スズキ「Vストローム250 ABS」
![画像: スズキ「Vストローム250 ABS」](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2020/09/14/46c944ffac6780c52e7aaa0dcabfce688cfd83d8_xlarge.jpg)
ダートは移動程度、が吉
ダート走行で最大のネックとなるのが前後17インチのホイールと完全なオンロード用のタイヤ。固く締まっている場所なら走れるが、いったん滑り始めると修正が難しく、轍ではフロントタイヤを取られやすい。大きめのギャップ通過の際には前後サスペンションが底付きし、エンジンの下回りも当たってしまう。
そもそも市街地で乗りやすく、長距離ツーリングも快適にこなすことを主眼に置いたオートバイだから、ダート走破性を期待するのは酷。キャンプサイトや宿への未舗装取り付け道路なら移動できる、という程度に捉えておくべき。どうしてもダート走行の必要があるのなら、17インチのオン/オフ両用タイヤに交換することでグリップ力は大幅に高まるが、サスペンションストロークと最低地上高を考えると無理は禁物。
![画像: 前後17インチの10本スポークキャストホイールに、オールラウンドなスポーツバイアスIRC RX-01を履く。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2020/09/14/59299a6a185b8f960082c365a7f9280985447c97_xlarge.jpg)
前後17インチの10本スポークキャストホイールに、オールラウンドなスポーツバイアスIRC RX-01を履く。
![画像: ペータルディスクはフロントφ290㎜、リア240㎜の大径。モノサスは4車中唯一のリンクレスとなっている。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2020/09/14/bca7fac1801c21bdd8c722a05a550b59f0b8c0a5_xlarge.jpg)
ペータルディスクはフロントφ290㎜、リア240㎜の大径。モノサスは4車中唯一のリンクレスとなっている。
カワサキ「ヴェルシスX 250ツアラー」
![画像: カワサキ「ヴェルシスX 250ツアラー」](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2020/09/14/be1f4e4228b59b68565b0eb3ef2f707047d1c6b8_xlarge.jpg)
想像以上のダート適応力
前後スポークホイールにオン/オフ両用タイヤ、フロントの19インチホイール、専用設計のフレームで、ヴェルシスのダート適性は見た目よりもはるかに高い。
抑えの効くポジションで荒れ気味の舗装林道もハイペースで走れ、ぬかるんでいない限りはダートも不安なく進んでいける。最低地上高は180mmあるが、サスペンションセッティングはオンロード向きだから調子に乗って飛ばしていると大きめのギャップでエンジン下側やマフラーを打つ心配がある。
ニンジャ250系のエンジンは、ダートでは充分過ぎるほどパワフル。引き換えに低回転域ではピックアップが鈍くトルクも細いため、凸凹路面を低速で通過するときにはスロットルとクラッチの操作に気を使う。その意味ではVストロームよりも上級者向けのキャラクターだ。
![画像: フロント19インチのアルミ製スポークホイールにチューブタイヤをセット。ペタルディスクはφ290㎜。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2020/09/14/5e52b163544391209e61ebc2071241be1ceb6f9e_xlarge.jpg)
フロント19インチのアルミ製スポークホイールにチューブタイヤをセット。ペタルディスクはφ290㎜。
![画像: リアは17インチでペータルディスクはφ220㎜。タイヤはスリック×ブロックのIRC製TRAIL WINNER GP210。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2020/09/14/48f424bfe987247f37e92a1c87b3afb508219391_xlarge.jpg)
リアは17インチでペータルディスクはφ220㎜。タイヤはスリック×ブロックのIRC製TRAIL WINNER GP210。
ホンダ「CRF250ラリー」
![画像: ホンダ「CRF250ラリー」](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2020/09/14/81bbe0201da50662200ec2bb844ffcbb4bf7ac09_xlarge.jpg)
扱いやすくコントロールしやすい
本格オフロードモデルのCRF250Lがベースだけに、車体剛性も前後サスペンション設定もダート向き。特に路面状態が刻々と変化する林道で本領を発揮し、固く締まったダートでのアベレージスピードも高い。
低中回転域での素直なスロットルレスポンスでパワーをコントロールしやすく、ちょっとしたジャンプやパワースライドを不安なく楽しめることも魅力。
フルサイズホイールにオフロード用タイヤを履いているから踏破性、安定性ともに高いが、スタンダードのCRF250ラリーが270mmという最低地上高を確保しているのに対し、サスペンションストロークを減らしたローダウン仕様車は205mm。林道ツーリングペースなら不足ないものの、大きな段差や轍をハイスピードで越えるときには下回りをヒットしないように注意が必要だ。
![画像: 倒立フォークとブラックアルマイト仕上げの21インチDID製リムの組み合わせ。ウェーブディスクはφ296㎜。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2020/09/14/8c316327c0318ef7d60cb6fa22ef9da2c5c56665_xlarge.jpg)
倒立フォークとブラックアルマイト仕上げの21インチDID製リムの組み合わせ。ウェーブディスクはφ296㎜。
![画像: IRC製の18インチはセローと同じサイズで、スイングアームはアルミ鋳造一体型。ディスクは径220㎜。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2020/09/14/15988b99a6faf99084d90fea7cbb8deb91ee33d7_xlarge.jpg)
IRC製の18インチはセローと同じサイズで、スイングアームはアルミ鋳造一体型。ディスクは径220㎜。
ヤマハ「ツーリングセロー」
![画像: ヤマハ「ツーリングセロー」](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2020/09/14/287276f61718a4e7b0d5ab9479581143e5259ffa_xlarge.jpg)
オフロードの頼もしい相棒
街乗りやオンロードツーリングではライダーに従順だが、オフロードに入った途端に頼もしい相棒になるのがセロー。
フロントフォーク、スイングアーム、メインフレームの剛性バランスを林道トレッキングペースに最適化し、車体全体で衝撃を吸収するのでギャップでも弾かれにくい。加えてスロットル全閉から開け始めた瞬間のレスポンスが自然でグリップの悪い路面でも有効なトラクションが得られ、1速がローギアード設定になっていることと併せて大きな段差を越える際もフロントを浮かせやすいことも特徴。
133kgの車体と285mmの最低地上高、左右51°のハンドル切れ角で、両足を着きながらの「二輪二足」で獣道やゴロゴロした石だらけのガレ場、ヌタヌタの泥道といったハードな場所ではセローの独壇場になる。
![画像: 21インチの軽量アルミ製リムに、低騒音を考慮した細身のチューブタイヤを履く。ディスク径は245㎜。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2020/09/14/f4e63331b775f1c7e1cf0efb16186590938f3dda_xlarge.jpg)
21インチの軽量アルミ製リムに、低騒音を考慮した細身のチューブタイヤを履く。ディスク径は245㎜。
![画像: オフタイヤの選択肢が広い18インチリムに、BS製のチューブレスタイヤを装着。ブレーキ径は203㎜だ。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2020/09/14/648774793fb836454e9007deb4a0cf3dd6ec3f96_xlarge.jpg)
オフタイヤの選択肢が広い18インチリムに、BS製のチューブレスタイヤを装着。ブレーキ径は203㎜だ。
文:太田安治/写真:赤松 孝/南 孝幸