コンフォートで乗りやすくというテーマをさらに具体化

2019年5月末に発売された現行KATANA。その本質を引き出しつつ、軽量化や作動や操作感を含めた上質化を図るオリジナル“バージョンアップコンプリート”によって’20年春に“シン・ハガネ”という名前の車両を製作したテクニカルガレージRUN。発表後にユーザーからの製作オーダーも次々と入り、製作が続いている。

写真はその初号機であり、同店代表・杉本さんの車両である1台。既に製作直後にも紹介しているが、「完成から半年経って、車両とより仲良くできるようになったんです」と撮影時、’20年末時点で杉本さんは言う。

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「完成(その時点でも多くのテストとセットアップが施されている)後に、サーキットに近場にツーリングに…と車両に乗り込んで、自分で思っていたネガの部分がつぶせたんです。それでよりリニアに乗れて、曲がれて、コントロールできるようになった。完成時点でも十分だったものが、もっと乗りやすく、身近で頼れる相棒的な印象が高まった」

ネガの部分を潰した変更点は具体的には①シート内部、②ステップのバー位置、③スロットルホルダーなどだという。

「シートは盛るところと削るところを本当に微調整していって、ノーマルから4つ目でベストになりました。身体のホールド性とマシンのコントロール性、あと足着き性が良くなっています。

ハンドルバーは当初からノーマルでした。ここも変えてしまうと変わる箇所が増えて、ノーマルとの比較もしにくくなるので、ノーマルバーを基準点にしたんですね。それでスロットルは試作のハイスロットルにしていますが、これはこのシン・ハガネの特性によリ合った。ステップバーについては元から作っていたアジャスト位置(5ポジション)の中で改めて選んだ。

このステップのように、アジャストできるパーツを使えていたことが大きいんです。サスペンションなどでも同じ。だから“もう少し”と感じていた部分を調整していけた。もちろんこれはお客さんにもフィードバックできます。普段どう乗っているか、どんな使い方をしているかを教えていただければ、そこに合わせますよ」

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ただ作るだけでなく、ユーザーの使い方や乗り方に合わせたセッティングを施して完成というバージョンアップコンプリートの特長が正しく現れた形。バージョンアップコンプリートの、さらにバージョンアップと言うべき今のシン・ハガネ。ちなみに、この後のオーダー製作車両にも同様の内容が盛り込まれるとのことだ。

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TG-RUNステアリングステムKITは純正ハンドルのままでマウント位置を約5mmアップ/10mmバックでき、ライディングポジションを変えて操縦安定性を大きくアップ。GSX-R1000R用オーリンズフォーク等が組めるほか、ノーマルフォーク対応のトップブリッジ単品もある。

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ブレンボ・フロントマスターシリンダーやゲイルスピード・クラッチホルダーは作動を上質にするためのマストアイテムという。撮影時、スロットルホルダーはテスト中だったが、開度変化率をシン・ハガネに合わせている。こうした部分で車両へのフィット性は高まるのだ。

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TG-RUNライディングステップキットは5ポジションで車両との一体感を高めてくれるアイテム。今回、このバー位置をシン・ハガネ製作当初から変更したという。

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シートはノーマル含め4つめの仕様変更でスポーツ走行からツーリングまで快適性をベスト化。TG-RUNスポーツ&コンフォートシート(要シート持ち込み。表皮のカラー/パターン、生地変更含め受け付ける)としてKATANA用に販売していて、人気の高い製品となった。

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フルアジャスタブルのオーリンズ倒立フォーク、ブレンボ・レーシングキャリパー+サンスターディスクのブレーキやアルミ鍛造のマルケジーニM7RSホイール等はオールラウンド性を高め、軽く、タッチが良くて身近に扱える点で、あらゆるユーザーが良さを体感できるもの。

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JMCA認定でジェントルな音質のケイファクトリー・CLR-RG+フルエキ ヘキサゴンサイレンサーやTG-RUNワンオフのフェンダーレスキット、RK・520サイズチェーン、マジカルレーシング製前後フェンダー等も備えるシン・ハガネ。前後ホイールはマルケジーニの7RSホイールで、3.50-17/6.00-17サイズを履く。

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リヤのオーリンズショックもフルアジャスタブルタイプをチョイスする。車両の仕様や使い方に合わせたセットアップにより、日常使いからその良さが味わえるからだ。

取材協力:テクニカルガレージRUN

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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