250ccクラスでこの数年の販売台数トップに君臨しているレブル250。そのスタイルをそのままに並列2気筒1082ccエンジンを搭載したレブル1100がこの春登場した。先行して発売されたDual Clutch Transmission搭載モデルを伊藤さんがインプレ。ご本人はミッション仕様の方に興味があったみたいですが…。
語り:伊藤真一/まとめ:宮﨑健太郎/写真:松川 忍/モデル:大関さおり

こだわってマニュアルを選ばなくて良いかも?と思わせる、絶妙なレブル1100のDCT設定

前後のブレーキが使いやすくて、タイヤのマッチングもとても良い。だからすごく気持ち良く、自信を持って峠道を走れますね。

あとレブル1100は4気筒よりも振動が大きくなりがちな並列2気筒を積んでいますが、ハンドルは振動対策を意識したラバーマウントではなく、リジッドマウントになっています。この仕様も操作のダイレクト感に結びついて、とても好ましい感触でした。

サスペンションについては、250、500では路面の悪い場面でリア側から突き上げを少し感じることがありましたが、1100ではそのようなことはありませんでした。

またクルーズコントロールを使ったときに両手のグリップを握る力を弱めても、小さい段差を越えたときに外乱で車体が振られることがなかったです。

画像1: ホンダ「レブル1100 DCT」インプレ(伊藤真一)

車体のジオメトリーとフォークの作動性と、タイヤのマッチングが良いのでしょう。フォークのインナーチューブには酸化チタンコートが施されていますが、これはスタイリングを引き立たせる効果も抜群ですね。

レブル1100のスタイリングは250、500同様のコンセプトですが、1100が一番カッコいいと思います。自分が注文したMTは黒ですが、今回乗った赤も良いですね。今から急いで販売店に電話して、赤に変えてもらおうかな(笑)。

エンジンのベースとなったアフリカツインは全く振動がなくて、低回転から高回転まですごく綺麗に回るエンジンというフィーリングですが、レブル1100のエンジンはバルブタイミングやフライホイールマスなどを変えることで、クルーザーらしいパルス感をうまく与えていますね。

▲写真のライダーは大関さおり。

1100はレブルシリーズで唯一スロットル・バイ・ワイヤを採用していますが、右手の動きに直結したような感じで操作感は良かったです。

スロットル・バイ・ワイヤを使うことで、細かなエンジン制御ができるようになりますが、スポーツモードとスタンダードのモードを比較したとき、スーパースポーツ車のモード切り替えのときのようにパワーが大きく変わるというのはなかったですね。レブル1100DCTの場合は、シフトの仕方が変わることの印象が強いです。

DCTは開発時、変速の設定がとても難しかったと思います。いろんな人が乗って、違和感を覚えないように作り込みしないといけませんから。レブル1100DCTは坂の下りで勝手にシフトアップするようなことはもちろんなく、気持ち良く楽に走れるようにできています。

自分がレブル1100のMTを選んだのは、若い頃からずっとバイクに乗ってて足動かしてシフト操作をすることが体に染み付いちゃっているからなのですが、楽に乗りたいという人がDCTを選ぶのはよくわかります。このレブル1100のDCTの出来ならMTを選ばなくても良いと思います。

DCTのマニュアルモードでは、左手の人差し指と親指でアップ・ダウンのスイッチをそれぞれ操作するのですが、ちょっとやりづらいかな、と感じました。大関さおりさんもスイッチが遠く感じると言ってましたね。

スタイリングがカッコ良く、走りも素晴らしく楽しいレブル1100はお買い得な1台!

坂道の上りではIMUがシフトアップするのをやめますが、シフトアップしたいときに直感的にサッと操作できませんでした。親指だけで操作できるようにシフトアップ・ダウンのボタンの位置を変えても良いのでは…とも思いましたが、まぁそれはオーナーになった方なら、使っているうちに慣れて解消する問題だと思います。

あとこれはDCT車に乗ったときいつも思うのですが、左手レバーでリアブレーキを操作できたらすごく良いのに…と今回も思いました。もしくはDCTとコンビブレーキを組み合わせたら、安全性が増して良いとも思いますが、それで価格が上がったら皆が喜ぶかという問題があるので難しいですね…。

慣れといえば、デイトナさんのテストコース走ったとき、パーキングブレーキを解除し忘れて全開で走ってしまったんです(苦笑)。取材スタッフは、パーキングブレーキレバーの色を変えたりして、もっと存在を意識させた方が安全と主張してましたが、自分はパーキングブレーキについてもオーナーならばすぐに慣れる! と思います。

これはレブル1100に限らず、レブルシリーズに試乗したときいつも感じるのですが、ハンドルが遠いので小柄な方は前寄りに座ってしまうと思います。自分でも、もうちょっとリアタイヤの上寄りに乗りたいイメージです。

逆にステップはもうちょっと前寄りの方が、膝が窮屈じゃなくて良いなと感じましたが、小柄な人が乗ることを想定すると今の位置が妥当なのかもしれません。その辺りはハンドルバーを交換するなどで、オーナーになった方がカスタムとして楽しむと良いのでしょう。

画像2: ホンダ「レブル1100 DCT」インプレ(伊藤真一)

レブル1100は走らせてとても楽しく、スタイリングもカッコ良くて、所有感を満足させてくれる一台ですね。個人的に今欲しいホンダ車のベスト3に入りますよ。まぁ実際に買っていますが(笑)。

自分のMTモデルにはオプションのスペシャルメインシート、ヘッドライトカウル、あと2人乗りもすると思うのでバックレストを付けようと思ってますが、ETC2.0車載器、クルーズコントロール、そしてグリップヒーターが標準で付いている大型クルーザーモデルが、この価格で買えるということはすごいことだと思います。

大関さんもレブル1100をとても気に入っているみたいですが、「大関さんもレブル1100に乗り換えちゃったら? 」と勧めてしまいました(笑)。

This article is a sponsored article by
''.