1924年に創業した老舗モーターサイクルブランド「メグロ」が、50年以上の時を経て復活を果たした。その名も「K3」。大排気量、高性能で羨望の的だった高級モーターサイクルブランドの輝かしい伝統を継承するにふさわしい上質な仕上がりで、いま、令和の道を走り出す。
2021年2月1日に全国のカワサキプラザで販売開始!
まとめ:オートバイ編集部/写真:南 孝幸、カワサキ

カワサキ「メグロK3」各部装備・ディテール解説

画像: 燃料タンクのメッキに見える部分は、Ninja H2でも使用された銀鏡塗装。ブラックを下地に配したミラーコートで、角度によって表情を変える。

燃料タンクのメッキに見える部分は、Ninja H2でも使用された銀鏡塗装。ブラックを下地に配したミラーコートで、角度によって表情を変える。

画像: 銀鏡塗装はコート塗装の時間や加減によって発色が変わってくるため、メグロでは厳しいコントロールで高い質感を維持している。

銀鏡塗装はコート塗装の時間や加減によって発色が変わってくるため、メグロでは厳しいコントロールで高い質感を維持している。

画像: アルミプレートをプレスしたのち、全部で5色ある塗料をそれぞれのパートに注射器で流し込むことで制作されるバッジ。手間を惜しまない、職人の仕事だ。

アルミプレートをプレスしたのち、全部で5色ある塗料をそれぞれのパートに注射器で流し込むことで制作されるバッジ。手間を惜しまない、職人の仕事だ。

画像: W800譲りの空冷SOHCバーチカルツインは、ベベルギアカバーにレッドのワンポイントが入り、特別感をアピールしている。

W800譲りの空冷SOHCバーチカルツインは、ベベルギアカバーにレッドのワンポイントが入り、特別感をアピールしている。

画像: クラシカルで伸びやかなフォルムとするために、ハンドルバーはW800ストリート用の、ブラック仕上げのワイドバーを装着。

クラシカルで伸びやかなフォルムとするために、ハンドルバーはW800ストリート用の、ブラック仕上げのワイドバーを装着。

画像: スタンダードのタックロールシートではなく、プレーンな表皮を採用。後端部にはあえて「Kawasaki」のロゴを残している。

スタンダードのタックロールシートではなく、プレーンな表皮を採用。後端部にはあえて「Kawasaki」のロゴを残している。

画像: ホワイトの文字盤は専用品。スピードメーター下部にはメグロのロゴも入る。メーターベゼルは黒色酸化皮膜処理を施したもの。

ホワイトの文字盤は専用品。スピードメーター下部にはメグロのロゴも入る。メーターベゼルは黒色酸化皮膜処理を施したもの。

画像: 最新のバイクらしく、ヘッドライトは明るさに優れるLEDヘッドライトを採用。ウインカーはレトロな電球タイプだ。

最新のバイクらしく、ヘッドライトは明るさに優れるLEDヘッドライトを採用。ウインカーはレトロな電球タイプだ。

画像: サイドカバーには小さく「メグロ」のロゴをレッドで配置。往年のメグロ車は、このロゴがクランクケースに入っていた。

サイドカバーには小さく「メグロ」のロゴをレッドで配置。往年のメグロ車は、このロゴがクランクケースに入っていた。

画像: 往年のメグロテイストを表現するため、リアショックにはカバーを追加。ショックユニット自体はW800のものと同じだ。

往年のメグロテイストを表現するため、リアショックにはカバーを追加。ショックユニット自体はW800のものと同じだ。

画像: ホイールやブレーキはベースのW800のものと同様。ABSを標準装備しているあたりに、K3が最新モデルであることの証が見える。

ホイールやブレーキはベースのW800のものと同様。ABSを標準装備しているあたりに、K3が最新モデルであることの証が見える。

画像: リアホイールやキャブトンタイプのマフラーもW800譲り。現行型からW800はリアブレーキもディスク化された。

リアホイールやキャブトンタイプのマフラーもW800譲り。現行型からW800はリアブレーキもディスク化された。

カワサキ「メグロK3」主なスペックと価格

全長×全幅×全高2190×925×1130mm
ホイールベース1465mm
最低地上高125mm
シート高790mm
車両重量227kg
エンジン形式空冷4ストSOHC4バルブ並列2気筒
総排気量773cc
ボア×ストローク77.0×83.0mm
圧縮比8.4
最高出力38kW(52PS)/6500rpm
最大トルク62N・m(6.3kgf・m)/4800rpm
燃料タンク容量15L
変速機形式5速リターン
キャスター角27゜
トレール量108mm
タイヤサイズ(前・後)100/90-19M/C 57H・130/80-18M/C 66H
ブレーキ形式(前・後)Φ320mmシングルディスク・Φ270mmシングルディスク
メーカー希望小売価格127万6000円(消費税10%込)

カワサキ「メグロK3」デザイナーズ・ボイス

画像: 猪野精一 氏 川崎重工業株式会社 モーターサイクル&エンジンカンパニー 技術本部 デザイン部

猪野精一

川崎重工業株式会社
モーターサイクル&エンジンカンパニー
技術本部 デザイン部

時代を超えて愛される「メグロ」の魅力

メグロK3のスタイリングで一番気を使ったのは「ジジ臭くならないこと」でした。

伝統と新しさをバランスよく備えることで、時代を超えてライダーの皆さんに受け入れていただけるデザインとなるよう気を付けました。タンクを銀鏡塗装にしたのは、メグロK3は復刻版ではなく現代のバイクなので、最新の技術を入れたかった、という理由と、W650のときすでにメッキ仕様を出していた(2003年)ので、同じことはしたくなかったからです。

個人的には、メグロK3はセンタースタンドを立てて停め、近くのベンチに腰を下ろし、低めの目線で真横から眺めたときが一番美しいと思っています。とても贅沢なバイクに仕上げましたので、ぜひ楽しんで下さい。

メグロの歴史

カワサキ二輪事業の礎となった名門

メグロ(目黒製作所)は、1924年に創業した日本の名門オートバイメーカーで、1937年に最初のモデル「メグロZ97」を発表。日本を代表する、大排気量のスポーツモデル専業メーカーであり、その高品質なオートバイは当時のライダーの憧れの的でもあった。

その後、戦時中はオートバイの製造を中断するが、戦後に製造を再開。1950年代に発売されたモデルは、浅間火山レースで活躍するなど大きな功績を残す。しかし、業績が徐々に悪化、その結果1960年に川崎航空機工業(現:川崎重工業)と提携を開始。その後、1964年に川崎航空機工業に吸収されたが、カワサキのオートバイ部門の成立において、大きな役割を果たしたのである。

画像: Kawasaki 500 MEGURO K2(1964年) 目黒製作所最後のモデル。496㏄・36PSのOHVバーチカルツインを搭載、現在のWシリーズの源流となったモデル。

Kawasaki 500 MEGURO K2(1964年)

目黒製作所最後のモデル。496㏄・36PSのOHVバーチカルツインを搭載、現在のWシリーズの源流となったモデル。

まとめ:オートバイ編集部/写真:南 孝幸、カワサキ

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