減っていくベース車にも技術進化で対応

「この車両(RCM-506)、オーナーさんは20代と若い方。じつはお父さんがRCM(リアル・コンプリート・マシン。ACサンクチュアリーが手がけるフルオーダーメイドの17インチ・コンプリートカスタム車)のZ1を持ってらして、それを見て自分も、とオーダーされたんですよ」(ACサンクチュアリー/代表・中村さん)というMk.Ⅱ。見本となったRCM・Z1同様に17インチ仕立てで、その上で各部パーツやそのカラーをクール目にチョイスしているのが印象的な1台となっている。

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ところで同店コンプリートカスタムのRCMは’70~’80年代車両をベースにしているが、現状では空冷Z系車両がその95%を占めるという。Z人気、衰えずなのだが……。

「少し前からベース車両が減っているという話はしてきたのですが、今(話を聞いたのは2020年夏)ではそれがより顕著になっています。最悪、あと数年と言うより1、2年でなくなってしまってもおかしくないくらい。

きれいに仕上げられたノーマル車両は市場にはまだまだあるんですが、それも価格が高い。それがRCMの場合は、極端に言えばエンジンとフレームがしっかりしていればいいんです。その両者に対してきちんとしたレストアとスープアップを行い、足まわりや外装などはすべて現代のパーツで構成し直すわけですから。

調達する車両の価格が高いと、それは製作費、完成車の価格の高騰にもつながります。そこはできるだけ避けたい。ただ、今はお客さんの持ち込み車がベースになることも増えているんです。もう10年動かしてないので、車両を起こしてやるついでに、この機にRCM化したいというような感じです。

加えて、RCMを作る技術も進んでいるんです。クランクを取ってみても、フルリビルドすることが増えました。これは、芯出しだけで済まない位相ずれのある個体が増えたことへの対策です。同時にクランクベアリングも交換できて、より延命できることになります。これは一例ですが、こうした技術の進化は各部分にあります。それが集まって、RCMの完成度自体は年々高まってます。それもベース車減少への対応と言えるかも知れません」(中村さん)

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RCM化することでしっかり走れることは間違いない。それに、車両価値も高まる。そうしたことを理解しての、持ち込みベース車の増加。今後は車両探しからよりも、こうしたケースが多数になるかもしれない。いずれにしても、Zとカスタムを楽しむという手法にはまだまだ、先はある。

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ステムはスカルプチャー・SPステムキットTYPE-1。Mk.Ⅱノーマルのメタリックブルー×ゴールド子持ちラインは奥進がリペイント。

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ハンドルバーはPOSHスーパーロー。クラッチは油圧駆動化し、左右マスターシリンダーはブレンボRCSでブレーキラインはアレーグリ・ショルトシステムによって不足せず、弛まずといった部分を車両ごとにきっちり合わせている。この車両ではETC車載器も装備される。

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シートはデイトナRCMコンセプトシート。フレームはリヤサスのレイダウン部加工/補強も含めたサンクチュアリーオリジナルST-Ⅱ補強によって12カ所を補強、ワイドタイヤに対応しつつ強度を損なわないチェーンラインインライン処理やワイドレイダウン加工も行う。

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エンジンはパワーも出しながら耐久性も意識したライフパッケージメニュー。ピストンはφ72mmのピスタルレーシング製で[1015→]1075cc仕様(ストロークはノーマル66mm)化し、シリンダーはボーリング/ホーニング、バルブはガイド入れ替え後にHFバルブに変更、シートカット加工。クラッチはハウジングをZ1000Pコンバート、クランクケースにはポンピングロス低減加工などが行われている。

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タンデム側含めてステップはナイトロレーシング。ドライブチェーンはEXの530RCM。クラッチレリーズプレートKITはZ系用TYPE-2だ。

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キャブレターはこのところZ系のRCMでは定番化しているTMR-MJN。ここではφ38mmボアのデュアルスタックファンネル仕様を装着。

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フロントフォークはナイトロンNTR43で、フロントブレーキはブレンボ4ピストンキャリパー+RCMコンセプトディスクφ320mmディスクの組み合わせ。

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排気系はナイトロレーシング・4in1手曲げチタンEXマフラー・ヒートポリッシュ+同ストレイトチタンV-1サイレンサー320mmを接続。リヤブレーキはブレンボ2ピストンキャリパー+サンスターディスク。リヤショックユニットはナイトロン・ステルスツインだ。

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前後ホイールはアルミ鍛造のO・Zレーシング GASS RS-Aで3.50-17/5.50-17サイズ。スイングアームはスカルプチャーRCM専用ワイドタイプ+Type-Bスタビライザーで、ガンコート処理によるブラック仕上げとして車体側のトーンを統一している。

取材協力:ACサンクチュアリー

まとめ:ヘリテイジ&レジェンズ

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