文：太田安治、小松信夫、ゴーグル編集部／モデル：葉月美優／写真：柴田直行
ホンダ「NC750X デュアル・クラッチ・トランスミッション」各部装備・ディテール解説
防風性能を追求した大型スクリーンが目立つ、ホンダのクロスオーバーモデル共通イメージのフロントマスクに、導光タイプのポジションランプを輪郭に縁取ったヘッドライトを組み合わせて、NCシリーズらしいアイデンティティーを表現。
燃費計やギアポジションといったライディングに欠かせない情報を、見やすく提供するフル液晶メーターパネル。タコメーターの表示色を好みの選択色に設定でき、さらに燃費やエンジン回転数などの状態を基に変化させるユニークな機能も備えている。
前傾シリンダー、270度クランク、ロングストローク設定、2軸バランサーなど、一般的なスポーツモデルとは一味違うメカニズムを採用する745㏄水冷直列ツイン。低回転での豊かなトルクと、中・高速での心地良いフィーリングを備え、同時に優れた燃費性能も実現する。ライダーが後輪への駆動力レベルを選択できるセレクタブルトルクコントロールも装備。
リラックスして快適にライディングできるワイドでアップライトなポジション設定に合わせて、ハンドルバーも幅が広く、グリップ位置の高いものが選択されている。寒冷時でも快適に走れるグリップヒーターも標準で装備されている。
ストローク量120㎜の正立フロントフォークはデュアルベンディングバルブを採用し、ピストンスピードに比例させた減衰力を発生させ上質な乗り心地を追求。さらに圧側の減衰力を上げることで、制動時のノーズダイブも抑制した。ブレーキはウェーブタイプのφ320㎜ディスクを採用している。
リアブレーキはウェーブタイプのφ240㎜ディスク。シャープなデザインのマフラーは異形断面形状の2室構造を採用して、心地のよいパルス感とサウンドを両立させている。アクスルトラベル量120㎜というリアサスペンションは、7段階を選択できるプリロード調整機構も装備し、タンデム走行や大量の荷物を搭載する場合にセッティングを変更することが可能だ。
ゆったりしたサイズで快適性の高いシートのシート高は800㎜。燃料タンク自体はこのシートの下にあって、給油口はタンデムシートを開けると姿を現す。
ライダー前側の従来の燃料タンク位置には、容量22Lという大きな収納スペースが確保されていて、フルフェイスヘルメットすら収納できる。さらにタンクバッグの取り付けのためのユーティリティーレールをスリッド上面に装備。前方にあるキーホールからリッドの開閉操作ができるなど、抜群の利便性を実現。
テールカウルの後端に輝度の高いLEDテールランプを装着。ウインカーには通常のバルブを使用する。
ホンダ「NC750X デュアル・クラッチ・トランスミッション」主なスペックと価格
全長×全幅×全高:2215×845×1320㎜
ホイールベース:1520㎜
シート高:800㎜
車両重量:231㎏
エンジン形式:水冷4ストローク直列2気筒OHC4バルブ
総排気量:745㏄
ボア×ストローク:77×80㎜
最高出力:54PS/6250rpm
最大トルク:6.9㎏m/4750rpm
燃料供給方式:FI
燃料タンク容量:14L
変速機形式:電子式6速変速（DCT）
タイヤサイズ前・後:120/70ZR17・160/60ZR17
価格:96万8000円（消費税10%込み）
文：太田安治、小松信夫、ゴーグル編集部／モデル：葉月美優／写真：柴田直行
