Z900シリーズとともに長い歴史を持つ、Z1000シリーズを紹介! 空冷から水冷へと時代は変わり、現在ではストリートファイターの代表的なモデルとなっているが、栄光の名前を与えられるだけの優れた資質は、脈々と続いている。

カワサキ「Z1000」誕生の歴史

Kawasaki Z1000

エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量:1043cc
最高出力:141PS/10000rpm
最大トルク:11.3kgf・m/7300rpm
シート高:815mm
車両重量:220kg
燃料タンク容量:17L
タイヤサイズ(前・後):120/70ZR17・190/50ZR17
メーカー希望小売価格:117万1500円(消費税10%込)

ワイルドなスタイルと豪快な走りが身上!

最初のZ1000は1970年代後半にZ1の後継として登場した空冷モデルだが、現行Z1000の直接のルーツは2003年にデビューしている。当時カワサキにはスーパースポーツのZX-9R、ネイキッドのZRX1200Rが存在していたが、Z1000は最小限のボディパーツをまとった、アグレッシブなストリートファイターとして誕生した。

専用スチール製ダイヤモンドフレームによるコンパクトな車体で軽快なハンドリングを実現、エンジンはZX-9R系の4気筒を排気量アップして低中速トルクを増強したものをチョイス。スタイリングはカウルを備えないが、アグレッシブなフロントマスク、4本出しマフラーなど非常に先鋭的で、あらゆる部分で他のモデルとは一味違う雰囲気が魅力だった。

ストリートに割り切った大胆なコンセプトが支持されたZ1000は、その後排気量を拡大した新エンジンを採用、攻めたスタイリングも「Sugomi」コンセプトとして今も発展し続けている。

画像: 初代モデルの衝撃を現代的にリファインした、圧倒的な迫力の「Sugomi」スタイリング。力強い走りを連想させる造形だ。

初代モデルの衝撃を現代的にリファインした、圧倒的な迫力の「Sugomi」スタイリング。力強い走りを連想させる造形だ。

画像: 初代Z1000から改良を重ね、高い完成度のパワフルな1043cc水冷直4DOHCエンジン。加速時の吸気音まで、ライダーを高揚させるチューニングだ

初代Z1000から改良を重ね、高い完成度のパワフルな1043cc水冷直4DOHCエンジン。加速時の吸気音まで、ライダーを高揚させるチューニングだ

画像: サイレンサーを斬新なデザインの左右4本出しデザインとしているのも、初代の水冷Z1000から受け継がれた特徴。

サイレンサーを斬新なデザインの左右4本出しデザインとしているのも、初代の水冷Z1000から受け継がれた特徴。

画像: LEDを用いることで実現された最新デザインの鋭く獰猛なフロントマスクも、初代モデルから継承するZ1000のアイデンティティ。

LEDを用いることで実現された最新デザインの鋭く獰猛なフロントマスクも、初代モデルから継承するZ1000のアイデンティティ。

カワサキ「Z1000」ショート・インプレッション(太田安治)

画像1: カワサキ「Z1000」ショート・インプレッション(太田安治)

ニンジャ1000とは兄弟車の関係にある現行のZ1000は想像以上に切れ味鋭い走りが特徴。兄弟とはいえ性格はまるで違う。エンジンも車体ディメンションもほぼ同じだが、小さなヘッドライトカウルのみを備えるZはフロント回りの慣性力が少なく、ロール方向に対する反応がクイックだ。サスペンションはソリッドなフィーリング。ロック寸前のブレーキングや一気に切り返した際の車体姿勢の変化がSSに近いレベルで抑えられている。

エンジン特性や各ギアのレシオはニンジャと共通だが、Zは加速型の減速比を採用し、強烈な加速が持ち味。繊細なコントロールは必要だが、ソリッドで豪快な走りを楽しみたいならいいチョイスだと思う。

Z1000の足つき性・ライディングポジション
シート高:815mm
ライダーの身長・体重:176cm・62kg

画像2: カワサキ「Z1000」ショート・インプレッション(太田安治)

ハンドルは開き目だが、やや絞られていて手首の落ち着きはいい。ただ、その分ハンドルの切れ角はや少なめだ。シートはニンジャより薄くて硬いが、足着き性は良好。前傾度は非常に自然なものだ。

カワサキ「Z1000」ブランドヒストリー

空冷から水冷へ継承されたZの旗艦

もともとZ1000という車名は1977年、Z1から発展したZ900の改良版として、排気量を拡大したモデルに与えられたもの。この空冷Z1000も、1980年代初頭まで改良を繰り返しつつ生産されたが、水冷モデルに道を譲って姿を消す。

その車名が復活したのは2003年、ZX-9Rベースの水冷1000㏄エンジンを積んだ、新コンセプトのストリートファイターモデルとしてだ。新鮮で個性的なルックス、スーパースポーツ以上に豪快な走りを実現した水冷Z1000は好評をもって迎えられ、現行モデルに至るまでモデルチェンジを重ねながら完成度を高め、ストリートファイターの定番となった。

1977年 Z1000A

Z1系の最終モデル・Z900がモデルチェンジ。エンジンの排気量を1016ccに拡大、4本出しマフラーも2本出しに変更。リアブレーキもディスク化されている。

1979年 Z1000MKⅡ

Z1のイメージを残していた丸みを帯びたスタイルを、直線基調のスポーティなデザインに一新。エンジンも僅かにパワーアップが図られている。

1980年 Z1000H

Z1000MKⅡのエンジンをインジェクション化。最高出力は向上したが、フィーリングの不自然さなど完成度は低く、1年限りで姿を消した。

1981年 Z1000J

画像: Z1系エンジンに大幅に手が入れられ、レースのレギュレーション変更に合わせ排気量も998ccに。スタイリングも再び曲線基調に変更。

Z1系エンジンに大幅に手が入れられ、レースのレギュレーション変更に合わせ排気量も998ccに。スタイリングも再び曲線基調に変更。

2003年 Z1000

画像: 現行モデルのルーツとなる新世代Z1000の初代モデル。スーパースポーツ的メカニズムと、個性的なストリートファイタースタイルが合体している。

現行モデルのルーツとなる新世代Z1000の初代モデル。スーパースポーツ的メカニズムと、個性的なストリートファイタースタイルが合体している。

2007年 Z1000

画像: 2003年に登場した新世代Z1000が初のモデルチェンジ。独特のスタイルのイメージこそ受け継がれたが大幅にリファインされ、フレームなど車体も一新された。

2003年に登場した新世代Z1000が初のモデルチェンジ。独特のスタイルのイメージこそ受け継がれたが大幅にリファインされ、フレームなど車体も一新された。

2010年 Z1000

画像: 2度目のモデルチェンジから、フルカウルを備えたスポーツツアラー・ニンジャ1000と、エンジンやフレームなどの基本メカニズムを共用。

2度目のモデルチェンジから、フルカウルを備えたスポーツツアラー・ニンジャ1000と、エンジンやフレームなどの基本メカニズムを共用。

2014年 Z1000

画像: 4代目Z1000で「Sugomi」コンセプトを取り入れたスタイルを採用。前後サスなど足回りも大幅にグレードアップされ、さらに走りも磨かれた。

4代目Z1000で「Sugomi」コンセプトを取り入れたスタイルを採用。前後サスなど足回りも大幅にグレードアップされ、さらに走りも磨かれた。

まとめ:オートバイ編集部、太田安治/写真:南 孝幸

This article is a sponsored article by
''.