走行可状態で200kgを切る軽さは大きな魅力
乾燥重量241kgだから、走行可能な装備重量で260kg前後。ノーマルのカワサキZ1は、このスペック以上に軽い印象がある。ただ、現代のモデルでは作りを洗練することや素材の使い方や進化等で軽量化が進んでいる。例えばZと同じカワサキ、水冷ネオレトロのZ900RSでは車両重量215kg。スーパーチャージドモデルのZ H2では240kg。このあたりがリッタークラスの標準と言っていいだろう。
そこでこのブライトロジックによるZ1だ。元々は’18年の東京モーターサイクルショー、オーリンズブース出展のために作られていた。同時展示のZ900RSカスタムとで新型用・旧車用/正立・倒立のフォーク形式を対比させての展示。
軽さを思わせるパーツとしてはマグネシウム鍛造のMAGTAN JB4ホイールが見えるが、それ以外はオーソドックスな構成。しかし、同店・竹中さんが教えてくれる数字は驚きの「走行可能状態で200kg切ってます」。冒頭の数字から言えば60kg以上軽い。
「とにかく軽くて、すいすい走れます。タンクはビーターさんのアルミ、マフラーはオリジナル4-1。ほかにパーツとしてはウチでZを作る時に定番になっているモリワキのアルミ角スイングアーム、同じくモリワキステップ。それ自体でも軽いですけど、取り付けや作動の精度がいいですから、これによって取り回しも、もちろん走りも軽くなります」(同)と、重量面以外での軽さも挙げてくれる。
軽くなれば同じパワーも有効に活用できるし、サスなど各部の作動にも有利(スイングアーム作動の軽さはサスセッティングもより有効にする)になり、同時に負担も減る。軽さは同店でZや同世代のスズキGS、カタナを仕立てる時にも、現代バイクを仕立てる時にも意識されていることだ。しかも、ただ軽くするだけでなく、芯を外さない配慮もされている。単に軽くしただけではバランスが崩れることもあるのだが、同店の車両にはそれはない。そこにも注目しておきたい。
もうひとつ、こだわったというグリーンでの火の玉カラーは’80年代から日本のトップ・ペインターとして活動してきたブラッシュファクトリー・平井さんによるもの。そのカラー、そして前述したようなシンプルな車両の作りは大いに魅力だ。“現代版Z”を目標としたZはもちろん多数ある。その中でもこのZは、筆頭格と言っていい1台だ。
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