ホンダの新型PCXは、原付二種のエンジン車「PCX」、排気量156ccの「PCX160」、ハイブリッドモデルの原付二種「PCX e:HEV」がラインアップされている。直線のテストコースで0-100mの加速対決を行なった。最速モデルの称号はどのPCXに!?

※記事内のデータは全て実測値。
※計測時は全車アイドリングストップOFFで発進。
※写真はテスト時のものではなく、公道走行シーンとなります。

「PCX」「PCX160」「PCX e:HEV」0-100m加速対決

① PCX

画像: 総排気量:124cc 最高出力:12.5PS/8750rpm 最大トルク:1.2kgf・m/6500rpm 車両重量:132kg メーカー希望小売価格:税込35万7500円

総排気量:124cc
最高出力:12.5PS/8750rpm
最大トルク:1.2kgf・m/6500rpm
車両重量:132kg

メーカー希望小売価格:税込35万7500円

0-100mタイム:7.322秒
100m地点での速度:70.71km/h

発進から70㎞/hあたりまで一定の加速力という感じだが、データを分析すると50km/hまでのダッシュを重視した設定だと判る。70km/hを超えると速度上昇の勢いが鈍るものの、実用上の不満は感じない。市街地走行にマッチしたスムーズで快適な加速特性だ。

② PCX 160

画像: 総排気量:156cc 最高出力:15.8PS/8500rpm 最大トルク:1.5kgf・m/6500rpm 車両重量:132kg メーカー希望小売価格:税込40万7000円

総排気量:156cc
最高出力:15.8PS/8500rpm
最大トルク:1.5kgf・m/6500rpm
車両重量:132kg

メーカー希望小売価格:税込40万7000円

0-100mタイム:6.756秒
100m地点での速度:73.89km/h

プラス32ccの排気量で発進から圧倒的に速いと思ったが、30km/hまではPCX(125)とほぼ同等。50km/hあたりから差が付きはじめ、70km/hを越えても加速が鈍らず、100km/hを越えて伸びていく。流れの速い郊外の一般道、都市高速に合った設定になっている。

③ PCX e:HEV(Dモード)

画像: 総排気量:124cc 最高出力:エンジン=12.5PS/8750rpm/モーター=1.9PS/3000rpm 最大トルク:エンジン=1.2kgf・m/6500rpm/モーター=0.44kgf・m/3000rpm 車両重量:136kg メーカー希望小売価格:税込44万8800円

総排気量:124cc
最高出力:エンジン=12.5PS/8750rpm/モーター=1.9PS/3000rpm
最大トルク:エンジン=1.2kgf・m/6500rpm/モーター=0.44kgf・m/3000rpm
車両重量:136kg

メーカー希望小売価格:税込44万8800円

0-100mタイム:6.958秒
100m地点での速度:71.19km/h

メーター内にあるアシストレベル表示を見ると、発進した瞬間からアシストが効き、60km/hを超えると徐々にアシストが抜けていく。しかしそれを体感するのが難しいほどスムーズな制御。PCX160に近い加速フィーリングで、普段使いならこのモードが乗りやすい。

④ PCX e:HEV(Sモード)

画像: ④ PCX e:HEV(Sモード)

0-100mタイム:6.638秒
100m地点での速度:74.60km/h

ゼロ発進では動き出しから30km/h程度まで押し出されるように加速し、アシストの効果を感じられる。0-100m加速では最速だが、70km/hからは160の方が速く、いったんスロットルを閉じ再び開けてアシストを効かせても加速力アップは感じられなかった。

結果 一覧表

0-100mタイム100m地点での速度
PCX7.322秒70.71㎞/h
PCX1606.756秒73.89㎞/h
PCX e:HEV(Dモード)6.958秒71.19㎞/h
PCX e:HEV(Sモード)6.638秒74.60㎞/h

テストライダー太田安治の感想

画像: PCX e:HEVのメーター。液晶内の左側の[S]はSモードを示す。

PCX e:HEVのメーター。液晶内の左側の[S]はSモードを示す。

意外に健闘したのは「PCX e:HEV」のSモード

新型PCXの3モデルを同じルートで乗り換え試乗すると、当然ながら排気量の大きいPCX160がパワフル。スタートダッシュならPCX e:HEVもひけは取らない、と感じた。

GPSロガーを使った0-100m加速データ検証でも同様の結果となったが、意外だったのはe:HEVのSモードが160よりも速かったこと。これは4000〜5000回転でモーターアシストが最大限に働いた結果だ。

ただし、さらに高い速度域になるとアシストが切れて160に置いていかれる。このあたりは高速道路走行の可否を考えてセッティングされているようだ。テストは平坦路で行ったが、負荷が大きい登り坂ならe:HEVが最速という可能性もある。

文:太田安治、オートバイ編集部/写真:南孝幸

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