SYM「JOYMAX Z250」試乗インプレ&解説(太田安治)
![画像: SYM JOYMAX Z250 総排気量:249.4cc エンジン形式:水冷4ストSOHC2バルブ単気筒 メーカー希望小売価格:税込49万5000円](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2020/09/10/c7877318f62a649978d5d4c721d8724ffd041350_xlarge.jpg)
SYM JOYMAX Z250
総排気量:249.4cc
エンジン形式:水冷4ストSOHC2バルブ単気筒
メーカー希望小売価格:税込49万5000円
ストリートで快適に走れるクルーザースタイル
「ビッグスクーター」という区分に明確な定義はなく、ヨーロッパでは500cc以上、日本では250cc以上のモデルを指すことが一般的。2000年代に起きた日本のビッグスクーターブームでは低く長い車体で存在感を強調した車種が人気を集めたが、その車格ゆえに市街地での機動性、取り回しやすさには難がある。実用性が重視される現在では、混雑した市街地や細い路地もスイスイ走れるクルーザースタイルが主流になっている。
SYMのジョイマックスもそうしたクルーザースタイルを採用しているが、車体は125ccクラスよりも二回り大きく、ライディングポジションもゆったりしたもの。シート後端のバックレストが腰を支えてくれるので加減速を繰り返しても腰の位置が安定していて疲れない。ステップフロア前方に足を伸ばすリラックスポジションも取れるので、ストリートコミューターの枠に留まらず、長距離ツーリングも快適に楽しめる。
![画像1: SYM「JOYMAX Z250」試乗インプレ&解説(太田安治)](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2020/09/10/d0c69f7c2735697561b638db230abf021cf89051_xlarge.jpg)
排気量の小さなスクーターは加速性能を高めるためパワー/トルクの出る高回転域を保つCVT設定を採用する車種が多いが、ジョイマックスは低回転トルクに余裕があるのでゼロ発進時のクラッチミートは3000回転弱。動き出しが実に滑らかで、排気音量が上がることもないから、深夜・早朝の住宅街も気兼ねなく走れる。
スロットル全開加速時は6000回転台をキープし、一定の加速感のまま速度を増していく。100km/h走行時は約6000回転で、最高速は130km/hを越えるから高速道路+タンデムでも余裕がある。パワーモード切り替えやトラクションコントロールといった最新デバイスは装備していないが、この穏やかなエンジン特性+変速設定なら電子デバイスの必要性は全く感じない。
![画像2: SYM「JOYMAX Z250」試乗インプレ&解説(太田安治)](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2020/09/10/1224bf2dcedffa1da53829a8c449f88f852db82e_xlarge.jpg)
ロー&ロングな車体のスクーターはライダーを含めた車体重心位置が低く、直進安定性が高い反面、ハンドリングが鈍くゴロンとした反応になるが、ジョイマックスは意図した方向へ素直に向きを変える。車体の剛性バランスも現実的な速度域に合っていて、ギャップの衝撃吸収性もいい。キビキビ感はないが、ハンドル切れ角が大きいので意外なほど小回りが利くうえ、狭めのハンドル幅は渋滞路や駐輪場の出し入れ時にも有利だ。
街乗りからツーリングまで使える懐の深さと、税込みで50万円を切る価格がジョイマックスの大きな魅力。毎日付き合える、頼れる相棒だ。
SYM「JOYMAX Z250」主なスペックと価格
全長x全幅x全高:2190×760×1450mm
ホイールベース:1546mm
最低地上高:120mm
シート高:747mm
車両重量:184kg
エンジン形式:水冷4ストSOHC2バルブ単気筒
総排気量:249.4cc
ボアxストローク:71×63mm
圧縮比:10.5
最高出力:21.48PS/7500rpm
最大トルク:2.4kg-m/5500rpm
燃料供給方式:FI
燃料タンク容量:12L
変速機形式:CVT
ブレーキ前・後:φ260mmディスク・φ240mmディスク
タイヤサイズ前・後:120/70-14・140/60-13
メーカー希望小売価格:税込49万5000円