TOTスピリッツに沿ってキャブ&ツインショックでレースに挑む
現役の全日本ロードレース・トップライダーでありながら、’18年からはTaste of Tsukuba参戦も行う加賀山就臣選手。そのTOT参戦用マシン、“カガヤマ カタナ1000R(1号機)”は、空冷カタナの鉄パイプフレームに現代のGSX-R1000用エンジン+FI、足まわりを備えた構成を持っていた。そして’18年春のTOT SATSUKI STAGEでデビューウインを遂げる。同年秋のKAGURADUKI STAGEにはカガヤマ カタナ1000Rは2号機となって、ふたたび優勝した。
「1号機は手探りで作ったんです。2号機は新しいアイディアを試してみたくて、リヤサスをプロアームに、マフラーもセンターアップにしてみました。それで3号機は、もっとTOTの持つスピリッツの原点に迫ってみたくて、新しい方向に踏み出してみたんです」(加賀山さん)
そして’20年秋のKAGURADUKI STAGEに出現した3号機は、前2台と異なる、まさかのキャブレター仕様、まさかのツインショック車両となっていた。これは実は加賀山さんにとっても初体験の領域。
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「僕がテストライダーを始めた時には、レーサーはとっくにモノサスでFI、キャブレター車なんて20年ぶりです。この両方でどんなバイクになるのか想像もつかなかったくらい」
と、3号機では1号機や2号機よりもセットアップに苦しんだ。特に、加賀山さんをもってしても「経験がない」というツインショックの煮詰めには腐心したという。
「2号機までにはなかった、モノサスにすれば解決する内容に対してです。でもこれは面白いと思ったし、それが難しかった。キャブレター化は、セッティングと言うよりも、インジェクション車に装備されている電気系統のエラーコードの解析から始めなきゃならなかったんだから(笑)。テストライダー時代くらい勉強になりましたね。3号機はまだまだ伸びしろがあります!」
加賀山さんのTOT・3レース目は、ハーキュリーズの強豪・#29パワービルダー・ニンジャ&山根光弘選手とスーパーチャージドの#414Ninja H2R&光元康次郎選手に先行されての3位となった。これを元に3号機での復活優勝と4号機製作が視野に入ったという加賀山さん。そこにはなにがしかのチャレンジ要素も加えられるだろうから、カタナ/KATANAファンならずとも、楽しみにしたい。
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Detailed Description 詳細説明
![画像1: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2021/05/10/21c6525669ab57770b2a96dee41c6c0d6d14c1c0_xlarge.jpg)
空冷カタナノーマルルックの市販カウルに空冷カタナノーマルのスクリーンをセット。ゼッケンの77は77が漢字の“刀”に見えることからチョイス、申請したという。
![画像2: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2021/05/10/7eef9f162e9667a7303b21895b0020759c5525db_xlarge.jpg)
ハンドルはセパレートでメーターはGSX-R1000とトップブリッジ上のAIM多機能メーターの組み合わせ。左右マスターはブレンボ製を装着する。
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純正のFIから換装されたのはミクニTMRキャブレターのダウンドラフト版、TDMR。左リンクでスロットルワイヤが左から回るのは空冷カタナらしさを彷彿させる。当然、インジェクションからすんなり換装できるわけなどなく、電気系統のエラーコード解明からの戦いだったという。
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エンジンはGSX-R1000で、エンジンマウント部などをオリジナル製作した上で積んでいる。フレームはTOT精神に則った鉄パイプ製だ。
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この3号機でツインショック仕様となったリヤサスまわり。ショックユニットはアラゴスタ。アッパーマウント部にも苦心の跡が分かるだろう。
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スイングアームピボットやエンジンマウント部はオリジナル製作して、国産他モデル加工流用のアルミスイングアームをセットしている。なお前後ホイールはマグネシウム鍛造のJB MAGTANを履いている。