あふれるトルクを活かす懐の深い走りは色褪せない

画像1: あふれるトルクを活かす懐の深い走りは色褪せない

ZX-14Rには「歴史」がある。ルーツは 2006年に登場したZZR1400。その前のZX-12Rから好敵手ハヤブサとの最強最速バトルを繰り広げ、その力と姿によって強烈な存在感をアピールしてきた。

今なら300㎞/hを越える最高速を誇るバイクは山ほどある。でも、その大半リッタークラスのSSだ。ライダーは目を三角にして伏せ、車体を気合いでホールドして全開にすることでその速度域に到達する。

でも、かつてのZZR1400は、ちょっと頭を下げ、のんびりと全開にするだけで、平和に300㎞/hを越える力があった。これはZX-14Rでも同じ。むしろ、もっと気楽に、そんな速度域で平和な旅ができる。

しかも長いホイールベースをあまり意識させない自然なハンドリングを持っているからスポーティな走りもできる。

画像2: あふれるトルクを活かす懐の深い走りは色褪せない

さらに、2016年に登場したオーリンズサスを装備するスペシャルエディションや、今回のファイナルエディションモデルは、フルバンクしているときに開けても車体がかなり耐えてくれる。

許容リーンアングルは一般的なNKモデルよりずっと深いものの、やはりツーリングスポーツ、調子に乗って攻めるとカウルを擦ることがある。まぁ、それはマシンのキャラをわきまえないライダーの方が悪いだろう。

ちなみに、そんな走りも求めるなら、後継機種と言える、スーパーチャージャー搭載のニンジャH2SXがある。スーパーチャージャーの加速は魅力だ。でも、NAエンジンの14Rでしか味わえないものがある。

これっぽっちもストレスを感じない猛烈なパワーだ。出力特性は、どこからでもトルクが湧き出るフラットな性格。しかも図太いトルクをシルクのような滑らかさでダイレクトに取り出せる。

画像3: あふれるトルクを活かす懐の深い走りは色褪せない

たとえ6速・60㎞/hからでも、スロットルさえ開ければ瞬時に猛ダッシュする。だから油断はできない。すぐに猛烈な速度になってしまうからだ。

かつて、路面のあまり良くないドイツのアウトバーンで、メーター読み270㎞/hくらいの速度で、伏せもせず、ふつうにクルージングしたことがある。

真っ直ぐも、コーナリングもできる上に、そこまでの加速、そこからの加速も強力で滑らか。スロットルに対する反応は非常にダイレクトだった。

これがこのバイクの本来の姿。そんな力を街中から普通に扱える、超ハイスピード・ツーリングスポーツなのだ。

Ninja ZX-14R HIGH GRADE 足つき性とライディング・ポジション
身長:176㎝/体重:68㎏

さしてハンドルは低くないが、遠めなので比較的前傾度は強め。スーパースポーツ並みに見えるが、ステップ位置が前目で上体を支えやすく、長距離ランでウデやコシへのストレスはずっと少ない。タンデムもしやすく、乗り心地もいい。

画像: Ninja ZX-14R HIGH GRADE 足つき性とライディング・ポジション 身長:176㎝/体重:68㎏

Ninja ZX-14R HIGH GRADE カラーバリエーション

画像2: 〈試乗インプレ〉Kawasaki「Ninja ZX-14R HIGH GRADE」有終の美を飾る、カワサキ最強のメガスポーツ

メタリックディアブロブラック×ゴールデンブレイズドグリーン

画像3: 〈試乗インプレ〉Kawasaki「Ninja ZX-14R HIGH GRADE」有終の美を飾る、カワサキ最強のメガスポーツ

パールブリザードホワイト×メタリックスパークブラック×キャンディーファイアレッド

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    メタリックディアブロブラック×ゴールデンブレイズドグリーン
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    パールブリザードホワイト×メタリックスパークブラック×キャンディーファイアレッド
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    メタリックディアブロブラック×ゴールデンブレイズドグリーン
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  • 画像7: 〈試乗インプレ〉Kawasaki「Ninja ZX-14R HIGH GRADE」有終の美を飾る、カワサキ最強のメガスポーツ
    パールブリザードホワイト×メタリックスパークブラック×キャンディーファイアレッド
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Ninja ZX-14R HIGH GRADE 主なスペックと価格

