像: Kawasaki Ninja ZX-14R HIGH GRADE

Kawasaki Ninja ZX-14R HIGH GRADE

画像: SUZUKI HAYABUSA

SUZUKI HAYABUSA

どちらも大排気量エンジンを搭載するメガスポーツツアラーとして、堂々としたスタイリングは共通要素。ただし、ライディングポジションはハヤブサの方が少し前傾が強い印象だ。

Kawasaki ZX-14R HIGH GRADE 主なスペック・価格

全長×全幅×全高2170×780×1170mm
ホイールベース1480mm
最低地上高125mm
シート高800mm
車両重量269kg
エンジン形式水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量1441cc
ボア×ストローク84.0×65.0mm
圧縮比12.3
最高出力147.2kW(200PS)/10000rpm
最大トルク158.2N・m(16.1kgf・m)/7500rpm
燃料タンク容量22L
変速機形式6速リターン
キャスター角23.0 °
トレール量93mm
タイヤサイズ(前・後)120/70ZR17M/C(58W)・190/50ZR17M/C(73W)
ブレーキ形式(前・後)ダブルディスク・シングルディスク
メーカー希望小売価格
ホワイト192万5000円(消費税10%込)
ブラック190万3000円(消費税10%込)

カワサキ Ninja H2 SX SE+

画像: Kawasaki Ninja H2 SX SE+ 総排気量:998cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 シート高:820mm 車両重量:262kg 発売日:2019年10月15日 税込価格:282万7000円

Kawasaki Ninja H2 SX SE+

総排気量:998cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
シート高:820mm
車両重量:262kg

発売日:2019年10月15日
税込価格:282万7000円

まさかスーパーチャージャー搭載のツアラーが登場するなんて

オーバー300km/hの最高速勝負から約20年。スーパーチャージャー+電子制御サスペンションを搭載したハイパファーマンス・ツアラーが誕生した。

「SE+」は、Ninja H2 SX SEの装備に加え、KECS(電子制御サスペンション)をはじめフロントブレーキにブレンボ社製の「Stylema」を装備するなど、シリーズで最も進化を遂げた高性能ツアラーだ。

常用回転域ではマイルド、高回転ではケタ外れのハイパワーを発揮するセッティングのスーパーチャージドエンジン。タンデムやパニアケースを装着しての荷物積載を考えて強度アップしたリアフレームを専用設計している。

画像: カワサキ Ninja H2 SX SE+

高めのハンドル、低いシート、ステップにウィンドプロテクションの高いカウルで、クルージングは最高に快適。ハンドリングには安定性もあるが、動きはややクイック。それでいてエンジンが超絶馬力を絞り出すのだから乗ってて楽しくないわけがない!

長きに渡りメガスポーツを世に送り出してきたカワサキだからこそ作れるスーパーチャージド・ツアラー。楽しんで〝超〟長距離を走ることができる新時代ツアラーの代表格だ。

▲パワースペックこそ同じ200PSだが、H2とは異なり、新作のスーパーチャージャーを採用し、圧縮比アップなどエンジン本体も改良。扱いやすさと省燃費も獲得している。

画像: ▲カートリッジフォークやバランスフリーリアショックに電制セミアクティブ機構を搭載した「KECS」。ひとり乗り、ひとり乗りプラス荷物、タンデム+荷物の3モードに合わせて車高が変わる。他に、セミアクティブサスのモード、パワーモードやトラコン、ABSなどをパッケージで選べるライディングモード付きだ。これは「スポーツ」「ロード」「レイン」「マニュアル」の4モードで、「スポーツ」にしていてもサスの動きはソフトで非常にしなやか。快適に走る。

▲カートリッジフォークやバランスフリーリアショックに電制セミアクティブ機構を搭載した「KECS」。ひとり乗り、ひとり乗りプラス荷物、タンデム+荷物の3モードに合わせて車高が変わる。他に、セミアクティブサスのモード、パワーモードやトラコン、ABSなどをパッケージで選べるライディングモード付きだ。これは「スポーツ」「ロード」「レイン」「マニュアル」の4モードで、「スポーツ」にしていてもサスの動きはソフトで非常にしなやか。快適に走る。

Kawasaki Ninja H2 SX SE / SE+ 主なスペック・価格

全長×全幅×全高2135×775×1260mm
ホイールベース1480mm
最低地上高130mm
シート高820mm
車両重量260kg(SE+は262kg)
エンジン形式水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量998cc
ボア×ストローク76.0×55.0mm
圧縮比11.2
最高出力147kW(200PS)/11000rpm
最大トルク137N・m(14.0kgf・m)/9500rpm
燃料タンク容量19L
変速機形式6速リターン
キャスター角24.7°
トレール量103mm
タイヤサイズ(前・後)120/70ZR17M/C (58W)・190/55ZR17M/C (75W)
ブレーキ形式(前・後)デュアルディスク・シングルディスク
メーカー希望小売価格
SE244万2000円(消費税10%込)
SE+282万7000円(消費税10%込)

まとめ:RIDE編集部

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