全長×全幅×全高 2170×780×1170㎜
ホイールベース 1480㎜
シート高 800㎜
最低地上高 125㎜
車両重量 269㎏
エンジン形式 水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量 1441㏄
ボア×ストローク/圧縮比 84×65㎜/12.3
最高出力 200PS/10000rpm
最大トルク 16.1㎏-m/7500rpm
燃料供給方式/燃料タンク容量 FI/22L
キャスター角/トレール量 23度/93㎜
変速機形式 6速リターン
ブレーキ形式 前・後 φ310㎜ダブルディスク・φ250㎜ディスク
タイヤサイズ 前・後 120/70ZR17・190/50ZR17
税込価格:190万3000円(ブラック)/192万5000円(ホワイト)
発売:2019年11月

Ninja ZX-14R HIGH GRADE 各部を解説

画像: 超高速走行のためにデザインされた、空力特性に優れた形状のボディラインが印象的なZX-14Rのスタイリング。

超高速走行のためにデザインされた、空力特性に優れた形状のボディラインが印象的なZX-14Rのスタイリング。

画像: カウルの側面に配置された4本のルーバーが、存在感の強いスタイリングの中でも大きなアクセントとなっている。

カウルの側面に配置された4本のルーバーが、存在感の強いスタイリングの中でも大きなアクセントとなっている。

画像: 独特なデザインのテールカウル、サイレンサー、そして190サイズのタイヤが堂々たる雰囲気のリアビューを形成する。

独特なデザインのテールカウル、サイレンサー、そして190サイズのタイヤが堂々たる雰囲気のリアビューを形成する。

画像: 排気量1441㏄の水冷直4エンジン。大排気量を活かした広いパワーバンドと強大なトルクで、強烈な加速を可能とする。

排気量1441㏄の水冷直4エンジン。大排気量を活かした広いパワーバンドと強大なトルクで、強烈な加速を可能とする。

画像: フロントマスク中央に吸気口を備えるラムエアダクト。ダクトは左右に分かれ、フレーム側面からエアクリーナーにつながる。

フロントマスク中央に吸気口を備えるラムエアダクト。ダクトは左右に分かれ、フレーム側面からエアクリーナーにつながる。

画像: 4眼デザインのプロジェクターヘッドライトによって、インパクトのあるフロントマスクデザインを演出。

4眼デザインのプロジェクターヘッドライトによって、インパクトのあるフロントマスクデザインを演出。

画像: テールカウルの後部に埋め込まれたスポーティなV字型デザインのテールランプ。光源にはLEDが採用されている。

テールカウルの後部に埋め込まれたスポーティなV字型デザインのテールランプ。光源にはLEDが採用されている。

画像: リアブレーキはφ250㎜ローターに対向2ピストンキャリパーを組み合わせる。ホイールは軽快な10本スポークデザイン。

リアブレーキはφ250㎜ローターに対向2ピストンキャリパーを組み合わせる。ホイールは軽快な10本スポークデザイン。

画像: インナーチューブ径Φ43㎜の倒立フロントフォーク、フロントブレーキはブレンボ製のM50鋳造モノブロックキャリパー。

インナーチューブ径Φ43㎜の倒立フロントフォーク、フロントブレーキはブレンボ製のM50鋳造モノブロックキャリパー。

画像: マフラーは左右2本出し。サイレンサー容量を確保しながら、五角形断面とすることで充分なバンク角を確保している。

マフラーは左右2本出し。サイレンサー容量を確保しながら、五角形断面とすることで充分なバンク角を確保している。

画像: リアサスはオーリンズ製のTTX39を採用。高精度で動作性に優れ、細かなセッティングが可能なフルアジャスタブルタイプ。

リアサスはオーリンズ製のTTX39を採用。高精度で動作性に優れ、細かなセッティングが可能なフルアジャスタブルタイプ。

画像: 大きく着座位置の自由度の高いシート。後端に格納式荷掛けフックを備え、タンデムグリップにも荷掛けフックを装備。

大きく着座位置の自由度の高いシート。後端に格納式荷掛けフックを備え、タンデムグリップにも荷掛けフックを装備。

画像: シート下には車載工具を入れる小さなボックスと、ETC車載器を装備できる大きさのスペースが設けられている。

シート下には車載工具を入れる小さなボックスと、ETC車載器を装備できる大きさのスペースが設けられている。

画像: 速度計と回転計が並び、その中央には多機能液晶パネルがおさまる。表示の切り替えは左ハンドルスイッチのボタンから行う。

速度計と回転計が並び、その中央には多機能液晶パネルがおさまる。表示の切り替えは左ハンドルスイッチのボタンから行う。

文:宮崎 敬一郎、月刊オートバイ編集部/写真:南 孝幸

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